紅葉の季節である。そして、もうすぐ道端に枯葉が積もる季節がやってくる。枝から茶色くなった葉が力尽きたように離れていく様は風情があるのだが、視点を変えて見ると、この光景はまさに整理が苦手な人の仕事机そのものに見えないだろうか(←何でも仕事につなげて考えるのはどうかと思うが…)。

電話の周りに「To Doリスト」(やるべきこと一覧)が書きこまれたメモが重なるように貼りついている人は少なくない。たまりまくったTo Doリストは重みに耐えられずに、ひとひら、ふたひら、秋の枯葉のように舞い落ちるのである。

皆さまは、タスク管理ツールは何を用いているのだろうか。その昔、ぐうたら主婦も付箋紙を利用していたが、まったくもって、付箋紙はタスク管理に向いていないという結論に達したことがある。付箋紙の欠点ははがれること。PCのディスプレイの枠に貼りたくても、表面が粗くてまるでだめ。電話は表面がつるつるしているからはがれにくいけれど、結局は重力に耐えかねて落ちてしまうのである。コルクボードに貼ってピンで押さえたこともあるが、結構面倒くさかった。

キングジム 卓上メモ「マメモ」。電池式の電子メモだ

そこでぐうたら主婦は探した。付箋紙を使わないタスク管理ツールはないものかと。デスクトップ上の付箋紙ツールも試してみたが、画面上の壁紙が見えないくらい付箋紙だらけになったことがあって、うんざりしてやめた。しかも、期限とか、優先順位がひと目でわかりにくい点も好きになれなかった。そこで行きついたのが、「Remember The Milk」である。Web上でタスク管理するツールなんだけど、時間単位で管理できるし、リストが見やすいのも気に入っている。期限が近付くと、リマインダーをメールする機能もついている。

タスク管理ツールを使いたい本当の理由

そもそも、タスク管理ツールをなぜ使いたいと思うのか。それは、自分がやるべきことを忘れないためということが第一の理由だ(←当然のこと)。ただ、それだけではない。自分がこの先、何をすべきかを洗い出して安心することに、タスク管理の存在意義があると私は思う。やるべきことを一覧できると、いつも通りのペースでいいのか、あるいは今から全速力で走っておかなければならない事態にあるのか、見極められる。要するに、「なんだかやらなければならないことがたくさんあるような感じがするけれど、睡眠時間を削るほどではないよ」、と自分を安心させたいのである。

メモの画面。タッチペンで書き込む

タッチペン。持ちやすいように、形状が工夫されている

たぶん、優秀な人はツールなんかで管理しなくても、頭の中で管理できるのだろう。だが、ぐうたら主婦はいろんなことを覚えておくのが苦手だし、何でも目に視えるようにしておきたいのである。その点、Remember The Milkは優秀で使い勝手もいい。だが、弱点もある。

理想のタスク管理ツールとは

Remember The Milkのどこが弱いのかというと、Web上にあるツールだから、突然メンテナンスで使えなくなってしまうのである。やっぱり、大切なものはオフラインがいいのである。そこで、見つけたのが、キングジムの「マメモ」。電池式の卓上メモである。電池は約7ヵ月間という長期使用が可能で、もちろんメンテナンス中で使えなくなることはない。「なんだ、紙に書くメモを電子化しただけじゃないか!」という突っ込みもあるだろう。その通りである。よくいえばシンプル、悪くいえば単純なつくりの商品である。ただし、タスク管理ツールとしての使い勝手は抜群で、一度使い始めたら、手放せないくらいだ。

タスクの書き込みは付属のタッチペンを画面上で滑らす。ニンテンドーDSなどと同じ要領である。メモ帳としてのみ使うときはここで作業は終了する。タスク管理機能を利用したいときは、メモを表示させたまま「To Do」マークをタップすると、日時画面になるので期限を入力。あとは、アラームがONになっていることを確認して、「OK」ボタンをタップすれば作業は終了。期限が来ると、画面に「To Doメモ」が表れ、ブブッ、ブブッ、ブブッとアラームが鳴ってくれるのである。

「To Do」を設定する場面

私はこの控えめなアラーム音がいいと思う。Remember The Milkにしろ、カレンダーツールにしろ、メールで期限を教えてくれるタイプのものは(私が携帯電話にメール転送を設定しているため)、ケータイの着信音が鳴り響く。これがちょっと大げさというか、「何もケータイにまで、追っかけてこなくてもいいのに」という気持ちになるのである。だったら、リマインダーをオフにすればいいのであるが、うっかり忘れることが怖くてリマインダー設定してしまうのである(←ならば文句言うなよ)。

ということで、わがままなぐうたら主婦はやわらかな音のするリマインダーが欲しいと思っていた。そんな折、マメモを発見して大満足である。

「リマインダー」という小さな機能だが、マメモを使っていると、そこには作り手が仕様を練るために、あれこれ考え抜いた痕跡がいくつか散見される。これは次回、詳しく説明する。

価格は6,279円。マイコミジャーナル価格情報(2010年10月11日現在)では3,980円~4,980円になっていた。この価格もマイコミジャーナルで調べながら、マメモにメモしたのであった。もともとマメモはメモ帳なんである。このメモ機能にもいろんな工夫が組み込まれている。これも次回、お伝えしよう。

イラスト:YO-CO