家事といえば掃除、洗濯、炊事の3つが主だ。なかでも炊事が一番楽しいという人をよく見かける。かくいうぐうたら主婦もそのひとりだ。食べることってなんて楽しいのだろう。後片付けだって、食器洗い乾燥機を買ったばかりだから怖いものなし。なにより、料理を作るという創造的な作業が性に合っているのだ。だから、ついつい掃除と洗濯はおろそかになってしまう。って、相変わらず言い訳を見つけては「できない理由」を並べるぐうたら主婦ですみません。

それでも洗濯は週に2~3回はしている。サボると着る服がなくなってしまうからだ。問題は掃除。床を舞う綿ぼこりがひとひら、ふたひら。そしてフローリングに髪の毛が2本、3本……。そろそろ限界が近づいている。「掃除をしなければいけないよ」と頭の中でアラームが鳴り続ける。

ある日のこと。重い腰を上げて、やっとの思いで掃除をする気持ちになった。クローゼットから掃除機を取り出しスイッチを入れてみると--。なんと、ゴミパックの満杯サインがついているではないか。あわてて取り替えようと、掃除機の中を開けたらゴミを入れる袋は"キューピーのおなか"のように膨らんでいた。

「ゴミパックを取り替えなければ……」

私はレバーを動かし、ゴミパックを取り除いた。しかし、替えのゴミパックが見当たらない。買い忘れていたことに気づいたが、もう遅い。今から買いに行くのも面倒だ。まあ、今日のところは、掃除はお休み。改めてゴミパックを買ってからにしよう、となってしまったのだ。って、ここでも言い訳を見つけては「できない」という言葉を口にするぐうたら主婦である。本当にすみません。

どちらが勝るか!? 掃除機ふたつの方式

サイクロン掃除機とは、発明家ダイソン氏が開発したゴミパックを使わない掃除機だ。掃除機には従来からあるゴミパックを使う方式と、使わないサイクロン方式のふたつの方式がある。サイクロン方式は掃除機内にゴミを溜める場所があり、ゴミが溜まったらゴミ入れのケースを本体から取り外して中のゴミをゴミ箱へポイする。ゴミパックを買い置きしなくても良いので、面倒くさがり屋のぐうたら主婦にぴったりの掃除機なのである。

ところが、ぐうたら主婦はサイクロン方式の掃除機を初めて見た時、どうも買う気にはなれなかった。サイクロン方式の掃除機の老舗はイギリスの家電メーカー、ダイソン(dyson)。2、3年前のこと、量販店でダイソンの掃除機が店頭に並んでいるのを見かけたことがある。黄色などの派手な色を使ったフォルムが特徴的。さらに、日本メーカーの掃除機に比べてとにかくボディが大きいのも印象的だ。この大きさは、ヨーロッパの広い家で使うのなら問題はないのかもしれないが、日本にあるぐうたら家の狭いマンションで使うのには小回りが利かなそうだし、第一、収納に困ると感じたのだ。日本のメーカーからはちょうど良い大きさのサイクロン掃除機が売り出されていたが、当時の日本メーカーのものは、使っているうちにフィルターにゴミが詰まり、吸引力が落ちるという欠点があった。ゴミパックを買い置き、その都度取り替えるのは面倒くさいけれど、掃除機はゴミパック方式の方が優れているのかもしれない。これがそのころ私の出した結論だった。

ダイソンはサイクロン方式の老舗

2006年、ダイソンはこれまでの製品よりもスリムな掃除機「dyson plus」を発売した。これによって私はサイクロン方式に対して見方が少し変わった。これだけコンパクトなら、収納にも困らないと感じたのだ。

細部にも収納しやすさがみられる。ひとつはテレスコープシステムといって、パイプの筒が伸び縮みをするようになっていることだ。しまう時は短くすればパイプが邪魔にならない。そのうえ、ホースは本体に巻きつけられるようになっているのでコンパクトにまとめられる。階段もラクに上り下りでき、持ち運びが便利だ。

使われている色がメタリックな感じで美しいところも魅力的。なにより、ゴミパックを用意しなくても済むというサイクロン方式の魅力は多大だ。

「dysonplus DC12plus complete」。お掃除ツールが4つ付いている。

早速スイッチを入れてみた。モーターが回る音が響き渡りゴミやホコリ、髪の毛までが吸い込まれていく。パンフレットには「吸引力が衰えない」と書いてある。嘘ではない。私の仕事部屋からトイレ、キッチン、リビングと掃除をしていっても、最初から変わらないパワーでゴミを吸い取っていく。それにしても、ゴミパックを使わずに、しかもパワフルに吸い取れるのはどのような構造になっているからなのだろう。

ソフトブラシツール。家具のホコリとりに最適

パンフレットには「ダイソンの特許技術ルートサイクロンテクノロジーで高速回転し、ホコリが遠心力により空気から弾き飛ばされてクリアビンに集められます」と書いてある。遠心力を使うので、ゴミパックもフィルターも必要ない。このため、目詰まりする要因がないので、吸引力が落ちないということだ。クリアビンの中では吸い取られたゴミが勢いよく回っているのが見える。ずば抜けたパワーにあっけに取られるぐうたら主婦であった。しかし、これはまだ一部。ほかにも、すごいところはいっぱいある。この続きは来週に譲ろう。

(イラスト:YO-CO)