前回も書いたように、Evernoteはデジタルの「ノート」です。「アナログ」である紙のノートの魅力は、自由度の高さではないかと思います。アナログのノートには文字だけでなく、絵や図を自由に書き込むことができますし、写真や資料を貼り付けておくことも可能です。

また、使用するノートの数は1冊だけと決まっているわけではなく、複数のノートを目的別に使い分けることも可能ですし、何もかもを1冊のノートでまかなうことも可能です。

アナログのノートはユーザーが「自由自在に」使っているものと言えるでしょう。

アナログに近い「ノート」の自由度

Evernoteもアナログの紙のノートと同じように、非常に自由度の高いノートです。

1枚のノートに、文字や写真、手書きの図、PDFファイル、さらには音声まで、自分の好きなようにまとめておくことできます(月5ドルのプレミアム会員に入会すれば、ノートにはExcel書類、動画、そのほか何でもファイルを貼り付けることが可能になります)

Evernoteでは、紙のノートに写真や資料を貼り付ける感覚で、画像ファイルを挿入できる。さらに、音声ファイルなども追加できるのは「デジタルならでは」だろう

また、紙のノートを複数使い分ける感覚は「ノートブック」を複数用意する事で代用できます。Evernoteでもプライベート用、仕事用など、目的別のノートを250個まで作ることが可能です。

Evernoteと紙のノート。デジタルとアナログという違いこそあれ、共通している部分も多いのです。

紙のノートの感覚で考えるとわかりやすい

しかし、こうした自由度の高さが災いしてか、実際には「Evernoteをどのように使いこなしたらよいのかわからない」という話もよく聞きます。

これに対し、紙のノートは「どのように使ったらよいのかわからない」という話はあまり聞きません(少なくとも私は聞いたことはありません)。

デジタルメモツール、クラウドノートなどという耳慣れない言葉が並んでいるため、つい身構えてしまい、「使いこなさなければ」と意気込んでしまう人が多いかもしれませんが、良くも悪くも所詮は「ノート」です。

もちろん、デジタルだからこそできることや、デジタルだから便利な点はたくさんありますが、あくまでも「ノート」と考えてしまえば、身構えることなく気楽に使い始めてみる気になれるのではないでしょうか。

五藤隆介(ごとう りゅうすけ)
1980年愛知県生まれ。愛知県在住。
ブログ「goryugo, addicted to Evernote」主宰。「ライフログ」をキーワードにEvernoteにすべてを記録することの試行錯誤とその成果などをブログで公開中。

ブログメディア「シゴタノ! 仕事を楽しくする研究日誌」にも寄稿中。
著書『たった一度の人生を記録しなさい -自分を整理・再発見するライフログ入門-』が2011年9月30日に発売予定。

筆者ブログ「goryugo.com」、ツイッターのアカウントは

@goryugo