前回の復習

まいど、"相場の福の神"こと藤本です。前回は、「NISAで「株式投資」その(5)」で「"値上がり重視派"の銘柄選びのコツ」について解説いたしました。

そのポイントを再掲載すると以下の通りです。

ポイント

  • NISAの株式投資で値上がり益を狙うなら、ファンダメンタル分析がオススメ

  • ファンダメンタル分析で成長株・割安株を探そう

  • 成長株・割安株を探すには、ネット証券が提供しているスクリーニング機能を使おう

【最終回】NISAで「株式投資」その(6)

今回で、この連載も最終回です。NISAについての現状と、福の神のおススメNISA口座活用法をご紹介いたします。

NISAの現状は?

金融庁は6月23日、NISAの最新統計「NISA口座の利用状況等について」を発表しています。それによると、2014年3月31日現在で、NISA総口座数は、650万3951口座でした。本年1月1日の制度導入時点の約475万口座から、3ヶ月で約175万口座、約37%増加しています。また、NISAの総買付額は、1兆34億4608万円となっています。このように、NISAの利用は増加の一途をたどっているが、20代の若年層がNISAになかなか踏み切れないなどの課題も見えてきているようです.

NISAの総買付額1兆34億4608万円のうち、商品別内訳は上場株式 3645億1357万円(36.3%)、投資信託が6212億822万円(61.9%)、ETFが91億417万円(0.9%)、REITが86億2012万円(0.9%)でした。

若年層の利用が少ないなど課題は残りますが、それなりにNISA口座の活用は進んでいるようです。まだ、NISA口座をご活用いただいてない方は、ぜひ、NISA口座の活用をおススメします。

相場の福の神 NISAおススメ活用法

最終回なので、相場の福の神のNISAおススメ活用法を解説いたします。

口座開設は?

NISAで購入できる商品は、株式(上場投信ETF、不動産投信REIT含む)と株式投資信託の2種類です。

NISA口座は、証券会社または銀行などの金融機関で開設できますが、銀行は株式投資信託のみ、証券会社では株式と株式投資信託の両方が取り扱えるので、証券会社がおススメです。

証券会社

証券会社では、支店などの窓口がある対面型証券会社と、PCやスマホなどで売買できるネット証券の2種類がありますが、数千万円以上の多額の資産があり、対面証券会社で大口顧客として優遇される可能性のある方以外は、手数料が格段に安いネット証券がおススメです。

対象商品は?

今回は、20~30代のサラリーマン・OLの方で投資初心者の方を対象と考えますと、

上場投信(ETF)

おススメは、毎月の給料と、ボーナスから定期的な積立がおススメです。積み立てるおススメの商品は、下記の上場投信です。

  • 【1592】上場インデックスファンドJPX日経インデックス400(東証)

JPX日経インデックス400は、約1,000円単位で投資可能な上場投信(ETF)です。JPX日経インデックス400は、「投資者にとって投資魅力の高い会社」で構成される新しい株価指数です。世界最大の機関投資家GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)もベンチマークにしています。投資初心者は、個別銘柄を上手く選別できるようになるまでは、まずは平均点が確実に取れるインデックス運用がおススメです。

新規公開株(IPO)

もう一つおススメなのが新規公開株です。昨年2013年のように、ほぼすべて銘柄の初値が公募価格を上回る状況ではありませんが、人気の高い銘柄については、かなりの高確率で初値が公募価格を大きく上回る状況です。

事前に銘柄を調べて、人気が高そうな銘柄だけ、ネット証券のブックビルディングに参加して、抽選に当たるのを期待しましょう。

買わない宝くじは当たることはありません。中々当選しないとは思いますが、諦めずに参加し続ければ、当たることもあります。もし当たって儲かった時に、節税効果が非常に大きいので、NISA口座での参加がおススメです。

最後に

"相場の福の神"の「NISAで買おう!」は今回で最終回です。まだNISA口座を開設されていない方は、バックナンバーを読んで、NISAをご理解いただき、NISA口座を開設して、資産運用を始めてください。

デフレ・円高が終焉し、今後はインフレ・円安の時代になりそうです。資産運用を始めることによって、資産の目減りを防ぎましょう。

今回のまとめ

  • NISA口座はネット証券に口座開設するのがおススメ

  • 投資初心者は、約1,000円単位で投資可能な、【1592】上場インデックスファンドJPX日経インデックス400(東証)を毎月積み立て投資するのがおススメ

  • また、人気が高い新規公開銘柄(IPO)にチャレンジしてみよう

執筆者プロフィール : 藤本 誠之

SBI証券投資調査部 シニアマーケットアナリスト。日本証券アナリスト協会検定会員。自称、「相場の福の神」。関西大学工学部電子工学科卒。日興證券(現SMBC日興証券)入社、個人営業を経て、機関投資家向けのバスケットトレーディング業務に従事。1999年、日興ビーンズ証券設立時より、設立メンバーとして転籍(その後、日興ビーンズ証券はマネックス証券と合併)。2008年7月、マネックス証券から、カブドットコム証券に移籍。2010年12月、トレイダーズ証券に移籍。2011年3月、同社を退職。のちに独立、マーケットアナリストとして活躍。2012年からマネーパートナーズのスタッフとして活動。2013年7月1日より現職。著書に 『ニュースを"半歩"先読みして、儲かる株を見つける方法 』(アスペクト)、『株で儲けるニュースの読み方 相場のプロが教える「先読み&裏読み」の極意』(ソフトバンククリエイティブ)、 『儲けに直結!株価チャートドリル』(成美堂出版)がある。
※ 本コラムで紹介する意見や予測は、筆者個人のものであり、所属する証券会社の意見や予測を表わすものではありません。また、紹介する個別銘柄の売買を勧誘・推奨するものではありません。投資にあたっての最終決定はご自身の判断でお願いします。