いま、日本の小学校1、2年生は理科を習いません。理科は3年生からはじまります。では、いまの小学生はどんなことを勉強しているのか、ときどきご紹介しようと思います。今回は3年生から「明かりをつけよう」です。さあ、小学生のときの勉強、おぼえていますか~?(実は、私は自信がない)。

これをお読みの皆さまは、たぶん、理科が好きだった方が多いのではないでしょうか。理科というと、理科室の骨格筋肉標本とか、ビーカーとか、植物を育てるとか、ちょっとかっこいい実験セットとか、いろんな思い出があるでしょう。そんな楽しい理科、イマドキの小学生は何をやっているのか、ちょっとのぞいてみましょう。今回は小学3年生の「明かりをつけよう」です。

3年生では、乾電池で豆電球をつけます。懐中電灯がほとんどLEDになっても、豆電球健在ですねぇ!! で、乾電池と豆電球と導線をどうつなげば明かりがつくのか? 導線の代わりになるものは何か? なんてのを調べさせています。ちなみに「豆電球と乾電池をつなげば、明かりがつく」では、間違いですよー。ちゃんと、乾電池のプラスとマイナスの極に、それぞれ豆電球から出ている導線をつながなければいけません。

また、豆電球のフィラメント(これも小学3年生が勉強することばです)が切れていてもだめですし、ソケット(これも勉強する)がゆるんでいてもだめです。うん、明かりをつける道は、意外と遠い! ただ、あんまりにもダメダメがおおくて、つまんなくなっちゃわないか心配です。まずは成功するよう、先生がうまく導いてほしいですね。がんばれ先生! わざとつかないつなぎ方を探させるなんて指導もおもしろそう。宝探しみたいで。

では、ここで教科書クイズ。

小学校3年生の問題。次のうち、導線の代わりにして明かりがつくのは、どれでしょう?

  1. 鉄のスプーン
  2. ガラスのコップ
  3. ドライバーのまわすあたり
  4. アルミかんの胴
  5. セロハンテープの金物部分
  6. はさみの柄。

こたえは、明かりがつくのは1、3、5です。ただ、4のアルミかんの胴でも、紙やすりではがしてそこにつけると点くとあります。また「何をつかうと明かりがつくか、ためしてみよう」とありますが「きけんなので、コンセントにさしては、いけません」「かん電池とどう線だけをつなぐと、あつくなるので、ぜったいにつないではいけません」と安全教育もされています。

それにしても、この3年生の教科書には、大人でもちょっと抜けちゃっているようなことがいろいろ書かれています。

乾電池の両側はプラスとマイナスの「きょく(極)」ですよ。とか「豆電球のいちを上や下にしても明かりはつくのかな」といった問いかけ。「回路」ということばもここで登場します。さらに、電気を通すものだけでなく、電気を通さない物も(豆電球のガラスや導線のビニル被覆)もないと、うまく豆電球はつかないよ。なんてことも書かれています。実験のコツとして「豆電球は転がらないようにぬのの上にのせる」なんて親切情報もあります。

オフィスでパソコンがつかないと「コンセントささってますか―?」「おっと!しまった」と解決できることも多いわけですが… いやー、小学3年の理科、あなどりがたしですね。

ところで、小学校の教科書は、子供たちには無料で配布されています。一方で、だれでも購入することができます。ちなみに値段は、文部科学省のWebサイトに掲載されています。筆者の手元にある東京書籍の新しい理科3だと604円です。

なお、教科書の販売扱い店は限られています。コンビニなどではおいていません。大きな書店や地域で唯一の書店ではたいてい扱ってくれますけれども、わからなければ、全国教科書供給協会のWebサイトでチェックするとよいでしょう。

あと、実験しようと思ったら、豆電球にソケットにかん電池ボックスにかん電池、どう線がいりますよね。昔なら、学校の前の文房具屋さんとか町の電気屋、おもちゃ屋さんであつかっていたのですが、いまはだいぶお店の数が少なくなりました。

代わって、最近増えたホームセンターや東急ハンズがねらいどころです。通信販売だと理科教材屋さんを使うのがてっとりばやいでしょう。たとえば、学校教材の開発・卸をしているナリカが運営するサイボックスあたりがあげられます。数百円で小一時間はたのしめますよ。意外と飲み屋でうけたりします。

東京書籍の小学校3年生の理科の教科書の表紙(出所:東京書籍Webサイト)