東証アローズからの株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスターの鈴木ともみ氏が、月曜~金曜(休日は除く)の東京株式市場を振り返って解説します。

株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスターの鈴木ともみ氏((C) サコカメラ)


経済キャスターの鈴木ともみです。東京株式市場の今週一週間の相場動向についてお伝えします。日経平均株価の今週末(終値)は前週末比-177円60銭となりました。三連休明けの14日(火)の日経平均株価は大幅反落となり、15日(水)は大幅反発、16日(木)は反落と前週の7日(火)から上げ下げを7日連続で交互に繰り返す展開となっていましたが、週末の17日(金)が続落となり、上昇と下落を繰り返す一進一退の展開は一旦、週末で途絶えました。一方、TOPIX(東証株価指数)は、17日(金)に反発し、上げ下げを交互に繰り返す相場展開が未だ続いています(8日連続)。

今週一週間の高値は16日(木)の1万5941円08銭、安値は14日(火)の1万5383円69銭。高安の値幅は557円39銭となりました。

では、具体的にこの一週間を振り返ってみましょう。

14日(火)の東京株式市場は大幅に反落しました。昨年12月の米雇用統計が市場予想を大きく下回ったことなどを受け、3連休中にリスクオフの向きが強まり、米国市場では円高、株安、債券高の展開となりました。その流れを引き継いだ東京株式市場も前場から売りが広がり、後場中頃には、先物が一段安となるのにつれて、値がさ株や大型株が下げ足を速めました。日経平均株価は一時、500円を超える下げ幅に。大引けにかけてはやや落ち着きを取り戻したものの、昨年12月17日以来、約1カ月ぶりの安値水準で取引を終えています。TOPIX業種別指数では全33業種が下落。値下り率上位は証券、保険、その他金融、電気・ガス、海運など。

日経平均株価、TOPIXともに反落となっています。

15日(水)の東京株式市場は大幅に反発しました。前日の米国市場では、昨年12月分の米小売売上高が市場予想を上回ったことを好感し、ダウ工業株30種平均株価が5日ぶりに反発、為替も円高が一服しました。その流れを受けて、東京株式市場でも朝方から買いが先行し、後場に入ってからも先物への買いが断続的に入りました。先物がけん引するなか、現物株も堅調に推移し、日経平均株価、TOPIXともに高値引けとなっています。TOPIX業種別指数では、全33業種が上昇。値上がり率上位は保険、倉庫、不動産、陸運、機械など。

日経平均株価、TOPIXともに反発となっています。

16日(木)の東京株式市場は小反落。前日の米国市場が続伸した流れを引き継ぎ、前場は買いが先行し、一時、日経平均株価は14日(火)の急落分を埋めるほどの上げ幅となる場面もありました。また、寄り付き前に発表された11月の機械受注統計も好調な内容だったことから設備投資関連などに買いが広がり、TOPIXは一時、取引時間中の昨年来高値を更新。ただ、後場に入り為替相場で円安が一服すると、先物や主力株に利益確定売りが出て、結局、日経平均株価、TOPIXともにマイナス圏のまま大引けを迎えました。

TOPIX業種別指数では、空運、電気・ガス、鉄鋼、輸送用機器など16業種が上昇。一方、その他金融、不動産、銀行、小売など17業種が下落。

日経平均株価、TOPIXともに反落となっています。

17日(金)の東京株式市場はまちまちの展開。前日の米国市場でダウ工業株30種平均株価が3日ぶりに反落し、為替もやや円高に振れたことから東京株式市場は売り先行で始まりました。後場は一時、上げに転じるなど下げ渋る場面も見られたものの、上げ幅を拡大するほどの買いは続かず、自動車やエレクトロニクス関連などが軟調に推移し、大引けにかけて日経平均株価はマイナス圏に沈みました。ただ、物色意欲は衰えておらず、値ごろ感から押し目買いも入り、TOPIXはプラスのまま大引けを迎えています。

売買代金も17営業日連続で2兆円超えを果たし、投資家の売買意欲が健在である様子もうかがえます。

TOPIX業種別指数では、倉庫、不動産・卸売、非鉄、海運など20業種が上昇。一方、保険、紙・パルプ、その他製品など13業種が下落。

日経平均株価は続落、一方、TOPIXは反発となっています。

来週の予定です。20日(月)は米国市場が休場、中国では2013年10月~12月期のGDP(国内総生産)が発表されます。国内では、20日(月)に12月分と2013年一年間の全国コンビニエンスストアの売上高が、21日(火)に12月分と2013年一年間の全国スーパー売上高が発表となります。また、21日(火)~22日(水)には日銀金融政策決定会合が開かれます。週末24日(金)には通常国会が召集されます。また海外ではスイスのダボスで、22日(水)からは25日(土)まで世界経済フォーラム(ダボス会議)が開催されます。いずれもぜひチェックしておきたいところです。

執筆者プロフィール : 鈴木 ともみ(すずき ともみ)

経済キャスター・ファィナンシャルプランナー・DC(確定拠出年金)プランナー。著書『デフレ脳からインフレ脳へ』(集英社刊)。東証アローズからの株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスター。中央大学経済学部国際経済学科を卒業後、現・ラジオNIKKEIに入社。経済番組ディレクター(民間放送連盟賞受賞番組を担当)、記者を務めた他、映画情報番組のディレクター、パーソナリティを担当、その後経済キャスターとして独立。企業経営者、マーケット関係者、ハリウッドスターを始め映画俳優、監督などへの取材は2,000人を超える。現在、テレビやラジオへの出演、雑誌やWebサイトでの連載執筆の他、大学や日本FP協会認定講座にてゲストスピーカー・講師を務める。