三洋電機のeneloopが発売されてから、4年以上が経過する。売れ行きは上々で、すっかり私たちの生活に定着したことは皆様がご存じのとおりだ。私も電池はeneloopが主だ。ところが、使っていて不便だと感じることがある。今回、紹介するのは、そのeneloopの不満を解消してくれる商品である。

eneloopの不満というのは、ある仕事のときに発生した。意外に思われるかもしれないが、ライターには電池をよく使う人が多い。私もそうだ。何に使うのかというと、インタビューのとき、相手の声を録音するICレコーダーである。とくに、ぐうたら主婦は臆病者なので、取材のときはICレコーダーのほかに、予備としてテープレコーダーでも録音している。どちらかにトラブルが起きても、もう片方が生きていれば何とかなるようにしているのだ。2台の録音機を利用していることもあり、電池は頻繁に交換している。

「eneloop tones」。紙巻きのクレヨンをイメージさせる。8色でカラフル

eneloopを利用し始めて驚いたのは、電池残量「少」のアラームが点灯してから、空になるまでの時間が驚くほど短いことである。最初は、たまたま私がそう感じただけなのかとも思った。ところが、マイコミジャーナルの別コラムには、eneloopの経過時間ごとの電圧値を測定した実験結果が出ていて、そのデータでは1.2Vを切ると、その後は一気に電圧が低下することが明らかにされていた。

テープレコーダーの電池入れに入れたところ

つまり、eneloopは電池切れのアラームが点いてから、一気に電池がなくなる。だらだら電圧が下がって、テープレコーダーがのろのろ回転するのが防げるというメリットもあるのだが、とにかくeneloopを利用するときの注意点は予備電池を必ず用意しなければならないということである。

外からは電池残量がわからない

小心者のぐうたら主婦は、取材時には電池の予備ももちろん用意している。だが、一度だけ失敗したことがある。電池残量「少」のアラームがついたので、予備の電池に入れ替えた。だが、新しい電池を入れ替えたのに、またアラームが点灯するのである。どうやら、充電を忘れてしまったようだ。使い捨ての電池のときは、使用済みと新品を見分けるために、新品はビニールの包装をつけたまま持ち歩いていた。が、eneloopにはない。てっきり充電したと思っていたのに忘れていたのだ。

「eneloopy」。かわいらしい外観なので、置物としてもOK!

eneloopの弱点は新品かどうか、外から見ただけではわからないところだ。こまめに充電すればいい話だが、手間なのである。そこで欲しいと物欲を刺激するのが色つきのeneloop! 単3電池、8色。カラフルゥゥゥ~な「eneloop tones」である。テープレコーダーにはオレンジとピンク、暖色系の色を入れることにした。予備の電池は水色と青、寒色系。こうしておけば、取材がおわって、オレンジ、ピンク色の電池がバッグの中に入っていたら、そのオレンジ、ピンクの電池と、予備の青、水色の電池まとめて充電すればいいのだ。これで充電し忘れもないっ。

残量チェックするときは、胸のボタンを押す

ただ、残念なことにeneloop tonesは、10万パック限定商品だ。三洋電機によると、継続して量産する予定は、今のところないようだ。こんな素敵な商品なのに、なぜ10万パック限定なの? その理由はコスト。カラフルにすると、これまでの白いeneloop と比べて、コストは高くeneloop tonesにはほとんど儲けを期待できない。これが限定生産にした一番の理由だという。ということは、今後、私たちがたくさん買って、限界コストが下がれば、継続量産の可能性もなくはないということだっ。私としては、みんなでeneloop tonesを使って、定番商品になったらうれしいのである。

ボタンを押すと、残量の多さによって「緑」「オレンジ」「赤」と色が変わる。赤になったら、「充電が必要」

電池残量を正しく把握する

スペーサーをつけることで単4を測定することもできる

ここまで読んで、読者の中には、残量チェッカーを使って、電池切れしそうなものをより分け、早めに充電しておけばいい、と思った方もいるのではないだろうか。ところが、冒頭に述べたように、eneloopは電池残量チェッカーで「OK」と判断されても、残量がなくなるときは一気に電池切れに走るのだ。だから、これまで使っていた電池残量チェッカーの「OK」はあてにならないのである。

そこで探してみると、eneloop用の残量チェッカーが出ていた。eneloopyというかわいい犬の形をしたチェッカーだが、eneloop用というだけあって、テープレコーダーの電池残量のアラームが点灯していなくても、そして、従来のチェッカーで「OK」が表示されても、しっかりオレンジ(少し使用できます)色になっていた。これなら、使える! ということで、今後は、eneloop tonesとeneloopyを併用して、電池切れを徹底して防止することに決めた。

骨を使って電池を取り出す。ネイルアートしていても問題なし

eneloopyでうれしいのが付属品の「骨」である。本物の骨ではなく、骨の形をした電池を取り出す小物である。実は、たまに、ぐうたら主婦は着脱可能なネイルチップをつける。ところが、この長い爪というのは、電池の取り出しがしにくいのである。勢いづけてとりだすと、爪が折れてしまいそうで怖い。まったく、爪の長い女性にとって、充電器への電池の出し入れはことに面倒なんである。女性でネイルアートをしっかりしている人は同じ悩みを抱えていると思う。ちなみに、エレコムから出ている「AN ECOL」の充電器は出し入れがしやすい設計になっている。

おなかの部分に電池を差し込む

価格はマイコミジャーナル価格情報(2010年3月7日現在)で、eneloop tonesは1,969円~2,650円。私はamazonで2,480円で購入した。量販店にはまだ在庫があるところもあるが、なにしろ今のところは限定商品。購入したいと思ったときはお早めに。

eneloopyは単3のeneloop2本とのセット、さらに充電器も同梱されたセットが用意される。eneloopyがかわいいので、いつでも手が届く机の上に飾っておいて使いたいときにいつでも使えるようにしている。って、遠くに置いておくと、とりに行くのが面倒くさいという理由が大きいのだが。

イラスト:YO-CO