聞き取れますか? "ぁかぽーぺぇだん"

前回は英文法を意識してリスニングにトライしてみようという話をしましたが、NPRのニュースとSteve Jobs氏のスピーチはいかがでしたか? 文章の最初の部分を聞き取る努力をすると、かつてさんざん習った英文法の知識が役に立って、文章全体を把握するのが楽になったのではと思います。といわれても、言葉そのものを聞き取れないと文章構造まで注意を払えない…でしょうか? たしかに、英語のリスニングでは単語を聞き取る能力は重要です。そこで今回はリスニングに役立つ単語の知識の話をしましょう。

英単語をたくさん知っていればたしかにリスニングの能力アップに役立つのですが、正しい発音で覚えているかどうかが問題です。たとえば、デトロイト近郊の地名であり、車のブランドでもあるPontiacは「ぱぁにえっく」が正しい発音です。ディズニーワールドがあるフロリダの地名は「ぉれぇんどぅ」です。わかりますか? Orlandoですよ。

「テクニカルなスピーチのリスニングなら地名なんて出てこないし、大丈夫」などど思わず、英単語を目にしたときは正しい発音を確認してみてください。よく目にする"pattern"の発音は「ぺぇだぁん」です。

実際にどう発音しているかをビデオ"Core Patterns for Web Permissions"で聞いてみましょう。このビデオはWebアプリケーションのセキュリティモデルについてのスピーチですが、3分後くらいのところで、"a couple of patterns"という表現が出てきています。その後も"those four patterns"というように出てきています。このビデオは字幕付きで、スピーカーのTyler Close氏は比較的はっきりと話す方なので、テクニカルなスピーチでどのように単語が発音されているのかを聞いてみてください。ちなみに"server application"は「すぅばらぷりけぇいしゃん」のように発音されていますが、聞き取れたでしょうか。

単語の正しい発音に加えて、リスニングで気をつけたいのは英単語は1つずつ発音されないという点です。たとえばshould have、might have、would haveというように、modal+present participleで「べきだった」「だったかもしれない」「だったであろう」のような言い回しはよく使われますが、発音は「しゅだぶ」「まいたぶ」「うだぶ」です。これひとつだけ言われればすぐにわかるかもしれませんが、次から次へと英語単語が出てくるスピーチでは、気をつけていないとつい聞き逃してしまいます。先ほどの「すぅばらぷりけぇいしゃん」も一例ですが、Close氏のスピーチにはよく耳にする"day-to-day"(でぇぃたでぇ)や"going to"(がな)、"set up"(せだっぷ)も出てきています。これらはほんの一例で、"have to"(はふた)、"try to"(とらいた)など、英語の世界には数え切れないくらいあります。Close氏のスピーチではいったいどのくらい出てきているか数えてみるのもおもしろいかもしれません。

聞き取れなくても"どん うぉーりー!" とりあえず英語のリズムに慣れてみる

そしてもうひとつ、リスニングで気を付けたいのはリズムの中に英単語が存在している点です。リズムに慣れいないと知っているはずの単語でもなかなかうまく聞き取れません。ビデオ"Dan Friedman--Cool Ideas (Dan Friedman's 60th Birthday)"のGuy Steele氏はかなりリズミカルに発音しているので、リズムに慣れるよい練習になるでしょう。Steele氏はこれまでに紹介した中では最も早口のスピーカで、ややどもりながら話すため、リスニングのサンプルとしてはハイレベルですが、一般的な米人はもっと早口の人が多いですから、Steele氏でトレーニングしておくと役に立つかもしれません。

Steele氏のスピーチはword stress(アクセント)に加えてsentence stress(文章のなかで強調する単語)もはっきりしています。これらを気にしながらスライドの説明が始まったところから見ていくと、おそらく次のように話をしていると思われます。まず、

Many of Dan's idea have influenced my works .... talk about some of those during this hour.

というようにスピーチのthesisを述べて、

It is exactly hard to figure out.. exactly which idea is totally Dan's because he has been very generous collaborator with other many people...

と、2枚目のスライドにある名前がどうスピーチに関係するのかを説明しています。さらに、

Taking this opportunity to pick up very few of cool ideas that I think.... particularly interesting and influenced my own career, I wanna talk about some influences.

と話を進めたあとで、5枚目のスライドで具体的な内容に移っています。このスライドのタイトルを

First one, I want to talk you, this idea is "CONS should not evaluate its argument."

というように紹介しているのですが、とてもリズミカルで、一度聞いただけではタイトルを読んでいるとわからないくらいではないでしょうか。

最後に、コミカルなビデオをひとつ紹介しましょう。英文にpunctuationは付き物ですが、聞いているだけではわかりにくいものです。これをはっきり表現してくれているのが"Phonetic Punctuation with Victor Borge"です。commaばかりではなく、periodもquestion markなども表現されていますから、文章がどこで切れているのかもよくわかりますね。お楽しみください。

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