手のひらサイズのクリエイションツール(6) 自分の字で直接メモすることが可能な文具アプリ「FastFinga」

パっと、その場で閃いたアイディアを書き留めるならメモ帳にペンで手書きが一番。そう思っているクリエイターも多いのではないだろうか。そこで、今回はそんな考えを改めさせるほど、手軽にiPhone/iPod touchを用いてアイディアをメモできる文具アプリ「FastFinga」を紹介する。

本アプリは、自分で書いた文字をそのまま素早く入力できるだけでなく、その後の編集やメール添付などを、通常のテキストデータに劣らないハンドリングで実現した手書きメモアプリ。最大の特徴は、その入力の早さと快適さ。画面全体を使った独特な手書き文字の入力方法は、通常細かい記号などの入力を不得意とするiPhone/iPod touchでの手書き入力においても、かなり詳細な文字の入力まで行うことができる。


指先で文字を入力するため、画面上に大きなスペースが確保されている。線色・太さの選択、画面のスクロール(<->アイコン)、絵文字の入力も可能だ。なお、文字入力は、指定時間後に自動確定することもできる

操作は簡単で、「＋」アイコンをタップして新たなノートを追加し、画面右下の「鉛筆」ボタンをタップすることで、文字入力が可能になる。あとは、画面いっぱいに文字を書いていくだけだ。本アプリは、英語などの単語単位で入力を確定(Doneボタン)していく言語を想定して作られているが、日本語でも文節単位などのキリの良い場所で確定していくことで、流れるように文字を入力することができる。また、確定した文字列ごとに消去やコピー&ペーストなども行え、確定前の文字入力中は、一筆ごとのアンドゥ/リドゥにも対応する。手書き文字は、テキストでなくイメージとして捉えられるため、その自由度は非常に高くなっている。


独特な操作感に慣れれば、キーボードに劣らない軽快さで文字を入力できる。細かい文字も、ストレスフリーで書くことができ、あくまで画像としてだが、入力した文字のコピー/ペーストなどにも対応する

入力したFastFingaのページは、画面上部のメールアイコンをタップするとメール送信(PNGまたはJPEG画像として添付)できる。また、写真アイコンをタップすると、作成したページを「ライブラリに書き出し」、「クリップボードにコピー」、「ライブラリ写真を挿入」、「カメラから写真を挿入」なども行えるため、各種アプリとの連携やコンピュータへの転送、一般的な携帯電話へのメールなどにも活用可能だ。


FastFingaで制作したページは、メール(画像添付)やアルバムライブラリへ書き出せる。さらに、アルバムライブラリやカメラ画像のページへの取り込みなどもサポートしている

本アプリの設定画面(歯車アイコン)は、「入力の確定方法」をはじめ、「点の形状」、「ガイドラインの有無」、「文章の方向」、「単語間隔」、「添付書類形式」、「親指ボタンの場所や機能」など、多岐にわたる詳細なセッティングをサポートする。また、設定画面の3ページ目以降には、各種アイコンやボタンの機能、使い方を解説したヘルプメニューも用意されている。


様々な設定項目が用意されており、自分好みに調整することが可能となっている。また、十分なメニューを備えているため、マニュアルも不要だ

このように、手書きによる快適な文字入力を行える本アプリは、素早くアイディアをメモできるだけでなく、作詞などのインスピレーションが重要な作業においても大きな威力を発揮してくれるだろう。さらに、最新バージョンは絵文字の入力にも対応し、より作成できる文章のバリエーションも広がった。絶妙な書き心地と操作感をもつアプリ、FastFingaをぜひ一度体験してみてはいかがだろうか。


メール添付した際には、PNGまたはJPEGファイルとして画像が添付される。気持ちのこもった手紙のようなメールを作成するのも面白いだろう