Evernoteには「ノートブック」と「タグ」という、2種類の「整理のための機能」が存在します。

前回は、Evernoteは所詮「ノート」なので、難しいことを考えずに紙のノートと同じ感覚で使ってみようと話しました。

今回はアナログのノートの感覚になぞらえて、「ノートブックとタグがどんなものか」、さらに、これらが実現するデジタルならではのメリットについてお話ししましょう。

ルーズリーフとバインダーと付箋

前回は、話をわかりやすくするためにEvernoteは「ノート」であるという言い方をしましたが、もう少し違った言い方をすると、Evernoteはルーズリーフ(もしくはカード)をまとめて保管しておく「入れ物」です。

1枚の「ノート」はルーズリーフ1枚の紙切れ。そして、「ノートブック」はこの紙切れをまとめておくバインダーです。

そのため、1冊のノートを複数のノートブックに保管しておくことはできません。

それに対し、タグは「付箋」のイメージです。付箋は名前付きで何種類でも作ることができますし、1冊のノートにいくらでも貼り付けることができます。

もちろん、付箋をまったく貼らなくても問題ありません。

デジタルツールならではのメリットとして、Evernoteは同じタグが付いたノートは、ワンクリックすべてのノートの中から探し出せることがあります。逆に、あるノートブックの中の特定のタグが付いたものだけを呼び出すことも簡単に行えます。

ノートブックとタグの入れ替えは簡単

ノートブックとタグのルールがわかっても、一体どういうものを「ノートブック」にまとめておいて、どういうものに「タグ」を付ければいいのかわからない。

これは、多くの人がEvernoteを使い始めた時に戸惑う点なのではないかと思います。

どうやって、ノートブックとタグを使い分けていくのか――その具体例については、これからの触れていく予定ですが、まず知っておいていただきたいのは、ノートブックとタグはいつでも簡単に入れ替えることができるということです。

移動させたいノートをCTRL+A(Macはコマンド+A)ですべて選択した後、目的の場所にドラッグする。これで、「ノートブック→タグ」や「タグ→ノートブック」の入れ替えを容易に行える

ノートブックとタグは「機能が異なるもの」ですが、入れ替えは簡単。言い換えれば、「整理」はさほど気にしていなくても、後から何とかなるのです。

整理整頓が後からでも簡単にできるというのは、デジタルツールの大きなメリットです。この点を踏まえ、Evernoteを使い始める際、まずは整理にこだわりすぎないこと。

これもまた、Evernoteというデジタルノートとうまく付き合っていくポイントだと思います。

五藤隆介(ごとう りゅうすけ)
1980年愛知県生まれ。愛知県在住。
ブログ「goryugo, addicted to Evernote」主宰。「ライフログ」をキーワードにEvernoteにすべてを記録することの試行錯誤とその成果などをブログで公開中。

ブログメディア「シゴタノ! 仕事を楽しくする研究日誌」にも寄稿中。
著書『たった一度の人生を記録しなさい -自分を整理・再発見するライフログ入門-』が2011年9月30日に発売予定。

筆者ブログ「goryugo.com」、ツイッターのアカウントは

@goryugo