パナソニック「ビューティ・トワレ」WDシリーズの魅力は「省エネ」だけかというと、そうではない。もう一つの魅力は「キレイ」である。

自宅のトイレに入ったとき、どこか清潔感が欠けているような気がする(←ぐうたら家のように掃除頻度の少ない家庭はとくに)。たとえ、掃除をこまめにしている家庭でも、お尻洗浄機能のノズルの先がカビや水アカで黒ずんでいることは少なくない。場合によっては、つなぎ目の溝に汚れが溜まっていることもよくある。ずいぶん前から、私はこれで大丈夫かと疑問に思っていたのである。主婦の基準からすると「ノズルの汚れは水の汚れ」、汚い水でお尻を洗うなんて、受け入れがたいものがあるのだ。この「困った」を解決したのがビューティ・トワレである。

除菌と抗菌は似て非なるもの

どうやって解決したかというと、ノズルの素材をステンレスにしたのである。

「ステンレスは水の汚れに強いという特徴があります」(パナソニック 空質商品チーム上里浩司氏)

一般的に、お尻洗浄機能のノズルの素材には、樹脂を用いていることが多いのだが、パナソニックはステンレスの硬くて加工する事により表面がツルツルになり、汚れがつきにくいという性質に着目したのだ。

それだけでなく、約1分間、温水を流しながら、ノズルを除菌クリーニングしてくれるという機能も付けるほど、徹底してキレイを追及している。一般的な樹脂のノズルも「抗菌」とうたわれているが、抗菌は菌を繁殖させないだけで、ビューティ・トワレがうたっている「除菌」のように付着した菌の数を減らすという働きはないのだという。名前は似ているのだが、除菌と抗菌では大きな違いがある。また、樹脂のように軟らかなものは、傷がついたときに、溝に菌が付着しやすいが、ステンレスなら、硬いので傷つきにくいという。

「便座は長くお使いいただく商品です。何年経っても清潔に保ちたいというお客様の願いを反映させました」とパナソニック空質商品チームの上里浩司氏は語る。汚れがつきにくいのは、ノズルだけではない。便器が汚れにくくなる機能、「アクアコート」もある。これは使用前に、一回80ミリリットル、およそヤクルト一本程度の水を便器内面にシャワーするという機能だ。食事のとき、ご飯をよそう前にしゃもじを水でぬらすと、ご飯がこびりつきにくくなるのと同じように、便器内面にできた水幕が汚れをつきにくくするという。便器の機能をたべものでたとえるのはどうかと思うが、電化製品で大切なことは、お手入れについていかに手を抜けるかである。それには、「汚れない」が重要なポイントなのである。

省エネや手入れ、清潔感、と主婦が欲しいと感じる機能がピンポイントでのっている「ビューティ・トワレ」WDシリーズ

そしてもう一つ、掃除もラクラクなところが主婦にとってうれしいポイントだ。トイレの便座やフタはつなぎ目に汚れがたまるのである。ビューティ・トワレは、「スムースフォルム」といって、さっと拭いてきれいになるようにデザインしてある。便ふたはそっくり外れるので、そのまま庭先で水道水をかけて丸洗いもできる。ラクである。

エチケットポイントやアクアコートなど使い勝手を向上させる機能も

さらに、パナソニックがツボをおさえていると感じさせられるのは外観である。主婦にとって、商品のデザインは大事なポイントである。新商品では、自動車の塗装材料などに使用されている「マイカ」(雲母ともいう)を採用している。独自のマイカ工法なるもので、高級感アップと傷を目立ちにくくした。しかも、このマイカ工法は材料を練り込んで形成するため、化石燃料の使用量も少なくなっている。ここにもエコの精神が息づいている。

貯湯式と瞬間式の違い

価格はマイコミジャーナル価格情報(2010年9月6日現在)で、最高機種の「DL-WD60」が72,804円~116,499円で、リモコンや人センサーがついていない最下位機種の「DL-UD10」が27,700円~58,300円。

大型ボタンを採用するなど操作性にもこだわったリモコン

やや高いとお感じの方のために、貯塔式タイプも用意されている。ビューティ・トワレには、W瞬間式と貯湯式の二種類があり、両者の違いはお湯を貯めておくかどうかにある。W瞬間式は瞬間湯沸かし器のように、瞬時にお湯を暖め、貯湯式は名前の通り、電気ポットのようにお湯を貯めて保温しておくタイプだ。貯湯式だと、省エネ性能はいまいち劣る。加え、たくさんお湯を使っていると、そのうちお湯が冷たくなってしまうという欠点がある。

パナソニック 空質商品チーム上里浩司氏

が、貯湯式のいいところは値段の安さ。最下位機種の「DL-MD20」は、リモコンつきで、フタの自動開閉はなしだが、22,781円~43,299円とかなりお安くなっている。ノズルがステンレスという点は全機種共通だが、除菌は機種によってアリなしが分かれる。ご自身のこだわり度と、機能を見比べて選ぶのがいいのではないだろうか。

このほか、設置の工事費を省くため、自身で取り付けることも可能だ。工具は同梱されており、パナソニックのサイトでは、親切に動画で取り付け方(動画はこちら)を解説しているので、専門家でなくとも、きちんと取り付けられる。実際、量販店の購入者では7割近くが自身で取り付けるという。

今回の取材中、「お客様」という言葉を何度も使っていた上里氏。ユーザーを理解しようとする姿勢がたくさんの人に受け入れられる製品を生み出す要因の一つになっているのだろう。上里氏の話を聞いて、私はそう感じた。

イラスト:YO-CO