【コラム】
こんにちは、最近またケータイを買ったイチイです。あれ? と思った人も多いはず。この連載第2回あたりで「最近ケータイを買った」と書いているからです。……あのー、もうなくしちゃいました。最初に言い訳しておくと、決して酔っ払って落としたわけではありません。電車で落としたので、座席のスキマにでもはさまっているんじゃないかと思うことにしました。合掌。
とりあえず、ケータイなしでは生活に支障が出るので、策を立てなければなりません。初めは「auあんしんサービス」を利用しようかと思いました。盗難や紛失時の機種変更が安くなる! というサービスで、初めて知ってヌカ喜びしていたのですが、値段を聞いてみると思ったより高めでガックシ。同じ機種に変更するのは何となくくやしい。どうしよう、どうしよう、ドウシヨ……ド、ドコモ!?
そんな不明なノリで、キャリアをドコモに替えてしまいました。機種はpremini-II。亡きauのtalbyに負けないスタイリッシュな機種です。そういえば、イチイ父と弟はドコモだったので、ちゃっかり家族割引も使えてお得になりました。むしろ、とっととドコモに入っとけばよかったよという感じです。
前置きが長くなりました、今回お話ししたいのは手相の話です。ドコモの電話が使えるようになるまでの小1時間、どうしようかと自由が丘の町をウロウロしていました。すると、本屋の前で「手相のキャンペーンやってまーす」とビラを配られたのです。本屋で手相? なんだそりゃ。占い好きのイチイとしてはちょっと興味もあり、1回1,000円ということもあって、当たらぬも八卦でやってみるかと中へ入りました。
中には5~6人の30~40代の女性が1列で座っており、それぞれ手相診断をしてもらっています。占い師は、ダウンジャケットを羽織った普通のママさんという感じの人でした。さっそく手の平を見せると、「すごくいい手相ですね!」と言います。「仕事もできるし、すごく頭がいいですね」と。悪い気がしません。思い切って「結婚はいつ頃ですかね」と聞いてみると、「24……いや、25歳かな」とのこと。オイオイ今23歳だってのに、かなりマキ入れないとダメじゃん。
なんだか不安になって、「あのー、この手のどのあたりが25歳なんですか?」とつい聞いてしまいました。ママさんは「このへん」と指で押してくれるのですが、どうも釈然としません。その後もママさんが何か言うたびに、手のどのへんを見ているのか視線を追跡してみたのですが、やはりママさんの言う理由はわからず。やたらとほめられてうれしかったけれど、なんだかもやもやっとしたものが残った手相占いなのでした。
そう、人間は何かにつけ理由・根拠、その説明がないと不安になるものなのです。飲み屋のレシート明細、携帯電話のお取扱マニュアル、個人情報の利用・開示目的の説明、あの人が急にキレイになったのはマイクロダイエットのおかげ! 等々……。「なんで」「なので」「だから」ばかりの世の中だなぁと思います。なぜこんなことを言い出すのかというと、「デビルマン」を読んだからです。
「デビルマン」……鬼才・永井豪氏の代表作であり、海外でも大ヒット、最近国内で実写映画化までされた作品です。
忘れてはならないのが、この傑作が実はたったの5巻からなっているということです。あまりにも重いから無理だってば! と思う内容を、力技で5巻にしている感じがします。その力技の1つに、ストーリー展開が早いというのもあると思います。1巻の初めではのほほんとした学園風景だったのが、巻末では血みどろ地獄という具合です。
しかし、イチイが考える「5巻の理由」は、説明が徹底的に省かれているためだと思います。たとえば、「あれ? こんなキャラいたっけ?」というキャラが前置きなしにぽこっと出てきて、そしらぬ顔でレギュラー化されていたりします。「※」で欄外にキャラ説明が書かれているコマもありました。省略しすぎだろう、とつっこんでしまいます。特に最終巻の最後の方では、それをさらっと言うかー、というようなかなり核心に迫る事実をあっさり「○○だから!!」とビックリマークつきのせりふ一言で流してしまっているところもありました。重要な戦闘シーンも、波がドッパーンと例のビックリマーク2個の解説だけで割愛されていたりして、読む側としても驚かされることが多いのです。
でも、これはこれでいいと思うのです。説明をしないという世界観。理由なんていらないから黙ってオレについて来い、という男らしさを感じます。説明を省くのは時間がないとか紙面が足りないなどの理由ではなく、もともと説明はないという世界だから構わないのです。それとも、人間は説明がないと不安になるという性質をわざと利用し、悪魔(デーモン族)が人間を脅かすという世界観と重ねているのか。だとしたら逆に読者は、緻密に計算された意図にすっかりハマッたということになりますね。
こう書きながらもイチイは、これって「なんで」「なので」「だから」と理由と説明だらけのコラムだよなー、と実感しています。うだうだ言わずにノーリーズンで読者を納得させられたらいいのに、と久々に物書きとしての刺激も受けた作品でした。
「デビルマン」
著者:永井豪
出版社:eBookJapan
価格:420円
データ形式:独自形式(専用ソフトウェア使用
購入サイト:eBookJapan
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