ダイエットで陥るジレンマというのは次のようなものだ。通常、女性がやせるときは胸から肉が落ちるといわれている。私もそうだが、多くの女性は経験したことがあるはずだ。くわえ、皮肉なことに真っ先に落としたいはずのお腹のぜい肉は最後になってやっとへこむ。ダイエットを始めると、体重は減るかもしれないが理想の体型から遠のいていくことになる。だからといってダイエットをさぼると太ってしまう。体重を減らそうとすると、体型の美から遠のくというジレンマ。しかも、太るときは、お腹まわりから肉がつく。「やせる→太る」を繰り返すたびに、ますます女性の体型は洋ナシに近づいていくのである。

部分やせに効果的なものは何か

この悩みを解決するキーワードとして、よく耳にするのが「部分やせ」。身体のやせさせたい部分だけを集中的に動かしてぜい肉を落としていくというやり方だ。単にダイエットしても、きれいにならなければ意味がない。そんなわけで、お腹まわりのぜい肉を重点的に減らすための方法を探してみた。まず目についたのが、通販でよく売り出されている振動するベルト。お腹に巻くだけで、効果があるというダイエットマシーンだ。ブルブルという刺激が、いかにも効きそうな気はする。ただし、いろんな種類のものが売り出されているので、どれを選んだらいいのかよくわからない。中には、どことなく胡散臭さが漂っているものもある。本当にこんなラクな方法で、やせるのだろうか。機械に頼ってラクするのは、どうなのだろう。本気で痩せたいのなら、ラクしようと思わないほうがいいだろう。なぜなら、ラクして得たものは簡単に手から離れていくものだ。簡単に手に入れた理想のスタイルは、油断とともにもとの体型に戻るはずだ。

海外セレブにも人気(らしい)フラフープでダイエット開始。スイッチを入れると内蔵されているLEDランプが光る

ということで、もうちょっと努力を必要とする方法で、効果がありそうなものを探してみたところ、行き着いたのがフラフープ。輪をウエストのまわりで回すものだ。これなら、お腹をたくさん動かすから、目的が達成させられそうだ。とはいえ、フラフープといっても、たくさんの種類がある。どうせなら、やる気を起こさせるようなデザインのものがいい。そう思っていた矢先、目に入ったのが光るフラフープである。色とりどりのLEDが中に入っているのである。しかも、いろんな色が点滅するので、とてもきれいなのである。これなら、飽きずに続けられそうだ。

自宅に届き、手にとって最初に感じたことは、LEDが入っている分、ずっしりとしている。こんなに重かったら、回らないのではないかと心配になってくる。You Tubeには、スタイル抜群のお姉さんが曲に合わせてフラフープを回す演技がアップされている。満面の笑みで数分間、腰回りだけでなく、足や首などのまわりにも器用にフラフープを回している。以前、家にある軽量のフラフープで真似してやってみたことがある。でも、素人の私はせいぜい1分間続けばいいほうだ。意外とフラフープを長い時間回すのは難しいのである。

赤、青、オレンジ……、LEDランプが点滅して幻想的

光るのはうれしいけど、LEDが入っている分だけ重くなった光るフラフープ。うまく回せるのか不安を抱きながらトライしてみた。案の定、3回ばかり、ウエストの周りを回った私のフラフープは失速してスルスルと床に落ちていく。何度やってもうまくいかない。うまく回すにはコツがいるようだ。そこで、フラフープを回すお手本の動画を探してみた。すると、お手本となる動きは、私の動きとは違うことがはっきりわかる。

・両足は横に開くのではなく、片足を前に出す
・ウエストは左右ではなく、前後に動かす
・ひざを適度に使う

気持ちを新たに入れ替えてトライしてみた。少しは続けて回るようになる。が、しかし、かなり疲れるのである。フラフープはジョギングよりも消費カロリーが高いといわれているが、私が使った感触からいってもそれは間違いないと思う。でも、ジョギングなら、30分くらい続けられるが、フラフープは15分くらい続けるのがやっとである。一気に、しかも楽しくやせる方法なんて、求めてはいけないのだ。おそらく、フラフープは毎日10分から15分程度、コツコツと続けることが一番効果の出る方法なのだろう。

まずは背中にフラフープをあてる

コツをつかむと回るようになる

価格はLEDが12個入ったものが29,900円。18個入りが32,900円だ。通常の光らないシンプルなフラフープと比べたら安いとはいえない。それでも、スポーツジムに行くことを考えたら、すぐに元が取れる。家でエクササイズしたいという人にとって、必需品だろう。それになにより、楽しみながら運動できるのだから最高だ。

充電中。充電器をつなげて充電する

読者の中には、このフラフープの話を聞いて、電源はどうするのだろうと疑問に思った人もいるのではないだろうか。お祭りの屋台では、光るリングを売っていることがある。夜の闇のなかで、青や紫色が映えるのだけど、何日かすると、色が消えてしまう。使い捨てなのだ。でも、この光るフラフープは、充電式なので何度も使える。だいたいこの値段で使い捨てだったら、誰も買わないはずだ。フラフープに充電器をつなぐ端子があるので、そこに充電器を差し込めばいいのである。電池交換の煩わしさもなく、何度も使えるところがいい。そんなわけで、フラフープダイエットを始めてみた。楽しくはあるが、かなりハード。でも、キツい分、効果が期待できるというものだ。

イラスト:YO-CO