連載コラム『年収350万円で200万円貯めた! 元会社員の節約術』は、若くしてお金を貯めるにはどうすればよいかについて、執筆者の美月小夜(みづきさよ)氏が自身の実体験に基づき、"究極の節約術"を伝授します。


海外旅行へ行くことが決まり、久しぶりの楽しみに何だか生活にもハリがでてきました。「やっぱり大なり小なりお金を貯める目標ができると、節約に力が入るものなんだ」と改めて思いました。旅行まではあと半年くらいあり、友人の会社の夏休みを利用して行くことにしました。このような時はフリーで働くスタイルは都合を合わせやすくて便利です。その期間は前もってお休みにしておいて、その前後に仕事を入れて調整すれば良いのですから。

旅行費用の予算はお土産代も含めて10万円。旅行先は東南アジアの物価が安いエリアに絞ることにしました。旅費は15万円の生活費の予算から少しずつ削って、毎月2万円ずつ貯めて捻出することに。更に旅行まではなるべく仕事をするようにしました。

なぜなら忙しく仕事をしていれば、買い物へ出かける回数自体が減るので、ムダ遣いも減るという単純な理由からです。幸いなことに、マンションは駅からは近いのですが、その駅自体が複数路線が乗り入れしているような大きな駅ではなく、1路線しかない小さな駅でしたので、駅のすぐそばに大きなデパートはなく、あるのは昔ながらのスーパーで、1階が食品売り場、2階が衣類や日用品が売られているような店です。

もともとは買い物好きの私にとって、駅に大きなデパートといった商業施設が入っていると、確実にムダ遣いが増えてしまいます。なるべくそういった施設がなく、小さな商店街に安い八百屋さんがあれば、節約生活の80%は成功できると考えています。もっとも、駅近くに大型の商業施設がある駅は便利で人気もあるので、物件価格自体も高くなり、資金に余裕のない私には手が出せませんでしたが…。

話を旅行へ戻すと、旅費にはあまりお金をかけられないため、繁忙期を避けてできるだけ安いツアーを選ぶことにしました。結局ツアー代金自体は5万円くらいでしたが、安いツアーを選び過ぎたため、直行便ではなく別の都市で乗り継ぎをすることに。待ち時間が5時間と長めでした。それでも目的地とは別の都市の空港でちょっとしたお土産も買えたので、ちょっと得した気分になったのは、ごくたまにしか旅行へ行けないからでしょう。実際、今でも直行便ではなく、別の都市を経由するルートが好きです。免税店でのお買い物も楽しみですが、ちょっとした休憩にもなりますから。

旅行の予算が10万円とは言え、旅行代金や滞在費、お土産代とは別に、パスポートやビザ、スーツケースなどのお金がかかってしまいますが、かかったのはビザの申請費用だけでした。今はビザが必要な国はそんなに多くありませんが、少し前まではビザの申請や、帰国前に航空会社に電話をして飛行機の搭乗確認をするリコンファームが必要でした。現在ではその必要がほとんどなく、気軽に海外旅行へ行ける時代になったと思います。

そして、やや疲れながらも飛行機を降りた私たち、暑さと湿気と独特な香りに異国を感じ、それはまるで、他人の家にあがる時のような空気の違いを感じる瞬間でした。