連載コラム『年収350万円で200万円貯めた! 元会社員の節約術』は、若くしてお金を貯めるにはどうすればよいかについて、執筆者の美月小夜(みづきさよ)氏が自身の実体験に基づき、"究極の節約術"を伝授します。


売る側は、1円でも高く売りたい。買う側は1円でも安く買いたい。これはごく当たり前の行動であり、心理です。これは、食品、衣類、日用品、車、株式など、価格が変動するものに対して考えることでしょう。それは住宅でも例外ではなく、私自身今後の税金やかかる経費などを考えて、売却しようと決断し、不動産業者を通して売却の手続きを進めてもらうことにしました。

業者が仲介すると、手数料がかかりますが、広告やインターネットで物件情報を掲載してくれたり、内覧希望者がいれば、案内してくれるので、楽と言えば楽です。しかし、その手数料は安いものではなく、例えば3000万円の物件なら、(3000万円×3%)+6万円に消費税(8%)を加えると、1,036,800円(上限)ですので、このコストが安いと考えるか高いと考えるかはその人次第だと思います。私の知人は、このコストが高いと考えて個人で売買していましたが…。

そして、手数料は(上限)としていますが、手数料(報酬)を低く設定している業者もあるので、比べてみても良いかも知れません。この手数料は、成功報酬に近いものがあるので、契約が成立しなければ、支払う必要はありません。また、物件情報をチラシ広告に掲載したり、インターネットに登録する費用なども売り主負担ではなく、不動産業者負担です。仮に私(売り主)が、テレビCMで売り出広告をして欲しい、新聞の1面に広告を打って欲しいといった場合のコストは、売り主が負担することになります(やらないと思いますが…)。

ここで悩んだのが、売り出し価格です。この部分はフリーマーケットの値段付けに似ているなと思ったのですが、値段交渉をある程度見据えた高めの値段に設定しておいて、買い手側が、値引き交渉で、許容範囲内の値段であれば売買成立となり、結果お互いがお得な売買ができたと考えることができます。

しかし、売れ残ってしまった場合はどうでしょう。早く売りたいのであれば、価格を更に低く設定して売り切るか、それとも次回の機会に持ち越すか。フリーマーケットでは、そんなこともあるでしょうが、不動産の場合、よほど訳があって早く物件を売りたい、売らなければいけない理由がなければ、大幅な値引きはしないでしょう。そこで私は、幅を持たせるために少し高めに値段を設定しました。

ところが、購入希望者の出してくる購入希望価格は私が考える売りたい価格の許容範囲外のものばかりでした。この値段はある程度売り手と買い手が競り合って着地点を見いだすのですが、なかなかお互いの利益が一致しませんでした。

そうこうしているうちに月日ばかり経ってしまい、その間の経費がもったいなく感じることになり、それならばと賃貸物件としても出すことにして、どちらか先に決まった方にすることにしました。賃貸物件として募集する際、借り主に対してある条件を入れたため、相場よりも若干安く設定して物件の登録をしたところ、2週間もしないうちに借り手が決まりました。

あっけない幕引き? となりましたが、心の奥底では思い入れのある物件だからこそ、売る気持ちはあまりなく、賃貸物件にしても最終的には自分の元に還ることを望んでいたのかも知れません。ということで、私は大家さんとなってしまいました。そこで決めたことは、振り込まれた賃料は、マンションを維持する経費以外には使わないということです。その理由は、これからさまざまな設備が経年劣化して交換していくことになるので、そのお金として、そしていつか入居者が退去した際、再び私が住むことになった場合に大型リフォームをするための資金にするためです。

(※画像は本文とは関係ありません)