【コラム】

ぐうたら主婦でごめんあそばせ

24 鍋の底に隠された主婦の思わく - 東芝 グリル鍋HGN-6G(2)

江口陽子  [2007/01/26]

さっそく、しゃぶしゃぶを作ってみた。肉好きの娘はしゃぶしゃぶが大好きだ。ふんぱつして高めのお肉を用意してあげると、かなり豪華に見える。白菜などの野菜を切るだけなので準備は10分程度。ご飯を炊くのが面倒くさかったら、うどんでOK。こんなに手を抜いていることも知らずに、娘は「おいし~ね~」などと言って、気持ちのいいくらい良く食べる。「学校で、ウチの夕食は鍋ばかり……なんていわないでちょうだいね」などと娘に釘を刺している自分に空しさを覚えながらも、手の込んだ料理に費やす時間を娘との対話にまわしているのだ、大切なのは親子の対話に多くの時間を割くことだ。と言いながらうしろめたさをかき消している。なにごとも言い訳はよろしくないのはわかっている。だが、育児も料理も洗濯もと、ぐうたら主婦は全てを完璧にできないのである。

このグリル鍋のいいところは、鍋を使って、鉄板焼きもできるところだ。通常の鍋よりも浅めなので、鉄板焼きをするのに鍋のふちが邪魔にならないのだ。しかも焦げ付きにくいディンプル加工。表面にゴルフボールのようなデコボコがついていて、油なじみが良くこげつきにくくなっている。やきそばから鉄板焼きまでできる。こちらも手抜き料理の代表格。このグリル鍋を前にすると、手抜き料理をしてもよいような気持ちになるから不思議だ。

ディンプル深鍋。ホットケーキやお好み焼きもOK

鍋が出来上がるのが待ち遠しい

ジンギスカンに惹かれる理由

鍋と同様、ジンギスカンも我が家の定番メニューになっている。牛肉と比べて羊のほうがお安いことがジンギスカンの魅力だ。そしてもうひとつ、ジンギスカンを好んで食べるには理由がある。

その前に、話は変わるが、随分前から健康をテーマにしているお昼の番組が主婦層に人気だ。そこで紹介された食材はスーパーで品薄になることが多いといわれている。日曜日の夜にやっている健康番組も同様だ。インターネットでショップをやっている知人から聞いた話によると、この2つの番組で紹介された商品に対しては、アクセス数がぐーっと伸びるそうだ。

テレビなどで言っていたことを真に受けて、買いに走る。しかも品薄になるくらい、こぞって買う。そのあおられている様子がなんともこっけいで、そんな安易な人って誰? 誰って、それってぐうたら主婦のことなのだ。そもそもジンギスカンを良く食べるようになったのは、「ダイエット、美容に良い」「身体に良い」といったことを耳にしたからなのだ。

ジンギスカンのラム肉は「カルニチン」を多く含んでいるので、体内の脂肪を燃やす働きがあるらしい。

「おいしいお肉を食べながらダイエットにもつながります!」

って、誘い文句に釣られてしまう。

手元にある食品成分表によると、羊肉は100グラムで236kcal。200グラム食べただけで、ショートケーキ2個分にもなるのだ。冷静に考えると、食べ過ぎたらダイエットにならないことはわかるのだが、「ダイエット」の文字を目にするといくら食べても良いような気分になるのは私だけだろうか。

しかも、ジンギスカンの肉はコレステロールが低い、溶けにくい脂肪だから吸収されにくい、眼病予防・皮膚病予防に良いビタミンA、疲労回復のビタミンB1、皮膚の老化防止をしてくれるビタミンB2を多く含んでいるなど、書ききれないくらい、たくさんの栄養素が含まれたスーパー食材だと書かれていたのを読んで、すっかり「ジンギスカンを食べると良いことがある」というインプットがなされてしまったのである。健康番組を観て、スーパーに商品を買いに行く人を尻目に見ていた自分も同類だったことに気づかされた。

蒸し料理でヘルシー

ジンギスカン肉の効用はさておき、鉄板がドーム型をしているメリットはお店で食べる雰囲気を味わえるだけのことだけではない。ドーム型になっているということは、真ん中がふちよりも位置が高い。従って、ふちに向かってあぶらが流れるようになっている。刻まれた溝を伝ってあぶらは端に行く。だから、あぶらがある程度、落ちた状態で食べられるのだ。とはいえ、油断して食べ過ぎると、とんでもないことになるのはいうまでもない。

こうなったら、野菜をたくさん食べるしかない。そう思うのならば、「ステンレス蒸し台」が便利だ。最近、ぐうたら主婦がハマっているのは温野菜サラダ。下ゆでした野菜を蒸してポン酢でいただく。シンプルな料理だ。大根の輪切り、一口大に切ったブロッコリー、にんじん、そして、きのこ類をあらかじめ下ゆでしておく。鍋の底に水を張り、ステンレス蒸し台を鍋底に置いてスイッチオン。野菜が蒸しあがったら、できあがり。こちらもテーブル上で調理が完了する。

蒸しあがったしめじとポン酢の酸味が口の中で広がって美味。大根をほくほく言いながら食べることに冬の寒さを忘れる。言うまでもなく、野菜は肉よりカロリーは低くてヘルシー。そのうえ、人参やブロッコリーはビタミンAも豊富だ。蒸し料理もつくれるところが、このグリル鍋の魅力だ。

お値段は近所の量販店で9,980円。これで冬の鍋、鉄板系を網羅できるのだから、申し分ない。しかも、省スペース。もちろん、鍋、鉄板ははずして丸洗いができる。お手入れも簡単なのだ。ぐうたら家のように鍋と鉄板焼きで料理の手抜きをしたい家庭は、間違いなく「買い」である。

なんといっても、新しくグリル鍋を買ったのならば、「使わなくてはもったいない」という、手抜き料理を多発する「大義名分」が手に入るのだ。いつもながら、家事の手抜きばかりを推奨するようで恐縮である。

(イラスト:YO-CO)

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