新作『ワールド・ウォーZ』が出足好調、ブラッド・ピットのオチャメな「怪演」



先週米国などで劇場公開になったブラッド・ピットの新作『ワールド・ウォー Z』が、第一週めの週末に全世界で1億1180万ドルーー内訳は米国内が6600万ドル、その他25カ国合わせて4580万ドルーーの売上を記録、同週の興行収入でディズニー・ピクサーの新作『モンスターズ・ユニバーシティ』に次ぐ第2位にランクインした。

'Monsters U' Zooms to $82 Million; Brad Pitt's 'World War Z' Nabs $66 Million - The Hollywood Reporter(THR)

この『ワールド・ウォー Z』、いろんな意味で話題作だったらしく、「2006年には原作の映画化権をめぐって、ブラピとレオナルド・ディカプリオが争奪戦」「製作は非常に難航し、脚本の書き直しや撮り直しを繰り返したことから、コストが当初の予算を大幅に超過し、推定2億5000万ドル近くにまで達した」「当たれば『アイアンマン』シリーズのようなドル箱をつくり出せる可能性もあると同時に、『ジョン・カーター』『バトルシップ』など近年の大失敗作(いずれも2億ドルを超える製作費を投じながら興行的にはふるわず)に連なる大コケ大作になるリスクもあった」などといった話が、少し前のVanity Fairの特集記事に出ていた。

Brad Pitt's Battle to Make World War Z - Vanity Fair

ブラピとしても「今回はぜったいハズせない、ハズしたくない」と思ったのだろうか、封切り直前にはジミー・ファロンの「Late Night」(NBCの深夜番組)にまで顔を見せて、新作のプロモーションにいそしんでいたようだ。こうした地道な営業活動も多分に奏功したのかもしれない。


『ワールド・ウォーZ』の健闘ぶりについては、Forbesの記事によると「いい意味でちょっと意外なニュース」と前置きした上で、大物スター主演のアクション映画では『アイ・アム・レジェンド』(米国内のオープニング興行収入が7700万ドル)などに次ぐレベルの好調な出足なのだとか。また過去のヒット作『Mr.&Mrs. スミス』の公開週の売上が5000万ドル、最終的な売上(米国内)はこの約3.6倍の1億8000万ドル。また『アイ・アム・レジェンド』も同様の伸び率だったことなどを踏まえると、『ワールド・ウォー Z』の興行収入も米国だけで2億ドルくらいまではなんとかいくのでは……などと推測している。

いっぽう、MTVでも「『ワールド・ウォーZ』の出足は、業界内のもっとも強気な予想さえも上回った」「ゾンビが出てくる映画としては特に立派な成績」などと報じている。ちなみに、ゾンビ映画では2009年の『Zombieland』というのが過去最高で、公開3日間で2470万ドルを稼ぎ出していたそうである。

なお、Business Insiderには現在劇場公開中の作品の興行収入トップ10が出ているが、8週目でいまだに10位に付けている『アイアンマン3』の累計売上が12億ドル、というのはちょっとすごい。5月上旬に出ていたWSJの記事には、『アイアンマン3』の公開週の興行収入が米国で1億7530万ドル、またその時点までの全世界での売上が6億8010万ドルなどいう数字も出ている。一方、昨年の『アベンジャーズ』は全世界でなんと15億ドルを超えを記録しており、この数字にどこまで近づけるかが今後の注目点らしい。

追記1:アイアンマンがHTCを救う?

ロバート・ダウニーJr.というとこの『アイアンマン』シリーズ、それに『シャーロック・ホームズ』シリーズなどで、いまやすっかりアクション俳優になってしまった感があるが、そのダウニーJr.が先頃、スマートフォンメーカーのHTCと2年間1200万ドルのマーケティング(CM出演)契約を結んでいた。Bloombergでは「映画のなかでは世界を救ったダウニーJr.だが、アップルやサムスンを相手に苦戦を続ける台湾のスマートフォンメーカーを救えるか」などとコメントしている。

['Iron Man' Downey Comes to the Rescue of HTC]
(HTCを後押しすることになったダウニーJr.と、サムスンと組んだジェイ・Zが鉢合わせするようなことがもしあったら、きっとグウィネス・パルトロウが橋渡しするんだろうなあ、などと余計なことを思ったりも)


追記2:その名も「ノース・ウエスト」!、カニエ&キム・カーダシアン第一子の名前が明らかに

欧米などで大きな注目を集めていたキム・カーダシアンの出産。その命名については、とくに父親がもはや神に近づきつつある(?)カニエ・ウェストということもあり、一部からは大きな期待と関心も寄せられていたが、「North West(直訳すると“北西”)」というちょっと風変わりながらも案外あっさりしたものとなった。アリシア・キーズの息子「エジプト」といった名前と比較して、の話だが……。

TMZにある説明を読むと、どうも「北極星」=天頂(それ以上、上がない)に関係あるらしいが、このカップルのことだけにどうもいまひとつよくわからない。当方では一瞬「生まれた時からノースウエスト航空とのエンドースメント契約狙いか」と早合点しかかったが、こちらのノースウエストは、3年ほど前にデルタ航空に買収されてい今はなき存在となってしまっていた。