『ハケンの品格』に学ぶ。とにかく頑張って働け!

当たり前ですが、仕事は大事です。ドラマに登場する新人派遣社員役の加藤あいも「働くとは生きる事だ」と語ります。そうは言っても、仕事のトラブルや人間関係の悩みはつきません。今日も仕事が上手くいかない。上手に人間関係が築けない。スキルアップが出来ない。成果が出せない。大人なのに社内でイジメられちゃう。とにかく難題が山積みです。そんな仕事の現状に悩む社会人の皆さんにぜひ観て欲しいのが、今回紹介する『ハケンの品格』です。

派遣社員を取巻く現実も、少しだけ学べます

最近、新しい雇用形態として主流になってきている派遣社員。その数はなんと300万人にも達する勢いで、都市部の企業では、働く人の10人に1人は派遣社員であると言われています。もう企業は派遣社員の力なしでは成り立たないのです。という最近の雇用を取巻く社会情勢は、オープニングのナレーションで終了。本編は大企業における派遣社員の仕事ぶりをコミカルに描いた楽しい作品でした。

正社員やアルバイトとは異なる立場で、しっかりとしたポリシーを持ち仕事をこなすのが、篠原涼子演じる特Aランクの派遣社員・春子。彼女の姿勢には笑いつつも学ぶ事が多く、深く考えさせられました。ボーナスや交通費がなくても、時給3,000円分の務めを果たし、わずらわしい人間関係などにとらわれず、定時にちゃんと帰る春子の姿はとにかくクール。それに対して、ドラマなのでまあ仕方ないのですが、露骨に派遣社員を見下した言動をとる正社員たちの醜い姿に、かなりげんなりします。「派遣のくせに!」、「こんな事もできない派遣なんて!」、「派遣のくせに正社員に逆らうのか!」とかあり得ないような厳しい言葉が飛び交います。現実に派遣社員として働いている知人によると、どれも実際に職場で聴いたことのある言葉だそうです。悲しいです。少し落ち込みましたが、しっかりプロの派遣として働く春子の姿に感化され、「よし、僕も頑張ろう!」と強く決意したのですが、残念ながら金曜日の夜だったので、とりあえずそのままDVDを見まくる事にしました。

アンカーウーマンも恋するわけですよ

懸命に働く人は国籍を問わず魅力的。そこで、海外にも目を向けて、映画『X-MEN』シリーズでおなじみの、レベッカ・ローミン主演のTVドラマ『恋するアンカーウーマン』を観ました。あの全身鱗のような皮膚に覆われた彼女は、こんな素敵な女性だったのですね。アンカーウーマンを目指すペッパー。彼女はテレビのニュース番組でマイク片手に突撃取材レポートをするのが仕事。恋に仕事に全力で取り組む主人公ペッパー・デニスの姿はとってもキュートですが、ちょっと尻軽過ぎて今後の展開が心配です。恋も大事ですが、テレビ出てる有名な女性が、バーで知り合った人とすぐに一夜を共にしちゃだめですよ! こんなにも行動力のある彼女なので、毎回難しい取材もこなし、大スクープも体当たりで手に入れていきます。業界モノとしても、かなり楽しめました。

浮気されたら即ネットで相談

仕事について深く考察した後は、タイトルだけでもかなり衝撃的な作品です。『今週、妻が浮気します』を観ました。インターネットの人気掲示板や一般人ブログの書籍化、その後のドラマ化という流れには正直もう食傷気味ですが、まだまだ続くみたいです。妻の浮気を知り、悩み相談の掲示板で見知らぬ人々にアドバイスを求める夫。やはり体裁は『電車男』チックではありますが、テーマが浮気なので、ライトな作りでも、あまり笑えません。それにしても、「誰にも相談できない悩み」なんて、もう現代社会にはないのかもしれません。僕も、あらゆる悩みを相談して楽になっていきたいです。

ずっと変わらない3姉妹の世界

人様の浮気で気持ちが荒みました。ほのぼのとした暖かい心を取り戻したくて『やっぱり猫が好き2007』を鑑賞。20年以上も断続的に続く人気シリーズです。今回は設定が江戸時代になっていますが、内容はいつもと同じなので安心です。恩田3姉妹の姿に、どうしても20年の時の流れを感じてしまいますが、3姉妹の醸し出す空気はあくまでも不変です。このドラマ御馴染みの、部屋に座っている猫を見るだけでホッとします。なんか、あと30年ぐらいたっても、普通に続いていそうな感じが素敵です。

古き良き怪奇SFの世界を堪能

たまには海外SF物も見てみましょう。日本ではマイナーですが、全米では大ヒットして第7シーズンまで製作された人気TVドラマが登場。「これはあなたのテレビの故障ではありません」という冒頭の不思議な言葉に導かれ怪奇とSFの世界へ。怪物、宇宙人、ロボット、様々な超常現象などを扱った1話完結の物語が楽しめます。

TVドラマと言ってもVFXのレベルは高いし、毎回登場する俳優たちも映画でお馴染みの顔ぶれが揃っていて、なかなか豪華。テイストは最近のホラーやSFとは違う、良い意味で、大人も子供も楽しめる古き良き怪奇SFという感じ。本作は1960年代の同名テレビシリーズの現代版で、オリジナルは日本の『ウルトラQ』などの起源になったとも言われています。今後、地上波で放送される可能性は、かなり低いと思われるので、このDVD化は嬉しいです。

国領雄二郎(コミュニティ・アド)

プロフィール
文筆業・編集者。雑誌、単行本、小説、絵本原作、広告コピーなど、様々な媒体でお仕事しています。田舎でのんびり暮らしたいです。