東証アローズからの株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスターの鈴木ともみ氏が、月曜~金曜(休日は除く)の東京株式市場を振り返って解説します。

株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスターの鈴木ともみ氏((C) サコカメラ)


経済キャスターの鈴木ともみです。東京株式市場の今週一週間の相場動向についてお伝えします。日経平均株価の今週末(終値)は前週末比+365円58銭となりました。

今週の高値は23日(金)の1万4528円04銭、一方、安値は21日(水)の1万3964円43銭。高安の値幅は563円61銭でした。

木曜日と金曜日の二日間で420円高と、週末高で一週間を締めくくる展開となっています。

では、具体的にこの一週間を振り返ってみましょう。

19日(月)の東京株式市場は続落。前週末の米国市場で株価が上昇し、欧米長期金利の低下が一服したことを受け、東京市場も朝方は買いが先行しました。ただ、日銀の金融政策決定会合や中国PMI(製造業購買担当者景気指数)など今週の注目イベントを前に、上値を追う手掛かりに乏しく、その後は上げ幅を縮小する展開となりました。後場に入ると先物が売られ、新興市場の銘柄や小型株が一段安となったことから、さらに下げ幅は広がり、日経平均株価は午後2時半すぎに1万3991円と、節目の1万4000円を割り込む場面がありました。結局、軟調な展開のまま大引けを迎えています。

TOPIX業種別指数では、紙・パルプ、陸運、小売など6業種が上昇。一方、その他金融、不動産、機械、鉄鋼、電気機器など27業種が下落。

日経平均株価は4日続落、TOPIXは3日続落となっています。

20日(火)の東京株式市場は反発しました。前日の米国市場で主要株価指数が揃って続伸したことから、東京市場も買い戻し先行でのスタートとなりました。その後、買いが一巡し上げ幅は縮小したものの、前場中ごろにGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)のガバナンス体制が強化されるとの報道が伝わると、円安・株高の展開となり、後場に入り日経平均株価は一時、+137円まで上昇する場面がありました。ただ、日銀の金融政策決定会合の結果発表を翌日に控え、終盤は戻り待ちの売りが優勢となり、結局、伸び悩む展開のなか大引けを迎えています。

TOPIX業種別指数では、電気・ガス、空運、証券、小売、不動産など25業種が上昇。一方、石油・石炭、銀行、機械など8業種が下落。

日経平均株価は5日ぶりの反発、TOPIXは4日ぶりの反発となっています。

21日(水)の東京株式市場は反落しました。前日の米国市場が3日ぶりに反落したことから、東京市場も朝方から売り優勢の展開となりました。昼休み中に日銀の金融政策決定会合が現状維持を決めたことをきっかけに、為替がやや円高・ドル安に振れると、後場に入り、日経平均株価は一時、-110円まで下落する場面もありました。ただ、心理的な節目である1万4000円を下回る水準では買い戻しが入りやすく、下げ幅を縮小する展開のなか大引けを迎えています。

TOPIX業種別指数では、鉱業、空運、情報・通信、陸運など12業種が上昇。一方、不動産、非鉄金属、その他金融、機械、輸送用機器など21業種が下落。日経平均株価、TOPIXともに反落となっています。

22日(木)の東京株式市場は大幅反発。前日の米国市場でダウ工業株30種平均株価の上げ幅が一カ月ぶりの大きさとなり、為替も円安に振れたことから、東京市場も朝方から買いが先行しました。午前10時45分にHSBCが発表した5月分の中国製造業PMIが49.7と市場予想の48.3を上回ったことを確認すると、投資家心理が改善し、上げ基調を強めました。午後に「かんぽ生命保険が2015年3月期に日本株の保有比率を拡大する方針」との報道が伝わると、買い戻し優勢の展開となり、日経平均株価は一時、+326円まで上昇する場面もありました。終盤にかけては、やや上値が重くなったものの、東証1部全体の9割弱の銘柄が上昇し、ほぼ全面高の展開で大引けを迎えています。

TOPIX業種別指数では、証券、保険、その他金融、輸送用機器、機械など31業種が上昇。一方、鉱業、電気・ガスの2業種が下落。日経平均株価、TOPIXともに反発となっています。

23日(金)の東京株式市場は続伸しました。前日の米国市場で主要指数が上昇したことから、東京市場も朝方から買い先行でスタート。為替がやや円安に振れたのに合わせて、前場を通して主力株を中心に買い戻しが広がる展開となりました。後場に入り、序盤に日経平均株価は一段高し、+190円の1万4528円と、取引時間中としては4月25日以来、ほぼ一カ月ぶりに心理的な節目となる1万4500円を上回る場面もありました。その後はやや伸び悩みつつも、100円を超える上げ幅を維持したまま大引けを迎えています。

TOPIX業種別指数では鉱業、不動産、ゴム製品、機械など30業種が上昇。一方、空運、紙・パルプ、水産など3業種が下落。

日経平均株価、TOPIXともに続伸となっています。

来週の予定です。まずは国内で26日(月)に日銀金融政策決定会合の議事要旨が発表となります。この日は海外では、米国市場、英国市場ともに休場です。27日(水)には米国でS&Pケース・シラー住宅価格指数が発表されます。30日(金)には国内で、4月分の全国CPI(消費者物価指数)、5月分の都区部のCPI、4月分の完全失業率、4月分の有効求人倍率、4月分の家計調査、4月分の鉱工業生産指数の速報値が発表となります。

いずれもぜひチェックしておきたいところです。

執筆者プロフィール : 鈴木 ともみ(すずき ともみ)

経済キャスター・ファィナンシャルプランナー・DC(確定拠出年金)プランナー。著書『デフレ脳からインフレ脳へ』(集英社刊)。東証アローズからの株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスター。中央大学経済学部国際経済学科を卒業後、現・ラジオNIKKEIに入社。経済番組ディレクター(民間放送連盟賞受賞番組を担当)、記者を務めた他、映画情報番組のディレクター、パーソナリティを担当、その後経済キャスターとして独立。企業経営者、マーケット関係者、ハリウッドスターを始め映画俳優、監督などへの取材は2,000人を超える。現在、テレビやラジオへの出演、雑誌やWebサイトでの連載執筆の他、大学や日本FP協会認定講座にてゲストスピーカー・講師を務める。