今回から始める連載コラム『年収350万円で200万円貯めた! 元会社員の節約術』は、若くしてお金をお貯めるにはどうすればよいかについて、執筆者の美月小夜(みづきさよ)氏が自身の実体験に基づき、"究極の節約術"を伝授します。


美月小夜と申します。私は、専門学校を卒業してから、就職した会社を半年足らずで辞め、その後は一人暮らしをしながらアルバイトをして生活をしていました。その当時の給与は手取りで17万円前後。アパートの家賃は5万円。残ったお金と、給料日を数えながら過ごしていました。贅沢に使えるお金は全くありませんでしたが、一人暮らしで自分で決めて、行動できる。そんなちょっと大人になった気分が楽しくもあり、またこれから私はどうなっていくのかという漠然とした不安をも抱いていました。

お金はあれば良いに決まっている。だけど、お金なんて貯まらないと思っていました。こんなに給料は少ないし、一人暮らしをしていて家賃や生活費など諸々かかる。友達とも遊びたい、人並みにおしゃれもしたい。でも肝心なお金はない。気づけば、無料の通販カタログのページの端を折りながら、これが欲しい、あれが欲しい…とほとんど何もない殺風景な部屋で眺めていました。

当時の思考回路は「貯蓄は生活費が余ったらする」

生活の基本スタイルは、朝8時30分に起床、9時過ぎに家を出て電車に乗って10時にはアルバイト先である料理店に行き、ランチタイムの準備をして、ランチの忙しい時間が終わると、2時間程度の休憩をもらい、23時頃まで働く。シフト制なので、17時までで終わる日もあり、そんな時は帰り道でスーパーや雑貨屋などあちこち寄って帰宅する生活で、帰宅が遅い時は、コンビニでジュースとお菓子か菓子パン、女性誌を買って、帰宅をしたらひとまずテレビを付けて、適当なところでお風呂に入って、眠くなったら適当に寝る。そんな生活をしばらく続けていました。

そもそも料理店でアルバイトをしようと思ったのは、まかないがつくからという単純な理由からでした。食事が付いていれば、食費が多少なりとも浮いて生活が楽になるからと言う単純な発想からです。

浮いた食費を貯蓄に回すのかと言えばそうではなく、欲しいものを買ったり、友達と遊んだりできるお金が捻出できるからと思っていたからです。実際は、給料が入ったら、まずはATMで5万円下ろして、公共料金の支払いなどを済ませて、飲み会に行って気づいたらお財布の中に5,000円札が1枚になり、慌てて2万円引き出して、気づいたらまたお金が無くなって、口座の残高も1万円を切ってしまっていたので、とりあえず5,000円だけ引き出す。時間外だろうが、他行だろうが手数料もお構いなし。

「貯蓄? できるわけないよね? 実家暮らしなら簡単にお金も貯められるけど、だって私、一人暮らしだし、お給料安いもん。赤字を出してお金を借りたり、親に泣きついたりしているわけじゃない、誰に迷惑を掛けているわけじゃないからいいじゃない」

貯蓄は生活費が余ったらする。でも実際は余らない。だから貯蓄ができないと考えていました。その時の私の思考回路は、贅沢をするからお金が貯まらないと考えていたので、ブランドバッグを買ったり、素敵なレストランで食事をしたわけでもないのに、お金が残らないのは、最低限の生活をするにあたってギリギリの収入であると結論付けていたからでした。

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