シャープのコードレス電話「JD-S10CW」を買ったぐうたら主婦。たくさんのモデルの中から、JD-S10CWを選んだ理由は第一にデザインである。シンプルなんである。これまでのコードレス電話は、親機が弁当箱のように分厚くなっていて、それが野暮ったさを醸し出していると私は感じていた。

JD-S10CWの親機はスマートな箱なんである。どうせ、電話をかけるなら、コードレス電話からかけたほうが便利だ。だから、コードレスではない親機にダイヤルと受話器はいらない。そのほうが、価格が安くなるだろうし、見た目も美しい。しかも、場所をとらない。まずはこの部分に満足した。私は仕事で使うことを考えて白色を買ったが、赤や黒色も出ている。プライベートの用途のみで使うのなら、深みのある赤色が魅力だと私は思う。あるいは、家具をモノトーンでそろえている人は、黒色が部屋にしっくりくるかもしれない。

シャープ コードレス電話機「JD-S10CW」 ※親機側

通話は不自由なくできるし、使った感じではこれといった使いにくさはない。しかし、前回お伝えした通り、娘の卒業式関連のイベントで忙しくて、電話機のセッティングはさぼったまましばらく放置していた。いつまでたっても、時刻は0:00を表示したままだった。そもそも、娘の卒業式が終わって、落ち着いてから買えばよかったのである。文句をいっても始まらない。

それから、数日が過ぎ、娘は小学校を卒業した。親である私も落ち着きをみせて、やっとセッティングにかかれる。まずは取扱説明書を読まねば。手にとってみると、JD-S10CWの取扱説明書は117ページもの厚さがある。ちょっとした絵本よりも、厚いんである。最初の1ページめは、子機操作早見表がついている。しかも、折りたたみの形をとっている。結構しっかりつくられた取扱説明書だ。

迷惑な電話が来ても安心

一般的に、電話機は、迷惑電話防止機能がついている機種が多い。JD-S10CWも一人暮らしの女性が使うのに便利な機能が搭載されている。私も若いころは一人暮らしをしていた。当時はナンバーディスプレイなんてなかったから、たまに、ここに書くのもバカらしくなるような迷惑な電話がかかってくることがあった。今はすっかり、そんなものはなく、迷惑電話の多くは、ふとんのダニ駆除機とか、子どもの教材に関するセールスばかりで、どれもこれといって、憤りを感じるほど迷惑というレベルではなく終わっている。

取扱説明書は白黒だが、つくりはしっかりしている

JD-S10CWに搭載されている「迷惑電話拒否機能」は、文字通り、かかってきた迷惑電話をお断りできる機能だ。その中でも、「チャイムでお断り」と「メッセージでお断り」の2種類から選べるところが特徴だ。 「チャイムでお断り」の場合、子機についている「お断り」ボタンを通話中に押すと、「ピンポーン」とチャイムの音が流れる。相手には、まるで来客があったように聞こえるわけだ。これなら、断るのが苦手な人も、「あ、お客さんが来たので、電話を切らせていただきます」と言いやすくなる。迷惑電話拒否というよりは、長電話が嫌いな人向け、電話を早く切るための機能といったほうがいいかもしれない。

ナンバーディスプレイの契約をしている人が、「チャイム自動登録」の設定をして、「お断り」ボタンを押すと、通話終了後に相手の電話番号が迷惑電話番号として自動で登録される。すると、次にかかってきたときに「この電話はお受けすることができません」と3回メッセージが流れて電話が切れる。腹が立つような迷惑電話がかかってきたときは、この機能を使うといい。

友だちとの談話がたまたま長電話になってしまうものの、電話を切りたいと言いだせないときにも、「お断り」ボタンは使えるだろう。ただし、このときも設定次第では迷惑電話番号として登録されてしまうから要注意だ。もちろん、誤って登録された番号は、後で解除することもできる。

迷惑電話がきたら、子機についているお断りボタンを押す

「メッセージでお断り」を選ぶと、こちらは「ピンポーン」ではなく、「この電話はお受けすることができません」というメッセージが流れて、自動的に電話が切れる。これは、悪質な迷惑電話のときに威力を発揮するに違いない。

そのほか、留守番電話の一般的な機能もついている。外出先の電話から留守録内容を聞ける「外線リモート」のほか、「トールセーバー」や「応答メッセージ録音」など、家庭で使うための電話に搭載されるメジャーな機能はだいたい揃っており、当然のことながら、不自由なく留守番機能を利用できる。

機能満載の電話機だが

そのほか、ありがたい機能に、携帯電話への通話がおトクになる「携帯とくとくダイヤル」対応などがある。ただし、私は携帯電話に電話をかける機会が少ない。やり取りの多くがメールなんである。ので、この機能は使用していない。それに、迷惑電話もまれにしかかかってこないので、お断りボタンを使用することもないし、長時間外出することはめったにないので、留守番電話をリモートで再生することもまずない。せっかくの機能のほとんどは、私は使用していないのが現状だ。

JD-S10CWの親機。ダイヤルがない。丸い部分に子機を置いて充電させる

ずいぶん前から電話やFAXは、たくさんの機能がついているが、その多くは使用されていないと指摘されていることを思い出してしまった。きっと、開発した人たちはとても大変だったと思う。おそらく、開発期間はとても短かっただろうし、ユーザーがどの機能も不自由なく使えるように綿密に設計して、テストもしっかり繰り返したのだろう。そう考えると、使っていないと書くのは申し訳ないような、もったいないような気にもなってしまった。

それはそうと、価格はマイコミジャーナル価格情報(2010年3月27日現在)で、12,585円から16,000円で出ていた。コードレス電話の中には、もっと安いものもあるが、何といっても魅力はデザイン。洗練されたフォームが何ともいいのである。なにより、親機がシンプルで、場所をとらないことが気に入っている。

コードレス電話なので、電話中に自由に動き回れる。資料を見たい、パソコンでサイトを確認したいなど、電話中は話だけでなく、いろんなことができると便利だ。コードレス電話を買って正解だったと満足している。

イラスト:YO-CO