【コラム】

ぐうたら主婦でごめんあそばせ

12 不審者から子供を守る防犯グッズ(2)

    江口陽子  [2006/09/29]

    最近、よく議論されていることがらに、「子供に携帯電話を持たせるべきか」というものがある。子供の行き先がわからないまま帰宅時間になっても帰って来ない。そんなとき、親はよからぬことを想像して余計な心配をしてしまうものだ。子供の居場所を確認し、犯罪に巻き込まれていないことを確かめられたときの安心感は代えがたいものがある。その一方で、通話料金ウン万円の請求書が届き、原因を調べてみたら子供が友達と長電話をしたためだった、なんていうことは避けたい。さらに、迷惑メールの受信や有害サイトへのアクセスなど、心配をあげればきりがない。そんなわけで、私はどちらかというと、子供に携帯電話を持たせることには反対だった。

    子供に携帯電話は必要か

    ところが、今はそうは思っていない。実際に娘の帰りが遅くなったときは、こちらから連絡して娘と話をして安否を確認している。万が一、連絡がつかないような事態が生じたときは、どこにいるのか居場所を確認することもできるようになっている。こうなったのは、「携帯電話は反対だ!」なんて言っておきながら携帯電話を子供に買い与えてしまったということではない。

    実は、ぐうたら主婦が居住する区では、昨年、「近隣セキュリティシステム」と呼ばれる独自の地域防犯のしくみが構築されたのだ。区は小学校の全児童へ卵型の専用子機を配付。当然、娘にも子機が届いた。娘は登下校時にこの子機を首からさげて歩いている。万が一、不審者に連れ去られるなどの緊急事態が発生したら、娘は子機についているピンを引く。そうすると、区役所のセンターシステムにつながり、そこから親である私や娘がSOSを発した付近の協力者(登録者)などの携帯電話や自宅の電話に連絡が行くことになっているのだ。連絡を受けた大人は現場に駆けつけて、子どもの危険を未然に防止しようというものである。通話機能がついている点も素晴らしい。通話ができる相手は2箇所しか登録できないので、公衆電話や実家の電話からは通話ができないものの、見知らぬ人からの電話がつながることもないのでむしろ安心だ。

    携帯電話を持つメリット

    もし、今突如として区が「近隣セキュリティシステム」を廃止したら、私は間違いなく携帯電話を買って子供に持たせるだろう。使ってみてわかったのだが、子供の帰りが予定より遅くなったとき、子供の安否確認ができるのは本当にありがたい。子供が助けを呼んだとき、どこにいるのかわかるのですぐに向かえるというだけで気持ちが落ち着くから不思議だ。そんなわけで、「携帯電話を持たせる派」になったぐうたら主婦は、もし今買うならどれが良いか、量販店で販売されている子供用携帯電話について調べてみた。

    防犯ブザーがついていることとSOSが出たときに子供の現在地がわかる機能は外せない。NTT DoCoMoキッズケータイSA800iは防犯ブザー機能がついている子供用携帯電話だ。起動スイッチを引っ張ると、100dBの音量でベルが鳴り、親などのあらかじめ登録しておいた人に子供の現在地をメールで知らせてくれる。さらに、犯人が子供の携帯電話の電源を切り、居場所をわからなくさせようとしても大丈夫。電源が切られたときは、親などの携帯電話に電源が切られたこととその場所を即座にメールで知らせてくれる機能も付いている。緊急時でなくとも、「イマドコサーチ」なる機能を使えば、親はパソコンやiモードから簡単に子供の居場所を把握することができるのもうれしい。

    心配していた有害サイトへのアクセスも制限できる。また、夜の10時~翌朝6時までは、全てのサイトへのアクセスをストップさせることもできるのでかなり安心だ。着信拒否などの機能も備わっており、携帯電話を持つことのデメリットを軽減できるように工夫されている。

    DoCoMoキッズケータイSA800i。居場所がわかればママも安心

    ドコモとauのキッズケータイ

    ドコモ以外では、auからも子供向けの携帯電話が出ている。防犯ブザーはついていないが、子供の現在地がわかる、有害サイトへのアクセス制限、アドレス帳に登録されている相手以外との通話制限など、ひと通りの安心機能は付いている。親がauを使っている人は、家族割引制度を利用すれば通信費を低く抑えられるのでオススメである。

    ドコモの子供の居場所を検索する「イマドコサーチ」は月額使用料が税込みで210円、1回検索するごとに5.25円がかかる。auは月額315円(税込み)である。このほかに携帯電話の基本料金や通信、通話料などがかかってくる。通信、通話料金は家族が使っている機種によって異なるので、それぞれのケースについてどれがおトクか個々に検討が必要だ。それでもやっぱり、ここまでお金をかけるのはどうか、子供に携帯電話を持たせるのは反対だという方は、前回ご紹介した防犯ベルがよいのだろう。

    今となっては防犯ベルを使っていた頃がずっと昔のように思える。そういえば、ここのところ「やはり」と思ったことがある。以前、防犯ベルを使っていたときは、緊急事態でもないのに、ベルが鳴りうるさい思いをする場面が多かった。子機になってからは、このうるさい場面が滅法減ったのだ。新しい子機が特別ベルを鳴らしにくいといったことはない。ただ、今の子機はベルを鳴らすと区に緊急時の情報が流れ、区に登録している協力者が助けに来てしまうのだ。わざわざ駆けつけてくれた人に、「実は、何でもありませんでした」などと言いにくいのだろう。娘は新しい子機になってから一度もベルを鳴らしたことがない。やはり、以前の防犯ベルを頻繁に鳴らしていたのは、大人の驚く顔が見たかったということなのだろう。ぐうたら主婦が驚く顔って、そんなにおもしろいのだろうか。

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