【コラム】

相場の福の神の「この会社のビジネスモデルがすごい!」

5 ブラウンフィールド活用事業に注目!

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まいど、"相場の福の神"こと藤本誠之です。この連載では、上場企業の経営者との面談から気づいた、藤本がすごいと思った、ユニークなビジネスモデルの企業をご紹介します。第5回は「ブラウンフィールド活用事業に注目!」です。

土壌汚染対策をメインビジネスに

築地市場から豊洲市場に移転する件が様々報道されていますが、その要因は豊洲市場が元東京ガスの製造工場の跡地で、土壌汚染が懸念されているからです。

昭和29年から海面の埋め立てが始まり、ガスの製造工場が建設され、昭和31年から昭和63年まで、都市ガスの製造・供給が行われていました。その跡地に豊洲市場が建設されたのです。土壌汚染は、かつての石炭から都市ガスを製造する過程において生成された副産物などによるもので、7つの物質(ベンゼン、シアン化合物、ヒ素、鉛、水銀、六価クロム、カドミウム)による、土壌及び地下水(六価クロムを除く)の汚染が確認されています。

このように、日本全国の土地は、ブラウンフィールドと言われる土壌汚染の可能性があるのです。化学工場、クリーニング工場、ガソリンスタンドの跡地などでは、調査するとかなりの確率で土壌汚染が確認されます。

土壌汚染がない土地:グリーンフィールド
土壌汚染の可能性のある土地:ブラウンフィールド

この土壌汚染対策事業をメインビジネスとする会社が、エンバイオ・ホールディングス(6092)です。土壌汚染対策とは、土地が特定有害物質で汚染されてないかを確認するための調査、汚染が確認された土地について指定基準に適合させるための浄化工事の設計・施工、並びに土地の買い手、行政、近隣住民等利害関係者とのリスクコミュニケーションを通して問題解決を図るプロセス全体のことです。汚染土壌を掘削せずに地中の汚染物質を分解する工法、汚染土壌を掘削して場内で汚染物質を分解・除去した後に埋め戻す工法、両方の工法で処理しています。土地の所有者が、その土地を売却するために、土壌汚染の有無を調査し、汚染されていた場合は浄化工事を行うのです。

エンバイオ・ホールディングスは、汚染土壌を掘削せずに地中の汚染物質を分解する工法に強みを持っているので、上に建物が建ったままの状態でも浄化工事が行え、コストを低くすることが可能です。豊洲市場の問題で、土壌汚染が世間に注目されており、土壌汚染対策事業は安定的な高成長が期待できそうです。

リスク込みの価格で購入し対策を行う新規事業も

同社は新規ビジネスとしてブラウンフィールド活用事業も行っています。中小企業が保有している土壌汚染地、または土壌汚染の可能性が高くそのままでは売買が成立しにくい土地を、土壌汚染リスクを見込んだ価格で現状有姿で購入し、自社で土壌汚染対策を行い、必要に応じて行政への届け出を行って再販あるいは賃貸するのがブラウンフィールド活用事業です。

リスクをとって、土壌汚染の恐れのある土地(ブラウンフィールド)を、安価に購入し、自社で土壌汚染対策を行い、土壌汚染のない土地(グリーンフィールド)にするのです。土壌汚染の恐れのある土地は、かなり安価で購入できるので、大きな収益が見込めるビジネスです。

環境省の「土壌汚染をめぐるブラウンフィールド対策手法検討調査検討会」による報告書では、土壌汚染対策費が多額となるため土地売却が困難と考えられる土地は、2.8万haもあり、仮に土壌汚染のない場合の地価では10.8兆円もあるそうです。

福の神の「ここがすごい」
土地を掘削せずに浄化工事を行える技術力を持っており、土壌汚染対策事業は安定的な高成長が期待できる。この安定した事業基盤に加え新規事業であるブラウンフィールド活用事業は、自社の浄化能力を生かし、使える土地を作り出すため、今後急成長が見込める。既存事業で着実な成長が望め、ブラウンフィールド活用事業でさらなる躍進が期待できる。
エンバイオ・ホールディングス (6092)東証マザーズ

■株式データ
株価 1,423円
単元株数 100株
予想PER(連) 20.45倍
実績PBR(連) 3.16倍
予想配当利回り 無配
時価総額 約78億円

* 株価データは2017年9月15日終値ベース
* 本サイトで紹介する意見や予測は、筆者個人のものであり、所属する会社や会社のアナリストとしての意見や予測を表すものではありません。また、紹介する個別銘柄の売買を勧誘・推奨するものではありません。投資に当たっての最終決定はご自身の判断でお願いします。
* 正確かつ信頼しうると判断した情報源から入手しておりますが、その正確性または完全性を保証したものではありません。

執筆者プロフィール : 藤本誠之

「相場の福の神」と呼ばれるSBI証券客員マーケットアナリスト。 年間200社を超える上場企業経営者とのミーティングを行い、個人投資家に真の成長企業を紹介している。「まいど! 」の挨拶、独特の明るい語り口で人気。日興證券、マネックス証券、カブドットコム証券、SBI証券などを経て、現在は、財産ネット株式会社の企業調査部長。ラジオNIKKEIで3本の看板番組を持ち、その他テレビ出演、新聞・雑誌への寄稿も多数。 日本証券アナリスト協会検定会員、ITストラテジストAll About株式ガイド。 著書:『難しいことは嫌いでズボラでも 株で儲け続けるたった1つの方法』(SBクリエイティブ)など合計15冊

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インデックス

連載目次
第7回 場所や時間にとらわれない「クラウドワーク」という働き方
第6回 成長5業種に絞り込み
第5回 ブラウンフィールド活用事業に注目!
第4回 契約書に印鑑って必要じゃなかったの?
第3回 50万円で起業、日本の農家を元気にする企業
第2回 カリスマ店員から、社員インフルエンサーに!
第1回 スマホ課金の新しい手法「文字数課金」とは?

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