【コラム】

ぐうたら主婦でごめんあそばせ

146 手づくりお菓子を喜ぶのは食べる人よりつくる人 - 貝印アイスクリームメーカー(2)

    江口陽子  [2010/08/20]

    前回、アイスクリームメーカーをつかったのに、アイスクリームができあがらなかった。原因はどこにあったのか調べてみた。アイスクリームづくりを構成する要素は、「ポット」「材料」「機械の使い方」あたりで、この辺に失敗の要素が含まれていそうだ。そこで、取扱説明書を読み返してみた。

    まず、ポット置き場所。冷凍庫の中ならどこでもいいというわけではないらしい。保冷剤をしっかりと冷凍させることが大切で、それには冷凍庫の奥のほうに入れるといいらしい。ドアに近い手前よりも奥のほうが冷える。納得である。

    材料のポイントは「冷えていること」で、事前に3時間、冷蔵庫で冷やすようにと書いてあった。ここである。失敗の原因は、材料を冷やさなかったことに違いない。オレンジジュースは冷蔵庫に入れておいたのだが、シロップは入れておかなかった。なぜなら、グレナデンシロップに限らず、メープルにしろ何にしろ、冷蔵庫に入れておくと底に結晶のようなものがたまることがあるからだ。それがイヤで、常温で保存しておいたのだ。シロップをオレンジジュースに混ぜたあと、冷蔵庫で材料の液体を冷やしておかなかったことが第一の敗因だ。

    貝印「ぐるぐるアイスクリームメーカー」。ポットをぐるぐる回すことでアイスクリームが完成する

    もう一つ考えられる失敗は、ポットを冷凍庫から出したあと、もたもたしていたことだ。セッティングが不慣れなうえ、写真を優雅に撮っていた。最初にダンドリをしっかり整えておき、10分以上ポットを放置しないようにしなければならないらしい。しらなかった……。というか、最初に取説読めよ、ぐうたら主婦。

    次に失敗しないようにするためには、
    ・ポットを冷凍庫の奥に入れ、しっかり保冷剤を凍らせる
    ・材料は3時間以上冷蔵庫に入れて、しっかり冷やす
    ・ポットを取り出したら、即材料を入れてスタートさせる

    この3つをしっかり守って成功してみせる! ということで、気を取り直して、イタリアンジェラートに挑戦することにした。

    かぼちゃアイスでビタミンを

    ぐるぐるアイスクリームメーカーのいいところはポットが3つついているところ。一つのポットで約200mlのアイスクリームができあがる。そこで、今回は、別のアイスクリームも一緒に作ることにした。レシピを見てみると、抹茶アイスやあずきアイスなんていうのもあっておいしそうである。そのなかで、私がもっとも魅力を感じたのは、かぼちゃアイスである。せっかくならば、野菜嫌いの娘に野菜を摂ってほしい。β-カロチンがたっぷりのかぼちゃを、アイスを楽しみながら摂れるのである。これは魅力だ。ということで、イタリアンジェラートを2ポット、かぼちゃアイスを1ポットつくることにした。

    まだ材料はサラサラしている

    少々とろっとしてきた

    今度は、失敗は許されないのである。かぼちゃはペースト状にするため、レンジでチンして裏ごしする。イタリアンジェラートはグラニュー糖を溶かすため、牛乳が沸騰しないように丁寧に温める。いずれも材料の温度は上がっているので、冷蔵庫で十分冷やすことが肝心だ。

    ポットも奥に入れた。準備は万端である。いよいよ、開始である。ポットを冷凍庫から出して、素早くセッティング。材料を入れる。最初はサラサラの液体のままだ。このまま固まらずに終わってしまうのではないかと不安がよぎる。じーっと、ポットを見つめる。ぐるぐる回り続ける。すると、そのうち、パドル(羽)の近くに盛り上がりが見えるようになった。サラサラの液体ではこのようにはならない。だんだん重そうにポットがまわりだす。見た目にも、とろっとしていることがわかる。

    完成間近! 固まってきた

    10分くらい過ぎたころには、ソフトクリームくらいの固さにはなっているようだ。そして、20分が過ぎた。かぼちゃアイスは大成功である。イタリアンジェラートはやや柔らかめだったのでフタをして冷凍庫で追加冷凍することにした。

    かぼちゃアイスクリーム。大成功!

    アイスクリームメーカーには、今回紹介したようなポットで冷却するタイプのものと、装置全体を冷凍庫に入れて、そこでかき混ぜながら冷凍させるタイプのものがあるらしい。硬めのアイスクリームが好みの人は、今回のぐるぐるアイスクリームメーカーは向かない。ただ、ぐうたら主婦としては、食べているうちに頭が痛くなるほど、硬いものよりも、舌の上ですーっと溶ける柔らかいものが好きだ。

    ダイエットしたい人におすすめ

    イタリアンジェラートは柔らかかったので、フタをして冷凍庫へ

    ところで、アイスクリームとはダイエット中の人にとって、悪魔のような存在である。あのおいしさはたまらないものがあるのだが、なにしろカロリーが高いのである。レシピを元にカロリーを計算したら、バニラアイスクリームは3ポットで1,000kcal以上。私は1日のカロリーを1,200kcalに抑えることを目標にしている(といっても、実際は1,600kcalくらい食べちゃうんだけど…)。

    これを一人で一度に食べたら、それだけで、1日の食事分に匹敵してしまうのである。恐怖である。アイスクリーム。そのなかでも、かぼちゃアイスはカボチャが入っている分、カロリーの高い生クリームや砂糖を少なくできる。イタリアンジェラートも同様に、卵を使わず、砂糖を少なくしているので、カロリーは低めだ。

    このぐるぐるアイスクリームメーカーの魅力は、自分で材料をコントロールできる点にあるのではないだろうか。もっと砂糖を減らすなどすれば、もっとカロリーを減らせるだろう。アイスクリームが食べたい。太ることを気にしているけれど、我慢できない。そんな人に向いている。

    おいしくできあがりました~!

    人は生きていくうえで、欲望とどれだけうまく付き合っていくかで成否が決まるところがある。でも、わかっているけれど、人は弱いものである。このアイスクリームメーカーはそんな人間の弱さを浮き彫りにした製品だといえる。ある意味、心の弱い者に向けた商品。ということは、まさに、ぐうたら主婦が手に入れておかなければならない商品だといえる。

    価格は9,800円。マイコミジャーナルの価格情報(2010年8月4日)では、8,400円~9,800円で出ていた。ちなみに材料費はアイスクリーム3ポット分600mlが450円、イタリアンジェラートは380円、かぼちゃアイスなら480円程度だ。もとをとるには、毎日おやつに食べ続ければ、半年もしないうちにペイできる。しかしだ。もとをとろうと欲張れば、間違いなく体重は今の倍になってしまう。自分の利益を大きくしようと、ガメツイ人ほどロクなことにならないというのは、仕事でもプライベートでも同じなのである。

    イラスト:YO-CO

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