東証アローズからの株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスターの鈴木ともみ氏が、月曜~金曜(休日は除く)の東京株式市場を振り返って解説します。

株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスターの鈴木ともみ氏((C) サコカメラ)


経済キャスターの鈴木ともみです。東京株式市場の今週一週間の相場動向についてお伝えします。日経平均株価の今週末(終値)は前週末比+65円24銭となりました。

今週の高値は7月31日(木)の1万5759円66銭、一方、安値は7月28日(月)の1万5426円98銭。高安の値幅は332円68銭でした。日経平均株価は1万5500円を維持する展開で週末を迎えています。

では、具体的にこの一週間を振り返ってみましょう。

7月28日(月)の東京株式市場は続伸しました。前週末の米国市場の下落を受けて東京市場も朝方は売りが先行したものの、為替相場がやや円安水準で落ち着いて推移したことから、先物先行で現物の日経平均株価も上昇に転じました。後場に入ると、こう着感を強めるなか、低位株などへの個別物色は継続し、日経平均株価は1月23日以来、約半年ぶりに1万5500円台を回復しています。

TOPIX業種別指数では、銀行、紙・パルプ、海運、鉄鋼、建設など24業種が上昇。一方、鉱業、精密、電気・ガスなど9業種が下落。

日経平均株価、TOPIXともに続伸となっています。

7月29日(火)の東京株式市場は3日続伸。東京市場は前場から企業業績の改善期待による買いが先行しました。アジア市場で上海市場や香港市場が年初来高値を更新したこともあり、後場に入り、為替が1ドル=102円台まで円安が進むと、日経平均株価は約半年ぶりに1万5600円を上回りました。

TOPIX業種別指数では、倉庫、情報・通信、不動産、小売、機械など23業種が上昇。一方、石油・石炭、銀行、証券など10業種が下落。

日経平均株価、TOPIXともに3日続伸となっています。

7月30日(水)の東京株式市場は4日続伸。朝方に発表された6月分の鉱工業生産指数速報値が前月比3.3%低下の96.7と、下落幅が2011年3月以来の大きさとなったことが重しとなり、終始、上値が抑えられる展開となりました。ただ、為替が円安に振れたほか、好決算銘柄を素直に物色する流れから下値も限られ、結局、日経平均株価は小幅高で大引けを迎えています。

TOPIX業種別指数では、その他金融、精密、鉄鋼、輸送用機器など14業種が上昇。一方、空運、建設、不動産、陸運など19業種が下落。日経平均株価、TOPIXともに4日続伸となっています。

7月31日(木)の東京株式市場は5日ぶりに反落しました。前日に米国で発表された4-6月期米国内総生産(GDP)実質成長率が前期比4.0%(年率換算)と市場予想を大きく上回ったことから為替が円安に振れるのにつれて、東京市場も朝方から堅調に推移しました。日経平均株価が一時100円を超える上げ幅となったほか、TOPIXも1300ポイント台を回復、JPX日経インデックス400は1月8日の指数算出開始以来の高値を更新する場面もありました。ただ、アルゼンチンがテクニカルデフォルトに陥る可能性が高まったと伝わると円安が一服し、後場に入ると次第に売りが広がり、日経平均株価、TOPIXともにほぼ安値引けで取引を終えています。

TOPIX業種別指数では、海運、その他金融、銀行など8業種が上昇。一方、その他製品、食品、非鉄金属、鉄鋼、輸送用機器など25業種が下落。日経平均株価、TOPIXともに5日ぶりの反落となっています。

8月1日(金)の東京株式市場は続落しました。前日の米国株式市場が大幅安となった流れを引き継ぎ、東京市場も朝方から売りが先行しました。ただ、売り一巡後は、日経平均株価、TOPIXともに底堅く、1万5500円を維持するなかで推移し、為替が1ドル=103円に接近すると、日経平均株価は一時、1万5600円台に乗せる場面もありました。その後、後場に入ると、小幅な値動きのなかじり安の展開が続き、結局、日経平均株価は-97円で大引けを迎えています。

TOPIX業種別指数では、ガラス・土石、電気・ガス、水産、空運の4業種が上昇。一方、海運、金属製品、保険、その他製品、その他金融など29業種が下落。

日経平均株価、TOPIXともに続落となっています。

来週の予定です。7日(木)には、JPX日経インデックス400に採用される銘柄の入れ替えが公表されます(実施は29日(金))。また、7日(木)~8日(金)に日銀金融政策決定会合が開催されます。海外では7日(木)にECB(欧州中央銀行)理事会の結果が発表されます。8日(金)には国内で6月分と1月~6月分の国際収支が発表されます。また、オプションSQ(株価指数オプションとミニ日経平均先物8月物の特別清算指数)が算出されます。いずれもぜひチェックしておきたいところです。

執筆者プロフィール : 鈴木 ともみ(すずき ともみ)

経済キャスター・ファィナンシャルプランナー・DC(確定拠出年金)プランナー。著書『デフレ脳からインフレ脳へ』(集英社刊)。東証アローズからの株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスター。中央大学経済学部国際経済学科を卒業後、現・ラジオNIKKEIに入社。経済番組ディレクター(民間放送連盟賞受賞番組を担当)、記者を務めた他、映画情報番組のディレクター、パーソナリティを担当、その後経済キャスターとして独立。企業経営者、マーケット関係者、ハリウッドスターを始め映画俳優、監督などへの取材は2,000人を超える。現在、テレビやラジオへの出演、雑誌やWebサイトでの連載執筆の他、大学や日本FP協会認定講座にてゲストスピーカー・講師を務める。