【コラム】

クリエイター業界最前線

10 Webクリエイターのホントの年収を大公開!!

    栗谷幸助  [2010/08/25]

    デジタルハリウッド専任講師の栗谷幸助です。今回は「Web業界の雇用形態と平均収入」について紹介していきたいと思います。

    Web業界の雇用形態

    Webクリエイターを目指している皆さんは、「Webクリエイターのお仕事=Web制作会社」というように、進むべき道はひとつだと思っている方が意外に多いようですが、Web業界も15年の時を経て一般化し、今では企業内にWeb専門の部署が置かれることも珍しくない時代となりました。

    活躍出来る場としては、「ポータルサイト・Webサービス系の会社」や、「Web制作・広告代理店系の会社」、「企業内のWeb専門の部署」などを挙げることが出来るかと思います。前回のコラムではWeb業界の職種についてお話をしましたが、それぞれの特色に合わせて、求められる人も変わってきます。

    ポータルサイト・Webサービス系の会社は「サイト運営・管理・更新」といった業務が中心となりますので、「Webサイトを制作したい!」、「さまざまなサイトデザインに関わって行きたい!」という方には不向きかもしれません。「Webデザイナー」よりも「コーダー(マークアップエンジニア)」、「Webディレクター」が求められる傾向が強いといえるでしょう。

    Web制作・広告代理店系の会社は「Webサイト制作」自体が業務の中心になるので、「Webディレクター」や「コーダー」はもちろん、商用サイトに耐えうるインタフェースデザインやFlashサイトのデザインなどが行える「Webデザイナー」が求められる傾向にあると思います。

    企業内のWeb専門の部署では「自社サイトの運営・管理・更新」が業務の中心です。大手企業のWebサイトを見ると、さまざまな商品やサービスを紹介するWebページを展開していますから、さぞやデザイン業務での活躍の場があるように感じられるかもしれませんが、大手企業の多くはWebサイトの制作をWeb制作・広告代理店系の会社に外注しています。そのため、「Webデザイナー」や「Webディレクター」の出番は多くなく、「Webプロデューサー」が求められるところかと思います。

    ただ、一方で中小企業に関しては、部署内でデザイン制作も含めた業務を行っているケースも増えてきているので、「Webデザイナー」、「コーダー」、「Webディレクター」の活動の場も増加傾向にあります。

    就転職の厳しい状況下にある現在ですが、そんな中でもWebクリエイティブに関する求人は割合としては多いと言えるでしょう。とは言え、希望をする人が多いのも事実で、まったくの初心者にとっては狭き門であることは確かです。大抵は、デジタルハリウッドのような専門スクールや大学で基礎を一通り学ぶことも必要になるでしょう。

    ただ、スキルがものをいう仕事であるがゆえに、経験者になって実力がついてくると専門性と実績が積めるのもWebの仕事の特徴です。そういった意味では、契約社員や派遣社員といった形態で経験を積んでいき、正社員を目指していくことも出来やすいと言えるでしょう。

    実は、契約社員・派遣社員・正社員を問わず、Web業界は転職の多い業界です。自身のステップアップを考えていく時に、前述したように目指す活動の場(職種)を求めることが、その理由であると思います。また、その過程でスキルを以って、SOHO・フリーランスといった形態での活動も視野に入れていけるでしょう。

    理想と現実の狭間で

    収入面については職種に応じて違いが出てきます。Webデザイナーについては20代の平均月給が24万円前後(年収にすると365万円程度)。Webデザイナー全体の平均年収は380万円程度と言われています。他の業種に比べ極端に低いわけではありませんが、20代の平均と全体の平均の差が緩やかであることからも、収入面での大きなステップアップは考えづらいかもしれません。

    一方、Webディレクター・Webプロデューサーについては20代の平均月給が27万円前後(年収にすると410万円程度)。全体の平均年収は480万円程度と言われています。WebデザイナーとWebディレクター・Webプロデューサーの30代後半の平均年収を比較すると、100万円以上の差が出てくることを考えると、収入面でのステップアップを考える場合には、WebデザイナーからWebディレクター・Webプロデューサーへのステップアップは大きなテーマになるかもしれません。

    デザイン制作などのいわゆる「クリエイティブ」を志向する人にとっては、管理業務が主となるWebディレクター、Webプロデューサーへのステップアップは悩ましいところであるかもしれません。以前のコラムで小倉イサク先生も書かれていましたが、「夢や希望を持って仕事をするという理想」と「働いて食べていくという現実」については、大いに考えていくべきところでしょう。

    次回は、Web制作の中で現在使われている技術やこれから使われていく技術について紹介していきます。

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