まいど、"相場の福の神"こと藤本誠之です。この連載では、上場企業の経営者との面談から気づいた、藤本がすごいと思った、ユニークなビジネスモデルの企業をご紹介します。 第7回は、『健康寿命の延伸、すなわち介護予防サービスとは』です。

インターネット関連のシステム企業として創業

「いつまでも健康で自分らしく生きていきたい」これは高齢者の方のみならず、誰しも望んでいることだと思います。これをかなえてくれるサービスを提供している企業が、インターネットインフィニティー (6545 東証マザーズ)です。

元々はインターネット関連のシステム企業として2001年に創業しています。最初のクライアントが介護業者で、そのシステム構築のため、介護業界を研究しているうちに、介護業界のITリテラシーが低いこと、生産性が低いことに衝撃を受けたそうです。しかし、改善すれば大きなビジネスとなると考え、別宮圭一社長自らが介護士の資格を取得、東京都中央区にてクローバーケアステーション(訪問介護)を開設し介護事業に参入しました。現在は介護事業がメインビジネスとなっています。

ケアマネジャー専用サイトが飛躍の要因に

介護事業者は基本的に税金で賄われる介護保険から収入を得るのですが、介護保険が適用されるサービスのプログラムを作成するのがケアマネジャーです。

ケアマネジャーが担当する要介護認定された高齢者は平均約50人程度で、実際に高齢者の自宅を訪問して、状況を確認しながら、一人一人のケアプランを作成します。要介護者は好きに介護サービスを選ぶのではなく、ケアマネジャーが作成したケアプランに沿って、介護サービスを受けるのです。だからこそ、介護事業を行う会社にとっては、ケアマネジャーとの太いパイプを持つことが非常に重要となっています。

同社は今までにあった訪問介護事業から参入しましたが、介護ビジネスにおいてケアマネジャーの重要性に気付き、ケアマネジャー専用ポータルサイト「ケアマネジメント・オンライン」を設立し、これが会社飛躍の要因となっています。

「ケアマネジメント・オンライン」は、ケアマネジャーの約60%に当たる約8.7万人が登録する日本最大級のケアマネジャー専用サイトです。登録ケアマネジャーを通じて、約230万の高齢者世帯へのアプローチが可能になっています。

インターネットインフィニティーの第3位の大株主は、大手食品会社のキユーピーですが、キユーピーは介護食事業の大手企業でもあります。それゆえ、キユーピーはインターネットインフィニティーの「ケアマネジメント・オンライン」を通じた、シルバーマーケティング支援の大手顧客であり、株主となっているのです。

3時間リハビリデイサービスも提供

インターネットインフィニティーのもう一つの主サービスが、3時間リハビリ型デイサービス「レコードブック」です。「レコードブック」とは英語で記録帳のことで、利用者の様々な情報を記録することで、長期的な視野での「健康づくり」のサポートをしたいとの願いを込めて命名されているそうです。「レコードブック」は、筑波大学の協力を得て開発した科学的根拠に基づく運動プログラムを中心に介護予防プログラムを提供しています。

介護保険が適用されるためには、要介護認定を受ける必要があります。要支援から、要介護1~5の基準があります。「レコードブック」が対象とするのは、要介護1または2の高齢者で、具体的には自分で歩いて、入浴やトイレに行けるのでほぼ自立が可能な程度です。こうした方に午前または午後の3時間、「レコードブック」に来てもらい、インストラクターの指導の下で、個人の目標やニーズに合わせた指導で、身体機能の回復、生活習慣病の改善といった「成果」を実感できる運動プログラムを行っています。

最初は直営で展開していたのですが、フランチャイズ(FC)展開も行っており、名古屋鉄道のような社会インフラを提供する大企業とも組んでいます。今後も、同様な社会インフラを提供する大企業との提携した出店も加速しそうです。

この「レコードブック」の顧客・要介護者を獲得するのに、大きく役立つのが前述の「ケアマネジメント・オンライン」です。同サイトでは、店舗が出店する地域に登録されたケアマネジャーに、「レコードブック」の出店情報、サービス内容などの勉強会などを提供しています。これにより、開業当初から安定的に顧客を獲得することが可能になるのです。

福の神の「ここがすごい」
3時間リハビリ型デイサービス「レコードブック」によって、要介護レベルの低い高齢者に定期的な運動の機会を提供することによって、それ以上介護レベルを進めず、健康寿命の延伸を可能にしている。要介護レベルが進めば、それだけ国の介護負担も多くなるため、このサービスは国策にそったサービスと言える。これを大手企業との提携によるFCで全国展開を図る同社は今後、大きな成長が期待できそう。
インターネットインフィニティー (6545)東証マザーズ

■株式データ
株価 1,732円
単元株数 100株
予想PER(連)51.09倍
実績PBR(連) 17.87倍
予想配当利回り 無配
時価総額 約87億円

* 株価データは2017年10月20日終値ベース
* 本サイトで紹介する意見や予測は、筆者個人のものであり、所属する会社や会社のアナリストとしての意見や予測を表すものではありません。また、紹介する個別銘柄の売買を勧誘・推奨するものではありません。投資に当たっての最終決定はご自身の判断でお願いします。
* 正確かつ信頼しうると判断した情報源から入手しておりますが、その正確性または完全性を保証したものではありません。

執筆者プロフィール : 藤本誠之

「相場の福の神」と呼ばれるSBI証券客員マーケットアナリスト。 年間200社を超える上場企業経営者とのミーティングを行い、個人投資家に真の成長企業を紹介している。「まいど! 」の挨拶、独特の明るい語り口で人気。日興證券、マネックス証券、カブドットコム証券、SBI証券などを経て、現在は、財産ネット株式会社の企業調査部長。ラジオNIKKEIで3本の看板番組を持ち、その他テレビ出演、新聞・雑誌への寄稿も多数。 日本証券アナリスト協会検定会員、ITストラテジストAll About株式ガイド。 著書:『難しいことは嫌いでズボラでも 株で儲け続けるたった1つの方法』(SBクリエイティブ)など合計15冊