【コラム】
こんにちは。最近ケータイを買った、一井おんです。それは村上春樹風に言えば「記念碑的」な出来事。なんでかって、今まで「ハイブリッド携帯(決してPHSではない)」を使っていたのですから!
イチイがこれまで愛用していたのは、知る人ぞ知る京セラ「AH-K3001V」、略して「京ぽん」です。Operaブラウザを搭載しているというマニアックな機種。一部の熱狂的なファンが多いため、「京ぽんの本」まで出版されるというちょっとしたフィーバーを起こした端末です。肝心の機能はといえば、メールを打つにしても少々動作がもっさりしているんだけれども、32Kのネットサーフィンには堪えかねるものがあるんだけれども。結構愛用していました。
今回思い切って乗り換えた先は、auの「talby」という機種です。薄くて、ストレート型だったのが購入の決め手。今まで京ぽんだったせいか、普通の携帯電話の機能がとてつもなく便利に思えて、イチイチ感動しているところです。
しかし、今とっても困っていることがあります。それは、京ぽんからのtalbyへのデータ移行。auショップで移行してもらえるかと思って行ってみても、「京ぽんのコネクタが特殊なんで駄目なんですよ~」と断られてしまいます。うう、こんなところでも風雲児ぶりを発揮するか、京ぽん。それではどうやって200件の電話番号やメールアドレスをtalbyに移せばいいんだろう?
で、イチイが今採用している策は以下のとおり。
1. 京ぽんのアドレス帳を使って、bccでメールを一斉送信。talbyの電話番号とメールアドレスを教える。
2. talbyに返事が返ってきたメールだけtalbyアドレス帳に登録。
3. ヒマだったら、そのメール送信者の電話番号も、京ぽんを参照して登録。
以上! つまり、この方法だと、京ぽんからのメールを見て、talbyアドレス宛てにメールを送ってくれる、マメな(とイチイは感じる)人しかtalbyに登録されないことになります。合コンでメールアドレスを交換した程度の薄ーい関係の人は、淘汰されていくわけです。なんて合理的。
今のところ、talbyに登録されている件数は50件。4分の1の人はただの「携帯変えたよ」メールに「登録しました!」などと返信してくれていることになります。逆にイチイはそういうメールには「別に用事ないんでしょ~」と返信をサボってきていたので、人間関係維持にとってのメールのレスの大切さを学んだ、という一件でした。
というわけで、いらないデータまでサクッと移行できても、必ずしもよいと限らないのです。冷蔵庫の奥の賞味期限切れの古い漬け物みたいなものは、とっとと捨ててしまいたいものです。
さて、今回は、古い順にどんどん溜まっていくボスの話です。出てくるのは手塚治虫氏のマンガ「海のトリトン」(原題「青いトリトン」)。イルカを仲間とする海のトリトン族の末裔の男の子と宿敵ポセイドン族との戦いを描いた、海洋冒険ものの一大傑作です。強くて優しい海のヒーロー、後に奥さんとなる人魚のピピ子ちゃん、イルカ達、そして海の風景とともに「絵のキレイなマンガだなぁ」と読み進めていたのですが、ある時、そのイメージをぶち破る衝撃の絵がありました。
何、これ。トリトンの宿命の敵で諸悪の根源。不死身の身体を持ち、誰にも理解できない言葉を話すという化け物。RPGでいうとラストボスみたいな存在ですね。そのラストボスの名は「ポセイドン」。ギリシア神話にも出てくる海の神の名前です。仮にも神さま。それなのに。どうみても、「美女と野獣」の野獣が2頭身になった風にしか見えない! (それも、ディズニー映画のやつ)
「ポセイドン」で浮かぶのは、ギリシア神話の中でのイメージです。一応顔は人間で、いかついオッサンといった感じでしょう。せめてヒイラギぐらいは頭に載せていてほしい。しかしその顔はどうみても野獣2頭身。海というよりも、むしろ陸系でしょう。どことなく愛嬌のある顔ですし、2頭身なのでとってもコミカルです。しかも、誰にも理解できない言葉ということで、吹き出しからは毛虫マークみたいのしか書かれていません。こんなのが一大ロマンのラストボスでいいんだろうか、とイチイは思うのでした。
しかも、不死身の体を持つポセイドンには一種異様な設定がありました。それは、ポセイドンは代々、跡継ぎを見つけると「穴」に入るというのです。息子に後を任せて、「穴」の中で永遠に生き続けるという。お察しのとおり、「穴」の中には大量のポセイドンが溜まっているのです!
その数150体。プーリングしちゃっているボス……。溜まっているボス。そのあまりに新しい考えに衝撃を受けました。
この「穴」の中の古ポセイドン達の最期といえば、現ポセイドンもろとも、ミサイルと一緒に宇宙のかなたへぶっ放されるという派手なものでした。それには、主役のトリトン君の体も犠牲になってしまうのですが……。でも、この終わり方でよかったのだと思います。「穴」がたとえ絶対開かないように封印されたとしても、地球のどこかで古い野獣2頭身が溜まっているなんて気持ち悪いですもん。すべてのものを無理して溜めこむのは、不健全。代謝しなくっちゃ!
……以上のことをたとえ話として、イチイは、新しいケータイに、1度教えてもらった電話番号を登録していないのがバレたときの言い訳にしようと思っているのですが、いかがでしょうか。
「海のトリトン」
著者:手塚治虫
出版社:手塚プロダクション
価格:294円
データ形式:独自形式(専用コミックビューア使用)
購入サイト:Yahoo!コミック
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