【コラム】

ぐうたら主婦でごめんあそばせ

13 象印マホービン - ホームベーカリー「パンくらぶ」BB-HA10(1)

    江口陽子  [2006/10/10]

    何にでもランク付けというものはあるのだが、良し悪しは別として主婦にもランクは存在する。Aランク、Bランク、Cランクに分類するならば、ぐうたら主婦は最低のCランクである(言うまでもない)。主婦の場合ランク付けをするにあたり、その基準はどこにあるのだろうか。主婦は会社に勤めているわけではない。企業での目標管理のように、今期の課題はコレとアレ、100パーセント達成したからあなたはAランク! というわけにはいかない。目標も成果も目に見えないのが主婦の世界である。一見、基準がわかりづらい、AランクとCランク主婦の大きな違いはお宅におじゃますればすぐにわかる。見た目がきれいに整頓されていても、ソファーの後ろ側がホコリだらけ。窓のサンが黒ずんでいるなど、掃除の手抜きをするような主婦はAランクとはいえない(ぐうたら家参照)。

    すごい主婦とすごくない主婦

    掃除だけではない。料理の手抜きも意外なところからばれるものである。

    「ママのお料理で何が好き?」

    このような質問に、我が娘は正直にも「納豆ご飯!」と答えてくれたことがある。ご飯を炊いて、上にかけるだけじゃないか。それ以来、娘には同じような質問を受けたら、「手づくりデミグラソースでまわりにベーコンがまいてある手の込んだハンバーグ」と答えなさい、と言ってある。

    どこの世界も同じだが、本人の実力というものはちょっとしたことで現れるものだ。けっこう、普段は目立たない人にすごい人がいたりする。自慢などめったにしないので、そのままだとすごさが現れない。でも、ちょっとしたひと言からその人には普通の人以上の能力が備わっていることがわかるときがある。そんな人こそ、本当に力がある人なのだなと思ってしまうのだ。

    これは仕事の世界だけでなく、主婦の場合にも当てはまることだ。何気なく発したひと言で、「この人、ちょっとやるなぁ~」と思わせるときがある。ぐうたら主婦がこの人はすごいと感じさせるそのひと言とは、「私、昨日パンを作りましたの」である。

    なぜパンを作る主婦はすごいのか

    もちろん、いやーらしく、「アタシはできる主婦でございますのよ」、ってな感じで言うのではなく、子供に手の込んだものを食べさせたいという温かーい愛情が元になっているひと言でなければならない。

    ロールパンなんてスーパーに行けば200円で数個買えてしまうものだが、実は手作りとなるとけっこう手がかかる。材料をこねて、38℃で40分ほど一次発酵。その後も置いたり丸めたり、二次発酵をしたりとあれこれ行った後、やっとオーブンで焼く工程に入る。ツヤを出すために、溶き卵をひとつずつ刷毛で塗るなど、細かい作業も必要だ。要領が決して良いとはいえないぐうたら主婦なら、スタートから出来上がりまで3.5~4時間くらい時間がかかってしまうのだ。

    なかでも面倒くさいのは発酵だ。イースト菌を一定温度の元に放置することで発酵が始まる。しかも、発酵中はそっと生地を寝かすので何もすることがない。ぼーっとしているうちに、予定よりも取り出すのが遅くなると発酵しすぎでちょっと苦めになってしまうのだ。早すぎると、ふくらまないのでふっくらした感じにならない。作り終わるまで、緊張の連続。それがパン作りなのだ(腕のいい人には当てはまりません)。

    この面倒な発酵のもととなるのはイースト菌だ。通常はドライイーストといってスーパーなどで売っている粉状になったものを使う。ところがである。このイーストまで天然物が良いとして自宅で培養? してしまう主婦もいるのだ。全くもって頭が下がるのである。

    食パンから作ってみました

    パンを作る作業自体は、こねたり形を作ったりでけっこう楽しいものだ。しかし、忙しいとどうしても半日仕事になってしまうので腰が重い。最近、めっきり手づくりパンにお目にかかっていないぐうたら家なのであった。

    パンを作っていないことに後ろめたさを感じながら、家電量販店を歩いていると「いいもの見っけた!」という気持ちになった。それは象印マホービンから発売されているホームベーカリー「パンくらぶ」だ。ぐうたら主婦は、「この手があったか」と膝をたたいた。要するに、材料を入れるだけで自動的にパンが焼きあがるのだ。簡単にできることに気づいて膝をぺしっ。しかも、全自動だから発酵しすぎだナンだの心配もない。作っている間は、漫画を読もうと、DSのテトリスをしようと、何をしてもいいのだ。

    材料の計量はしっかりと

    粉がこぼれてるよ~

    まずは、最も簡単な食パンから挑戦することにした。材料は強力粉、砂糖、スキムミルクに塩とバター、忘れてはいけないのはドライイースト。計量カップや計量スプーンもついている。はかりは自分で用意しなければならないが、今まで調理に使っている家庭用のものでもちろん大丈夫だ。計った後は、あらかじめ水を入れておいたパンケースに材料を入れるだけだ。こねるのも「パンくらぶ」がやってくれるので、本当に何もしなくて良い。粉をこぼしながらも無事材料をパンケースに入れ終わり、「パンくらぶ」にセットした。後はスイッチを押すだけだ。本当にこんなに簡単でいいのか。何か大切なことを忘れているのではないかと心配になりながら出来上がりを待つぐうたら主婦であった。(つづく)

    (イラスト:YOCO)

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