独身のときには買ったことがなかったが、子どもが生まれてから買ったものはいくつかある。若い頃には意味のない商品だったとしても、子どもができると今までとは違う、新しい意味や使い方が出現する。そんな商品があるのだ。

子どもが生まれて、欲しいと願い買ったものは何か? それはカメラである。もともと、ぐうたら主婦は写真を撮影することは好きではなかった。面倒くさいのである。もともと、旅行にはあまり行かないので、まずシャッターを押す機会がほとんどない。たとえ、どこかに遊びに行ったとしても、写真を撮ることに時間を割きたくないと考えるほうだった。

でも、子どもが生まれると、「写真」には別の意味が含まれてくる。カメラを向ける対象が私ではなく、子どもになるのだ。しかも、撮った写真を見るのは、私だけではない。「写真」は普段子どもに会えない親戚に対して、子どもの様子を知らせるためのアイテムなのである。子どもの写真を送ることで、相手から喜ばれたりするわけだ。こうなると、面倒くさいなどと言っていられない。

その場でプリントできる

とはいえ、撮った写真のうち、きちんとプリントしたものは何枚あるだろう。写真画像をパソコンに取り込んだ時点で安心してしまい、「プリントはあとでいいや」と思ってしまうことも少なくない。そうこうするうちに、時は過ぎ、結局そのまま放置することになる。わざわざ、現像のため、写真店に行くのもおっくうになる。特別な理由が目の前にないと、プリントアウトする日は永遠に来ないのである。

デジタルカメラ xiao「TIP-521」

そんなとき、今回紹介するデジタルカメラ・xiao(シャオ)「TIP-521」があるとラクなのである。これは、プリンターを内蔵したデジカメ。その場で印刷できるのである。画像を選んで、「OK」ボタンを押す。およそ1分弱で、プリントされた写真ができあがる。写真はやや小さめだが、有効画素数は500万画素で画質は悪くない。

プリント中。プリント可能枚数は連続プリントで約20枚

娘が幼稚園に入ると、写真を撮る機会がより多くなった。運動会はもちろん、子どもたちに親が引率する形で、テーマパークに行くことも増えた。幼稚園児ともなると、さまざまな行事が用意され、その都度いちいち写真を撮らなければならない。撮った写真を友だちの親に配る作業が生じる。これがけっこう、憂鬱なのである。
「そんなに面倒なら、写真なんか撮んなきゃいいじゃん」
と、思う方もいるだろう。ところが、そうもいかないのである。主婦の世界は、私のまわりが特別だったのかもしれないが、とにかくみんなで歩調を合わせることが大事だとされていた。誰か一人がまるで写真係のようにみんなの写真を撮り、自腹で焼き増しして配る。このような犠牲があると、いずれかはギクシャクしてしまうものだ。みんなで撮り合って、互いに分け合うのが正しいことなのである。みんなが等しく、平等を重んじるという、その考えは悪くないと思う。とくに、焼き増しの負担を誰か一人が負うのはおかしいことだ。が、実際に、プリントして、封筒に入れ、みんなに渡す、この一連の作業は結構な手間なのである。

子育てのお助けグッズ的要素も

娘が幼稚園の頃に、シャオがあったら、どんなにラクだったかと思う。たとえば、親子何組かが集まって、ディズニーランドに行ったとする。そのとき、写真を撮るわけだ。最後にみんなでご飯なり、お茶なりしたときに、プリントして渡してしまう。家に帰ってから、わざわざプリントする必要もない。当日、現地ですべてが終わるのである。

裏面。2.48インチ液晶モニターを採用し画面が大きく見やすい

特に、手ブレ補正機能がついていないカメラでは、家に帰ってみて、びっくりすることがある。どの写真もブレていて、目を覆いたくなるほどヒドイこともある。シャオなら、プリントアウトした時点で失敗は即判明する。もう一度、みんなにお願いして、撮り直しさせてもらえる点も魅力だ。

話は変わるが、幼稚園児である子どものお母さんは「幼稚園ママ」という呼ばれ方をする。他方、就園前の小さな子どもを持つ母親は「お友だちママ」。公園で子どもが遊ぶ時期、子ども同士のことを「お友だち」と呼ぶからだ。お友だちのママだから、「お友だちママ」。娘が公園に通って遊んでいた頃、私は「お友だちママ」だったのである。ママ同士は子どもの名前にママをつけて呼びあう。ミユちゃんのお母さんは「ミユママ」。さくらちゃんのママは「さくらママ」……。

今から思うと、もうあのような社会に浸かれることはもうないのだから、もっと楽しんでおけばよかった気もするが、当時は子育てで精一杯で、何をするにも余裕がなかった。目の前のことにいっぱいいっぱいだったのだ。写真を配るにしても「大変さ」が前面に出ていた。そんなとき、たとえば、シャオのようなグッズが一つあるだけで、気持ちがずいぶん和らぐだろう。その場で印刷できるから、あとで焼き増しの必要がないのだ。そういった意味でも、子育てしているお母さん方にシャオをすすめたい。

プリンターを内蔵している分、149.5(W)×74.5(H)×25(D)mmとやや大きめ。重さは約294g(バッテリー含む)

このシャオ、メーカーはタカラトミーだ。ご存知、玩具を製造している会社である。「なんだ、おもちゃか……」などと馬鹿にしてはいけない。本格的な機能満載なんである。機能の詳細は次回にゆずる。

イラスト:YO-CO