【コラム】

相場の福の神の「この会社のビジネスモデルがすごい!」

7 場所や時間にとらわれない「クラウドワーク」という働き方

  • >
  • >>

7/7

まいど、"相場の福の神"こと藤本誠之です。この連載では、上場企業の経営者との面談から気づいた、藤本がすごいと思った、ユニークなビジネスモデルの企業をご紹介します。第6回は「場所や時間にとらわれない『クラウドワーク』という今までにない働き方です。

クラウドワーカーを活用したビジネス

安倍政権の目玉政策は「働き方改革」で、長時間労働を是正するのが目的です。少子高齢化で労働者人口そのものが減少しており、しかも長時間労働ができないとすると、少ない人数・少ない時間で今までの成果を出すためには、一人当たりの生産性をUPするか、今まで働けなかった方に労働してもらう必要があります。

今まで働けなかった方には、子育て中の主婦や体の障害など様々な理由で在宅でしか働くことができない方がいます。これを解決するのが、場所や時間にとらわれない「クラウドワーク」という今までにない働き方です。そして、企業からデータ入力や原稿執筆など様々な仕事を受注してクラウドワークで働く方とマッチングするのが、クラウドソーシングというビジネスです。

今回ご紹介するのは、この「クラウドワーク」という新しい働き方を武器に急速な成長を遂げている「うるる」(3979 東証マザーズ)です。クラウドソーシングを行っている企業は他にもあり、かなり競争が厳しいため、成長性はありますが厚い利幅や大きな収益を望みにくいビジネスとなっています。

うるるは、クラウドワーカーという「人のチカラ」を活用したCGSを複数展開しています。CGSとは(Crowd Generated Service)の頭文字を取った造語で、クラウドワーカーを活用した事業を指します。具体的にはクラウドワーカーを活用した事業であるCGS事業、企業からデータ入力などを請け負うBPOサービス、仕事を発注したい人(クライアント)と仕事を受注したい人(ワーカー)をマッチングするクラウドソーシングの3つの事業を行っています。

入札情報速報サービスを軸に展開

現在の稼ぎ頭は、CGS事業の入札情報速報サービス(NJSS)です。これは、市場規模20兆円以上の全国の官公庁・自治体・外郭団体、全国6,000以上の機関の入札情報を一括検索・管理できる業務支援サービスです。役務から物品、建設・工事まで、あらゆる分野の入札情報を検索できます。

入札情報は、各自治体などのWEBで公開されているのですが、フォーマットなどがバラバラです。このバラバラな情報をクラウドワーカーが人力で入力してデータ化し、ビッグデータとしています。

そのため、公共事業等の入札に参加しようとする企業にとって、非常に価値の高いサービスとなっています。月額数万円程度の固定料金の有料契約件数が、2017年3月末で2,499件となっており、毎年安定的に有料契約数が増加しています。費用の大部分がクラウドワーカーに支払う固定費であり、売上高成長が利益成長につながりやすいのです。現在では、この業界では大きなシェアを取っており、今後も安定的な高成長・高収益が期待できます。

この入札情報速報サービス(NJSS)をキャッシュ・カウ(cash cow/稼ぎ頭のビジネス)として、様々なCGS事業を第2の収益源とすべく、テストマーケティングしています。例えば、幼稚園・保育園向け写真販売サービス「園ナビフォト」は、幼稚園・保育園で撮影された写真をインターネットを通じて販売できるサービスです。写真撮影が得意なクラウドワーカーが、園イベントの出張撮影を行います。

また最近では、ディーエムソリューションズ (6549 東証JASDAQスタンダード)と提携して、在宅ワーカーを活用したアウトバウンドコールサービス「フレックスコール」をダイレクトメールの"追っかけコール"として活用する「フレックスコール DM」を販売しています。

これは、ダイレクトメールの反響率をより増加させることを目的に、ダイレクトメールを送った後に、実際に顧客に電話をする「追っかけコール」を行うものです。大量にダイレクトメールを送った後の「追っかけコール」は時間や手間がかかり、自社で実施することが難しい作業です。これをうるるの約36万人の在宅ワーカーを活用して、低価格で行っています。

福の神の「ここがすごい」
成長性が高いが競争が厳しく高収益が難しいクラウドソーシング事業を、自らクラウドワーカーを活用した活用した事業であるCGS事業を立ち上げることにより、高収益が期待できるビジネスに転換していること。現時点で、入札情報速報サービス(NJSS)が安定的な収益成長が期待できるキャッシュ・カウとなっており、様々な新規のCGS事業を立ち上げている。この中からまた大ヒットするビジネスが見込める。
うるる (3979)東証マザーズ

■株式データ
株価 3,675円
単元株数 100株
予想PER(連) 34.03倍
実績PBR(連) 7.2倍
予想配当利回り 無配
時価総額 約119億円

* 株価データは2017年10月6日終値ベース
* 本サイトで紹介する意見や予測は、筆者個人のものであり、所属する会社や会社のアナリストとしての意見や予測を表すものではありません。また、紹介する個別銘柄の売買を勧誘・推奨するものではありません。投資に当たっての最終決定はご自身の判断でお願いします。
* 正確かつ信頼しうると判断した情報源から入手しておりますが、その正確性または完全性を保証したものではありません。

執筆者プロフィール : 藤本誠之

「相場の福の神」と呼ばれるSBI証券客員マーケットアナリスト。 年間200社を超える上場企業経営者とのミーティングを行い、個人投資家に真の成長企業を紹介している。「まいど! 」の挨拶、独特の明るい語り口で人気。日興證券、マネックス証券、カブドットコム証券、SBI証券などを経て、現在は、財産ネット株式会社の企業調査部長。ラジオNIKKEIで3本の看板番組を持ち、その他テレビ出演、新聞・雑誌への寄稿も多数。 日本証券アナリスト協会検定会員、ITストラテジストAll About株式ガイド。 著書:『難しいことは嫌いでズボラでも 株で儲け続けるたった1つの方法』(SBクリエイティブ)など合計15冊
  • >
  • >>

7/7

インデックス

連載目次
第7回 場所や時間にとらわれない「クラウドワーク」という働き方
第6回 成長5業種に絞り込み
第5回 ブラウンフィールド活用事業に注目!
第4回 契約書に印鑑って必要じゃなかったの?
第3回 50万円で起業、日本の農家を元気にする企業
第2回 カリスマ店員から、社員インフルエンサーに!
第1回 スマホ課金の新しい手法「文字数課金」とは?

もっと見る

人気記事

一覧

イチオシ記事

新着記事