「私は負け犬だ」と公言する人に限って格好良かったりする。仕事の先輩にも自称負け犬がいる。年齢は30歳過ぎているし、独身で子供もいない。確かに、負け犬の定義に合致する。でも、私はどうしても彼女が負け犬だとは思えないのだ。それは彼女が美人で仕事ができるからというわけでもない。彼女には決して「負け」という言葉が当てはまらない女性だと思うことがある。その判断基準はどこにあるのか。それはコーヒーメーカーSENSEO(センセオ)の使い方をみればわかるような気がするのだ。

センセオというのは、コーヒーメーカーの老舗フィリップスの製品である。簡単にコーヒーがいれられるコーヒーメーカーだ。給水タンクに水を入れて、ボタンを押すだけ。30秒で泡(クレマ)たっぷりのコーヒーが出来上がる機械だ。写真を見て欲しい。背面のカーブ。二人分のカップを並べてコーヒーをいれるスタイル。家庭用としては新しい。一般的に家庭用コーヒーメーカーというと、ずんどう形で色は黒といったところが主流なのにセンセオは違う。ブルー、それも鮮やかな色を使っている。これならリビングに置いてもしっくり来る。色はシルバーもあるので、部屋の雰囲気に合わせて選べば良いようになっている。

写真のように一度に二人分をいれてもいいし、一人用ボタンを押せば一人分を入れることもできる。私は思うのだが、センセオを使うにあたって押すボタンが「一人用ボタン」なのか、「二人用ボタン」なのか、ここがポイントとなるのではないだろうか。くだんの女性は日曜の朝は「二人用ボタン」を押し、コーヒーを二人分いれて会話を楽しむ姿がぴったりと当てはまる。日曜日の朝、「お休みだからっていつまでも寝ているんじゃないよ~」などと、子供に対して大声を張り上げることもない。ゆっくりと時間が過ぎるのを大切な人と一緒に味わえるのだ。こんな贅沢をしている人のどこが「負け犬」だといえるのだろうか。だいたい、人生を勝ちとか負けとか決めること自体、無謀だと思うのだけれど。それはそうと、私は彼女に言った。

「あなたは私が持っていないもの、欲しいと思っているものを持っている」

彼女は「そういわれてみればそうかもね」と答えた。

フィリップスのコーヒーメーカー、SENSEO(センセオ)

泡(クレマ)たっぷりのコーヒーができあがる

デザインだけでなく使い勝手もよい

センセオの特徴は、一杯ずついれるところにある。これまでのコーヒーメーカーは、作りおきして保温しておくものが主流だ。時間がたつと、コーヒーは酸化してまずくなる。センセオは一杯ずついれるので、保温しすぎて煮詰まったとか、時間が経って酸っぱくなったということはない。しかも、オフィスにあるコーヒーの自動販売機のように、一杯30秒程度で出来あがる。忙しい朝にも対応可能なのである。

ペーパードリップやサイフォンでいれるのと違い、コーヒーの表面はたっぷりとした泡で覆われている。家庭ではなかなか飲めない泡のあるコーヒーを飲めるのだから貴重に思えてくる。

使い方は簡単。ウォータータンクに水を入れ本体にセットする。「センセオコーヒーポッド」と呼ばれているコーヒーのパックを所定の場所にセット。ふたを閉めてボタンを押すだけ。待つこと約30秒。コーヒーのできあがりだ。コーヒーの豆はマイルドなタイプからストロングまで4種類あり、自分の好みに合わせて選べばいい。私はもっともストロングな「プレミアムダークロースト」が一番好きだ。深煎りで苦味があって香りもいい。コーヒーはうすいのがお好みの方は「オリジナルマイルド」がおすすめ。くせのない浅煎りタイプで飲みやすくなっている。ほか、「ベーシックブレンド」「マウンテンブレンド」が用意されている。朝はストロングなものを選び、夕方はうすいものを選ぶのもいい。一杯ずついれるのだからその都度選んでも大丈夫だ。

選んだ「センセオコーヒーポッド」をポッドホルダーに乗せる。一人分のときはひとつ、二人分をいれるときはふたつポッドを重ねていれるようになっている。ウォータータンクに入れる水の量は一人分、二人分、それぞれ目安になる線が引いてある。線より多少上に入れたとしても、機械のほうで一定の水量にセットしてくれるから大丈夫。一日に何杯も飲む人は、むしろ多く水を入れておくといいだろう。お湯の温度は94度に保持。水量、温度、圧力、それぞれがちょうど良いところになるように、コーヒーメーカー自身で調整するから美味しいコーヒーができるのだ。

ぐうたら主婦にとって重要なポイントはお手入れ。こちらも申し分ないほど簡単だ。センセオコーヒーポッドをゴミ箱に捨て、フォルダーを水でざっと洗い流せばそれでおしまいなのである。給水タンクやコーヒーを注ぐための部品、受け皿は取り外しができる。ときどき、食器洗い乾燥機で洗うだけでいい。手のかからない商品なので、ぐうたら主婦としては満足だ。

「マイコミジャーナル」価格情報では14,800円になっていた(6月上旬)。コーヒーメーカーのなかには、数千円で買えるものもあるが、泡がたっぷり、いれたてのコーヒーが飲める点を考慮したら、14,800円が高いとはいえない。さらにはデザインが優れているところも見逃せない。リビングに置くものは見た目が重要だ。

朝、娘を学校に送り出したあと、給水タンクに水を入れ、プレミアムダークローストのポッドをセットしてボタンを押す。リビングのソファーに腰をおろし、いれたてのコーヒーの香りを楽しむ。私が押すのはいつでも一人用のボタンだけだけれど。いいのである。良くいわれることだが、両手に持てる荷物の量は限られているものだ。今、私はお仕事でまわりの方々に恵まれ、良い環境にいさせていただいている。子供もかわいい。近所の主婦とおしゃべりをするのも楽しい。これ以上欲張ってどうするのだ。私は今の生活が気に入っている。たぶん。

給水タンクをはずして水を入れる

ポッドホルダーにセンセオコーヒーポッドを乗せる。後片付けも簡単

イラスト:YO-CO