【コラム】

ゲーム超特急

87 温故知新の第9弾 「Might & Magic 9 完全日本語版」(2)

阿久津良和  [2002/10/25]

こんにちは、阿久津です。先週に引き続き今週もRPG(ロールプレイングゲーム)「Might & Magic」シリーズの最新版「マイト&マジック9 完全日本語版」(以下、M&M9J)をピックアップ。ベーシックだからこそ奥深い正統派の出来なのです。


先週の原稿を書いた時点ではレベル10程度で、そこらの雑魚モンスターにも苦労するような状態でしたが、あれから一週間。なんだかんだでぶっ続けでプレイしてしまい、そこそこのレベルまで成長しました(だからといって上級モンスターに囲まれると、かなりキツくて全滅してしまうこともありますが……)。そんな話はさておいて、まずは先週伝えきれなかったM&M9Jの特徴を紹介していきましょう。

RPGと言えばキャラクターを成長させることに面白味を感じるもので、この「M&M9J」も言うに及ばず、様々な角度からキャラクターを成長させることができます。先週も軽く触れたクラスチェンジシステム。基本的にファイター(戦士)はマーセナリーかクルセイダーのどちらかにクラスチェンジし、マーセナリーはグラディエイターかアサシンのどちらか。クルセイダーはパラディンかレンジャーのどちらかにしかクラスチェンジできません。つまり、第2段階へのクラスチェンジを行う時点で、既にパーティの最終構成を頭に浮かべてクラスチェンジしていくというわけです。もちろんイニシエイト(呪文の使い手)も大まかな流れは一緒で、下位クラスに後戻りすることはできませんので、細心の注意が必要です。

ゲームも序盤を抜けると様々なモンスターが登場します。パーティの戦闘能力が足りない時はNPCを雇いましょう。ただしこのゲームはレベルアップするにもお金がかかりますので、無駄遣いは禁物です。

このクラスチェンジも単に戦闘を繰り返して経験値を稼げばよいというわけではなく、クラス1つに対して1つのクエストが用意されています。単にモンスターを観察するという単純なものから、モンスターが闊歩するダンジョンから特定のアイテムを回収してくるというように、その内容はバラエティに富んでいます。流れとしては、

・イベンターと話す。
・クラスチェンジを希望するキャラを選択。
・内容を引き受ける。
・クエストをクリアする。
・イベンターと話してクラスチェンジ。

となっています(中にはクエストをクリアした時点でクラスチェンジできる場合もあります)。注目すべきはクエストを始める前にクラスチェンジするキャラクターを選択する点で、ここでもし、キャラクターを選択しないでイベンターとの会話を終了すると、もうクラスチェンジする機会がなくなってしまいます。この手法がリアリティから来たものなのかわかりませんが、単純に不親切な仕様としか思えません。このことを踏まえてか日本語版のマニュアルには「こまめにセーブしましょう」といった注意書きが用意されています。正直『なんだかなぁ』という気にさせられる点です。

"人を見かけたらすぐ会話"がこのゲームの鉄則。意味のない会話をする人から始まり、重要な情報を持つ人、クエストイベンター、スキルマスター、雇用できるNPCなど様々な人が闊歩しています。

さて、気分を変えてクエストの話に戻りましょう。「M&M9J」に限らず「Might & Magic」シリーズは"話を聞いてクエストを受け、クエストをクリアすることで次の道が開ける"という伝統的手法を取っています。そのため、あらゆる街に住む人々と会話しなくてはなりません。事実上"人を見かけたらすぐ会話"という感じでしょう。そのため、クエストによっては"Aという街のBに話を聞いて、Cという街のDからアイテムを受け取って、ダンジョンEに進み、結果をAに住むBに報告する"といった冗長なものがあります。これを良しとするか雑多と感じるかは人それぞれだと思いますが、タウンポータル(街に用意された祭壇まで一瞬にして移動する呪文。熟練度があがると移動する祭壇を選べるようになる)があれば楽なのですが今回はそこに到る前に〆切が来てしまいました:-)。

プレイ中にはユニークアイテムを手に入れることもあるでしょう。クエストに関わるものもあれば、そのまま身に付けられる場合もあります。

今回「M&M9J」をプレイする前は、担当編集者と『今時、正統派RPGってのもねー。ちょっと辛口で行ってみます』とのたまっていた筆者ですが、この考えはあまりにも浅はかでした。もともとゲーム好き&RPG好きだったということもありますが、やってもやっても止めるタイミングが見つからず、暇を見てはプレイしていました(暇がなくてもプレイしていたため、他の仕事がおろそかになってしまいましたが……)。MMORPGも確かに面白いのですが、世界観が練り尽くされた正統派RPGも十分に楽しめるものです。

「Might & Magic」シリーズをプレイしてきた人には懐かしのニコライ王子。相変わらずサーカスに入団したいらしいのです。これはストーリーに関係ないミニクエストとして発生します。

しかしここで苦言を1つ。以前に増して「M&M9J」は不安定過ぎです。例えば大量の敵とリアルタイムで戦闘を繰り広げると、PCに負荷がかかってゲームがシャットダウンしてしまいます。また、街やダンジョンに入る際は一度ロード画面に移るのですがここでハングアップしてしまうこともしばしば。前者はビデオオプションの設定により回避できますが、後者はホント運任せ。筆者は街に入る前にセーブ、街から出る前にもセーブ、ダンジョンに入る前だってもちろんセーブ……とクイックセーブ機能を大活用しています:-p。そのほかにも数え上げるときりがないほど『えっ?』と思うような場面があり、ゲームの完成度はともかくプログラムとしての完成度の低さが目立っています。世界観がしっかりしているだけに、こういったバグに出くわすと一瞬で興ざめしてしまうため、この完成度の低さは非常に残念でした。

<知覚>のスキルを持っているとはいるべき屋敷の入り口やダンジョン中のトラップやアクションポイントが光るようになります。旅を楽に進めたい人は早めに覚えておくことをお薦めします。

それでも、繰り返しになりますが「M&M9J」はここのところプレイしたシングルRPGの中ではかなり面白い部類に入ります。もちろん「Might & Magic」シリーズ自体を楽しめないという方には手放しでお薦めできる訳ではありませんが、この後も続くであろう同シリーズを享受したい方はプレイすることをお薦めいたします。

○「マイト&マジック9 完全日本語版
9,800円
○必要環境
OS
Windows 98/Me/2000/XP
CPU
Pentium III 400MHz
メモリ
64MB以上(128MB以上推奨)
HDD 1GB以上の空き容量
ビデオ

Direct3Dに対応するカード、ビデオメモリ16MB以上

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