快適な眠りの環境を提供してくれる「シモンズ レスティーノ」。たかがベッドだと侮ってはいけない。前回、眠りに就く前までのすぐれた機能を紹介したが、今回は眠っている間のシモンズ レスティーノの働きを紹介したい。眠りに就いた時、照明や音楽、テレビ、エアコンはすべて消えている。その中で、しっかり働いているのはマットの下にある体動センサーだ。寝ている人の体の動きを感知してくれるものである。

センサーとはいえ腕などに巻くタイプだと、どうしてもストレスを感じてしまう。が、これはマットの下にあるので、外からはセンサーがあることすらわからないくらいの存在だ。影は薄いが、働きはしっかり。ぐうたら主婦はこういう存在に魅力を感じてしまうんだけど、それはさておき、夏などの暑い時期になると、夜寝苦しくて目が覚めてしまうことがある。寝ぼけまなこでエアコンを入れるけれど、夜目覚めたせいか朝起きたときの爽快感が全くない。このセンサーは、寝ている人の動きを感知して、その人が寝苦しさを感じていることがわかるのだという。そのときに、「室温センサー」で室温も同時に検知して、真夏の暑さによって、寝ている人が寝苦しさを感じているときは、なんと自動でエアコンを入れてくれるのだ。そして、寝苦しい状態が解消されて、再びぐっすり眠りに就いたら、エアコンを自動でオフにしてくれる。頼もしいを通り越して驚きである(なお、自動でオン・オフになるのは、パナソニック製のテレビやエアコンのみ)。

ワイドシングルタイプの快眠システム搭載ベッド「シモンズ レスティーノ」

寝起き用の白い灯りがおすすめ

寝つきと同じくらい睡眠で大切なのは寝起きである。目覚まし時計のけたたましい音ではなく、自然と目が開いて、あたりには優しい小鳥さえずりとか、快適な音楽とかがあふれている。こんな朝が毎日続いたら、どんなにいいだろう。シモンズ レスティーノはまず照明を、設定した起床時刻に向けて、徐々に明るくしていく。そして、起床の少し前から、自然音が流れ、どこかさわやかな高原で何のプレッシャーもない世界で生きているような感覚にしてくれる。

就寝に合わせて徐々に照明をおとしていく。周囲が暗くなるのを感じながらまどろむのも心地よい

起床時は反対に徐々に明るくなる照明。枕元がこれだけ光に溢れれば気持ちよく起きられるだろう

続いて、起床時刻になると、一気に輝度の高い白色の照明が点灯する。これが瞼を刺激して、はっきりと目覚めさせる。軽快な音楽が流れ出して、いかにも朝が来たという気持ちにさせてくれるのだ。足元の体感サブウーハーも夜よりも大きく振動して、さあさあ、これから一日が始まりますよ、と言いたげな動きを示す。これなら、起き上がるのも苦ではない。ベッドから離れると、音楽や照明は自動でオフになり、テレビや照明は設定により自動的にオンにすることもできる。寝付き、就寝中、寝起きと、三つそれぞれの工夫がなされ、快適な睡眠環境が整えられるという具合だ。

マットレスの下に隠されているのが「体動センサー」。言わなくても、寝苦しい夜を察してくれる優しい機能だ

ただ、いくら照明や音響を工夫しても、ベッドそのものの寝心地が良くなかったら完璧だとはいえない。その点は安心していい。ベッドはアメリカの高級ベッドメーカーのシモンズ製。一泊ウン万円もする高級ホテルや老舗の百貨店などに納めており、ベッドの業界では、そのブランド力は高い。寝心地の良さには定評があるのだが、その秘密はコイルにある。ベッドの中にはコイルが敷き詰められているが、シモンズのベッドはこれらコイルを、ひとつひとつ袋に詰めて独立させている。

点で身体を支え、体圧を分散させることで、身体の凹凸にしっかりフィットするようにしてあるのだ。また、コイルの配置や種類など、さまざまな工夫を凝らし寝心地の良さを実現しているという。実際に、横になってみると、身体にフィットするのがわかる。今使っているベッドの寝心地に満足していない人におすすめできることは確かだ。

通常、家にあるベッドはベッドの板の上にマットが一つ置いてあるタイプが多いが、シモンズ レスティーノではそのタイプおよびホテルタイプのようなダブルクッションのものも用意している。また、ベッドの色も二色。マットのタイプと色、これらを好みによって組み合わせることができる。

発売は2010年2月からで、価格はおよそ100万円前後を予定しているという。

睡眠不足になる前に

今、私は娘と二人で、ダブルサイズで寝ているのだが、娘は来年の三月で小学校を卒業する。四月からは中学生だ。そろそろ、親と一緒のベッドに寝るのは年齢的にどうかという時期になった。そもそも、狭いのだ。親としては、子どもが成長するのはうれしいけれど、だんだん自分との距離が開いていくのがさみしいという揺れ動く気持ちになる。とはいえ、ここはぐっと親のエゴを抑えるのが正解のはず。来年からは、それぞれ別の部屋で寝ることになるんだろう。そうなると、今の私たちが使っているダブルベッドはやや大きすぎで、もう少し小ぶりのものが欲しいところだ。しかも、一人で寝るとなると、真っ暗な中で寝るのは不安でもある(まるで子供みたいだけど、お化けは怖いのである)。

体動センサーがうとうとしていることを検知すると照明や音楽を自動的にオフにする

起床時間の10分前から照明が徐々に明るくなる。起床時間間際には小鳥のさえずりや小川のせせらぎ音も

もともと、寝つきの悪いぐうたら主婦。最近は、寝不足のせいか、あるいは神経が図太くなったせいか、それとも周りにいる素敵な人たちのおかげでストレスを感じなくなったのか、理由はわからないが夜はぐっすり眠れている。でも、きっと娘と別々に寝るようになったら、その環境に慣れるまで寝つけなくなるのだろう。そう考えると、この睡眠環境システムが欲しくなる。しかも、寝心地のいいシモンズのベッド。魅力的である。私にとって100万円はちょっと高いけど、睡眠不足で生活が崩れることを考えると、価値は十分あるといえる。

イラスト:YO-CO