まずは日本語での十分な予備知識をもつ

ブログ、SNS、YouTube…とtechnology savvyの読者のみなさまならどれもお馴染みで、日ごろの情報収集や情報交換に利用していることでしょう。米国内でも事情は同じでMySpaceやYouTubeはとてもよく使われています。日本と違うところを挙げるとすると、職業や年齢にかかわらず広く使われていて、社会現象や社会問題にまで発展することが多い点でしょうか。最近では、ペンタゴンがイラクにいる兵士のMySpaceやYouTubeの利用制限を始めたことが話題になりました。

そんなお国柄ですから、いわゆる業界トップの人々 - computer software mavenたち - の利用頻度は相当で、彼らが情報の発信源になっていることは間違いありません。彼らの日記やブログは、いちはやく情報をキャッチするには最適です、が……当然ながら英語で書かれています。そこで今回は、たとえ英語で書かれていても、できるだけすばやく情報を取得する、あるいは利用するにはどうすればいいかについて話をしましょう。

まずは、日本のニュースサイトをこまめにチェックし、気になるニュース、あるいは知っておきたいニュースがあったら、検索エンジンも併用して適当な英語のサイトの記事を読むようにすることをお薦めします。いきなり英語で始めようとすると、おそらく情報収集に振り回されて挫折してしまうでしょう。英語での情報発信のスピードはかなり速く、量も相当なものです。それを英語のネイティブスピーカ並みに読むのは日本人にはほとんど不可能です。

最近、英文ライティングのクラスで米国人学生と一緒に勉強したのですが、彼らの英語を読む/書くスピードは驚異的でした。テストではレターサイズ4ページくらいに細かい文字でびっしり書かれたエッセイを読み、いくつかある質問の答えとなるようにうまく構成したレスポンスエッセイをMS Wordを使って2ページ半以上を書くのですが、米国人学生は「1時間半くらいあれば十分」という様子です。これだけ"読む/書く"能力が鍛えられている米国人と、たとえ読むだけであっても、英語が母国語ではない日本人が同じ速さで続けることは至難の技です。

ですが、日本のニュースサイトならそれほど時間をかけなくても、どこから何がリリースされたのか、何が起きたのか、といった内容は簡単に把握できます。日本語だからといって情報が古いということはほとんどありません。私は英語で何か気になるニュースを見つけると、日本語限定で検索し、日本で話題になっているかどうか調べてみることが多いのですが、たいていは日米でほぼ同時です。とくにニュースに関してはわざわざ英語のサイトを見に行く必要はないくらい、すばやく情報が出ています。ですから英語で情報収集をしたい場合には、いきなり英語のサイトをあちこち見にいかず、日本語のサイトで予備知識を蓄えておくと、必要な情報をより速く取り入れられるようになります。

読むにも書くにも"main idea"がなければ始まらない

予備知識を身につけてキーワードも理解したら、まずはskimming(スキミング)で英語のサイトでの情報収集にトライしてみましょう。skimmingした結果、時間をかけて読む価値があると思ったらじっくりと読むことにしましょう。skimmingというのはパラグラフの最初の一文と最後の一文だけを読んでthe gist(main ideas)を把握する手法で、短時間で大まかに内容を理解するために使われます。英文はイントロダクション、複数のパラグラフ、コンクルージョンで構成されていて、イントロダクションの最後にはthesis statementがあり、各パラグラフの最初の一文はtopic sentenceと言われる文章でそれぞれのmain ideaを表現しています。パラグラフの最後の一文が小さな結論になっている場合もあります。このルールを知っていれば、なぜパラグラフの最初と最後の一文だけ読んで内容を把握できるのかもわかりますね。

読んで情報収集するばかりではなく、投稿して、あるいは質問して自分が困っている状況を解決するための情報収集にトライしたくなった場合にも、このエッセイスタイルを忘れないでください。たとえ短い文章でも最初の一文は必ず"main idea"、つまり「自分は何を言いたいのか」を最初にはっきり書きます。文法の間違いや不適切な動詞の使い方などがあっても相手がネイティブスピーカーならたいていわかってくれるのですが、何を言いたいのかわからない文章では、どんなに誤りがない英語であっても相手はわかってくれません。「What is the point?」をつねに自分に問いかけながら書くといいかもしれません。main ideaの次はsupportですから、詳細に自分の言いたいことや聞きたいことを説明します。

英語で書く場合には構成ばかりではなく、"diversity(多様性)"という概念を考慮して書くこと、相手の言うことを理解する姿勢、なども忘れないようにしましょう。前回のスピーキングでもこの話をしましたが、書く場合はとくに「相手が自分と同じレベルの知識を持ち合わせている」とか、「こう言ったら自分を理解してくれるだろう」などといった仮定をしないことが基本です。「相手は自分とは違う考え方をする人」であることを前提に、main ideaに詳細に説明を加えていきます。こうしないと話がかみ合わなかったり、違う解釈をされたり、話が本題とは違う方向に向かってしまったりと、なかなか目的の情報にたどりつけない事態になりかねません。欲しい情報にすばやくたどり着くには、「What is the point?」の次に"WH questions"を自分に問いかけて、十分に説明したかどうかを確認してみるといいでしょう。

英語が読めて、書けるようになると、世界が大きく広がります。いろいろな人との交流が増え、ニュースになりそうな最新情報も入手しやすくなり、きっと仕事も楽しくなるのではないでしょうか。楽しく仕事をしている自分の姿を思い描きながら、英語の情報に触れてみてください。

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