前回の復習
まいど、相場の福の神こと藤本です。前回は、「NISAで「株式投資」その(4)」で「日経平均株価」について解説いたしました。
そのポイントを再掲載すると以下の通りです。
ポイント
個別銘柄を選択しないで、日本全体の株価に投資するならインデックス投資!
日経平均株価に連動するETF(上場投信)がオススメ
【1578】上場インデックスファンド日経225(ミニ)(東証)を毎月等金額投資しよう
NISAで「株式投資」その(5)
今回は、「値上がり重視派の銘柄選びのコツ」について、ご説明いたします。
NISAによる株式投資で、売却益(キャピタルゲイン)を狙うには、5年間の非課税期間を考慮するとじっくり株式を保有して中・長期で値上がりが期待できる銘柄を選ぶことがポイントです。この場合、いわゆるファンダメンタル分析=「企業の業績や財政状態から判断して銘柄を選ぶ方法」によって、銘柄を選ぶと良いでしょう。
成長株投資と割安株投資
ファンダメンタル分析で投資する銘柄を選別するのに、大きく2つの手法があります。
- (1)成長株投資(グロース株)
売上や利益を年々伸ばしている成長性の高い企業に投資して、企業の成長とともに株価が上昇することを期待する投資手法です。
- (2)割安株投資(バリュー株)
企業が現在保有している価値に比べて、株価が割安に放置されている銘柄に投資して、割安が是正されることによる株価上昇に期待する投資手法です。
どちらの投資手法が優れているのかは、中々難しい質問です。
成長株投資については、成長性を評価して株価が高くなっている銘柄が多く、もし、成長性が鈍化するなど市場の評価が低くなると、大きく株価が下落する可能性があります。
また、割安株についても、何か理由があって割安に放置されている場合が多く割安が是正されずに、中々株価が上昇しない可能性があります。
個人投資家それぞれが、どちらか投資しやすい手法を選択すればよいでしょう。ご参考としては、せっかちな方は成長株投資、じっくりと気長に待てる方は割安株投資が良いかもしれません。
または、両方の手法を組み合わせて投資するのもひとつの手法です。
スクリーニングで成長株・割安株を検索しよう!
成長株・割安株を探す場合、お使いのネット証券会社が提供している銘柄検索機能「スクリーニング」を使うのが簡単で便利です。
例えば、藤本の所属しているSBI証券の場合は、銘柄検索機能「スクリーニング ~テクニカル&財務条件検索機能~」が活用できます。上手く使いこなして、あなたの希望に合った銘柄を探しだしましょう。
「スクリーニング ~テクニカル&財務条件検索機能~」は、実際の投資指標の数値のほかに、下記の8つのクオンツスコアで検索可能です。初心者の場合、実際の投資指標の数値を入れて、検索するのは難しいので、下記の8つの項目の中で自分の重視するスコアを8以上など厳しめの数字を入れて検索するのが良いでしょう。
【成長性スコア】銘柄の成長性を表すスコア
【企業規模スコア】企業の規模と株式の流動性を表すスコア
【テクニカルスコア】銘柄をテクニカル分析で診断したスコア
【値動きスコア】銘柄の値動きの激しさを表したスコア
【割安性スコア】銘柄の割安性を表すスコア
【財務健全性スコア】銘柄の財務健全性で診断したスコア
【市場トレンドスコア】銘在の市場のトレンドに合っているか診断したスコア
【株価動向スコア】株価の動向を、株価の移動平均線からの乖離度から計算したスコア
NISA口座での株式投資で、まず重要視すべき項目は【財務健全性スコア】です。NISAでの非課税期間は、最大5年です(ロールオーバーすれば、最大10年になります)。中・長期の投資になりますので、財務健全性が平均の5以上の銘柄に限定したほうがより安全な投資になるでしょう。
成長株の検索方法は?
成長株を探すには、【成長性スコア】を条件にして検索しましょう。
その他、【財務健全性スコア】は5以上、投資金額20万円以下を条件にしました。
《成長株投資》
【検索条件】
成長性スコア : 10
財務健全性スコア : 5
投資金額 : 20万円以下
東証1部
例えば、2015年5月17日終値基準で検索を行い、成長性の指標であるROEの高い順でランキングすると、以下のような銘柄が選ばれました。
割安株の検索方法は?
割安株を探すには、【割安性スコア】を条件にして検索しましょう。
その他、【財務健全性スコア】は5以上、投資金額20万円以下を条件にしました。
《成長株投資》
【検索条件】
割安性スコア : 10
財務健全性スコア : 5
投資金額 : 20万円以下
東証1部
今回のまとめ
NISAの株式投資で値上がり益を狙うなら、ファンダメンタル分析がオススメ
ファンダメンタル分析で成長株・割安株を探そう
成長株・割安株を探すには、ネット証券が提供しているスクリーニング機能を使おう
次回は、NISAで「株式投資」その(6)です。
執筆者プロフィール : 藤本 誠之
SBI証券投資調査部 シニアマーケットアナリスト。日本証券アナリスト協会検定会員。自称、「相場の福の神」。関西大学工学部電子工学科卒。日興證券(現SMBC日興証券)入社、個人営業を経て、機関投資家向けのバスケットトレーディング業務に従事。1999年、日興ビーンズ証券設立時より、設立メンバーとして転籍(その後、日興ビーンズ証券はマネックス証券と合併)。2008年7月、マネックス証券から、カブドットコム証券に移籍。2010年12月、トレイダーズ証券に移籍。2011年3月、同社を退職。のちに独立、マーケットアナリストとして活躍。2012年からマネーパートナーズのスタッフとして活動。2013年7月1日より現職。著書に 『ニュースを"半歩"先読みして、儲かる株を見つける方法 』(アスペクト)、『株で儲けるニュースの読み方 相場のプロが教える「先読み&裏読み」の極意』(ソフトバンククリエイティブ)、 『儲けに直結!株価チャートドリル』(成美堂出版)がある。
※ 本コラムで紹介する意見や予測は、筆者個人のものであり、所属する証券会社の意見や予測を表わすものではありません。また、紹介する個別銘柄の売買を勧誘・推奨するものではありません。投資にあたっての最終決定はご自身の判断でお願いします。