これまで、「Evernoteはデジタルのノートであり、いろいろなことはできるけど、所詮はノート。あまり難しいことは気にしないで、とりあえず使ってみよう」いう話をしてきました。

「ノート」の使い方というのはさまざまですが、Evernoteの入門としては、シンプルに「メモ帳」として使い始めてみるのが手軽でしょう。

Evernoteのメモ帳として便利な点は?

PCを難しくかつ厄介なものにしている原因の1つは「ファイル」と「フォルダ」という存在です。

この仕組みはPCに慣れてくれば十分に理解できますが、便利かというと、必ずしもそうとは限りません。

ちょっとメモを残したいという場合も、メモ帳を開き、そのファイルに名前を付けて、保存する場所を決めて、ようやくメモが完成します。

この時にタイトルや場所をいい加減に決めてしまうと、あとでメモがどこにあるのか見つけられないような状態になってしまいます。

これでは「メモ」とは言えません。

しかも、実際にそれだけ手間をかけてメモを残しても、メモが増えてくると、目的のメモを探すのは大変です。

そのため、PCの前にいる時も手書きでメモを取る方も多いのではないかと思います。

Evernoteを使えば、こうした作業がかなり「手軽」になります。

新しいメモを作る時は、Evernoteで「新規ノート」のボタンを押して、文字を入力するだけ。これだけで「メモ」はちゃんと保存されます(新規ノート作成のショートカットというのも作成可能です)。

メモが必要になった時はEvernoteを開くだけで大丈夫。メモの内容は一覧からある程度把握できます。それでもメモが見つからない場合に「検索」すればよいのです。

メモの内容は一覧からある程度把握できるので、20~30個程度のメモであれば目で十分見つけられる

メモの量が増えてきて不便を感じたら、「使用済みメモ」とでも名付けた「ノートブック」を作って、いらなくなったメモはそちらに移動させておけば、メモの一覧性も高まるでしょう。

手書きのメモは写真を撮る

Evernoteでのメモが便利だとわかっても、手書きでメモを取る場合も多々あるかと思います。

しかし、メモは1ヵ所にまとめておいたほうが、「どこにいったのかわからない」という状況に陥る確率が下がります。

そこで、手書きのメモは写真を撮ってEvernoteに保存してしまうのです。

スマートフォンならEvernoteの公式アプリから簡単に写真を保存できますし、携帯電話でもEvernoteから提供される専用のメールアドレスに写真を送ることで、写真を保存できます。

Evernoteを使いこなすコツは、すべてのメモをEvernoteに保存するように徹底すること。Evernoteを探せばメモは見つかる――こういう状態が出来上がれば、それまでの「メモはどこにいった?」という状態は激減するはずです。

五藤隆介(ごとう りゅうすけ)
1980年愛知県生まれ。愛知県在住。
ブログ「goryugo, addicted to Evernote」主宰。「ライフログ」をキーワードにEvernoteにすべてを記録することの試行錯誤とその成果などをブログで公開中。

ブログメディア「シゴタノ! 仕事を楽しくする研究日誌」にも寄稿中。
著書『たった一度の人生を記録しなさい -自分を整理・再発見するライフログ入門-』が2011年9月30日に発売予定。

筆者ブログ「goryugo.com」、ツイッターのアカウントは

@goryugo