前回、ぐうたら主婦はナショナルのビルトインの食器洗い乾燥機「NP-P45MD1S」を買ったことをお伝えした。この商品の設置には工事が必要だ。専門の方がウチにまで来て、工事をしてくれた。ショウルームに行ったときスタッフが紹介してくれた工事担当会社を利用したが、家に来てくれた職人さんは非常に礼儀正しく好感が持てる人だった。シンクの排水溝のパッキンが駄目になっていたのに気づき、取り替えてくれたりもした。

工事が終わればすぐに使用開始できる。とはいえ、工事の予定日に家で待機しなければならないことや工事のために時間を取られることは、できれば避けたいものである。だから、私は自分で取り付けができるタイプの食器洗い乾燥機が良いと思っていた。だが、ビルトインの食洗機を自分ひとりで取り付ける自信はない。工事の間は家に居さえすれば、後は仕事をしてようと勝手。そう思って割り切るしかないのだ。工事は3時間程度で終了。シンク下の構造などによって、時間はもっと短くなることもあるという。

前回、少しだけ触れたが、「NP-P45MD1S」を使った食器の洗い上がりは素晴らしい。"キレイ"に洗える秘密は「除菌ミスト」にある。これは霧が出てくる「ミスト運転」が8~15分間続くというもので、出てきた霧が食器や調理器具の汚れを浮かせて、落ちやすくさせているのだ。

このミストは、除菌もできるというから優秀だ。除菌ミストには、従来品よりも残存菌数を少なくする働きがあるという。子供が生後間もない頃、ぐうたら主婦は除菌対策には気をつけたものだ。いくら、ぐうたらとはいえ、子供の食中毒には無関心でいられない。子供の安全は親にとって最優先事項だ。さらに、「低温コース」を使えば、熱に弱い子供用の樹脂製食器も洗える。赤ちゃんがいる家庭にはうれしい機能が満載の商品と言える。もちろん、低温コースはタッパーや弁当箱を変形させずに安心して洗うこともできる。

工事が終わると、請求書が届く。指定された口座に払い込んですべて終了。請求書に記載されていた価格は195,300円。工事代は個別に見積りをして決まるので、家庭によって多少差があると担当者は言っていた。決して安い買い物ではないが、私は買って良かったと思っている。

P字型のピンを使うとお茶碗を真横に支えてくれる。食器の糸底部や茶碗内部に水が溜まりにくくしてくれる

コース選択は引き出し部の前面に。かがまなくても良いので、妊婦さんやひざの悪い方も" " ラクラク設定。点字もあり、誰でもが快適に使えるよう配慮されている

仕事が大変だと愚痴れない理由

知り合いから「子育てしながら仕事をするのって大変じゃない?」と言われることがよくある。確かに、どんな仕事だって楽なものはない。子育てだって楽しいことはたくさんあるけれど、手はかかるし気も使う。でも、先の問いに対して私は、「ええ、たいへんですとも」などと、素直に答えることができないのだ。たいてい、「ええ」「まあ」「そんなでもないような……」などと適当にごまかしてしまう。

なぜか? 仕事をしていて一番言われたくない言葉、「辞めちゃえば?」を言われたくないからだ。例えば私が仕事の愚痴をこぼしたとしよう。「そんなにつらいのなら、辞めてしまえばいい」。これを言われるのが痛いのだ。私が辞めても、夫の収入があるので最低限の生活はできる。無理して働かなければならない理由はひとつもない。しかも、私は楽しそうに仕事をしているように見えるらしい。これがさらによろしくないようだ。外で好きなことをして楽しんでいる位なら、家庭に入って子育てと家事に専念すべきだ。そう言われてしまうのだ。確かに、働いていると子供に手をかける時間が少なくなるのは事実だ。でも人は何のために働くのか。人が働く理由って、お金のためだけじゃないはずだ。だから、働くことは家庭を犠牲にしている、その批判が痛いのだ。

もちろん、人によってそれぞれ考え方は違う。「女性はどんどん働くべきだ」、さらには「企業は女性の活用により注力すべき」と言ってくださる方もいる。だから「女性は家庭へ」と考える人に文句を言っても仕方ない。適当に聞き流すしかないのが現状だ。

家事を効率化する家電製品をもっと利用しよう!

私にとって、食器洗い乾燥機を買った一番大きなメリットは精神的な開放感なのだろう。シンクの下に収まっている食器洗い乾燥機が動いているのを見ると「働いてもいいのだよ。面倒な食器洗いは私が代わりにしてあげる」。そんな思いやりが機械から漂ってくるのだ。洗い残した食器の山がなくなるのも精神的に私を楽にしてくれる。

これまで、私はなんとなく食器洗い乾燥機を買うことに抵抗を感じていた。食器洗いをサボっている、ぐうたらな自分に対する罪悪感。楽をしようとすることへの後ろめたさ。そんなマイナスな気持ちがあいまって、堂々と買う気にはなれなかった。でも、それは違うと気づいた。家事もしっかりやって、子供との会話などにも時間を取る。これを実現させるのは決して楽なことではないのだ。もたろん、専業主婦の方だって、添加物の少ない食事や充実した子育てをしようとすれば、かなりの労力がかかる。

子供とのコミュニケーションは機械にはできない。でも、食器や服を洗うのは機械でもできる。家事を家電製品がほとんど自動でやってくれるようになれば、女性の負担は減る。機械ではできないことに絞って労力を注ぐことは、社会にとってマイナスではないと私は思う。だから、私は家事を効率化する商品は、堂々と買えばいい。そう思うようにした。

イラスト:YO-CO