【コラム】

山田祥平のニュース羅針盤

57 【番外編】今年買わなかったもの

 

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年末になるとあちこちで、ボーナスシーズンのベストバイやら今年買ったモノの特集が組まれているのを目にする。それをここでそのままやるというのもつまらないので、今年(2015年)は「あえて買わなかったもの」というテーマで話をしよう。

満2年を迎える愛用スマホ

こういう商売をしているので、各分野、典型的な製品についてはとりあえず所有することにしている。スマートフォンでいえば、iPhoneとAndroidスマホについてはそれなりの知識を持っていないと話にならない。

iPhoneについては選択の余地がないが、Androidスマホはよりどりみどりだ。ただ、世界シェアという点ではなんといってもサムスンなので、Androidについてはずっとサムスンの製品を使ってきた。その一方で、ファーウェイの伸びも著しく、ここもきちんとチェックしておく必要がある。もちろん、Windows 10 Mobileにも注目しなければならない。

今、日常的に愛用している端末はドコモのGalaxy Note 3。ご存じの通り2年を経過した製品だ。予約して購入したので2013年秋の発売日に入手している。2015年秋のタイミングで2年目を迎えるにあたり、代替端末をいろいろ考えたが、とうとう決めることができなかった。

今年あえて買わなかったもの、それは「Galaxy Note 3」に代わる新しいスマートフォンだ

ずっとNoteシリーズのファンで、初代、Note 2、Note 3を続けて使ってきたので、順当にいくと、Note 5が欲しかったのだが、日本の市場ではこの世代のNoteが出なかった。ちなみに昨年(2014年)、Note 4世代をスキップしたのも、Note Edgeしか出なかったからという言い訳をしておきたい。たぶん、同じような理由で Note 3を使い続けているユーザーは、それなりにいるんじゃないだろうか。

このNote 3、10月頭にはAndroid 5.xことLollipopへのバージョンアップも実現されたし、2年が経過したとはいえ特に大きな不満がない。どうしても次世代AndroidのMarshmallowについて調べたければ、手元にある、これまた次世代をスキップしてしまったNexus 5をリファレンスにすればいい。こちらはGoogleのリードデバイスだから、とっくの昔にMarshmallowにアップデートされている。

ついに本体エラーが出はじめたが……

実は、つい先日、出先で、Note 3に本体エラーが出るようになり、ついカッとなって初期化した。データは全部クラウドにあるので失ったものはLINEのトーク履歴だけだ。結局買い換えかとも思ったのだが、初期化したら正常に戻り、以前にもまして快適そのものになったので、OSバージョンアップのあとは面倒でも初期化した方がいいと再認識したところだ。

外観については、ケースさえつけずにハダカで2年間使ってきたが特に問題はない。ガラス面にも目立った傷は皆無だ。心配があるとすればバッテリだ。たいていの端末はバッテリ内蔵でエンドユーザーが取り替えることができない。バッテリ劣化が機種変更の動機になるケースもありそうだ。

だが、Note 3は交換バッテリがオプションで用意されている。ぼくは、2つのバッテリをとっかえひっかえ使ってきたので、バッテリの劣化もあまり感じない。オプション供給が終わる前にもうひとつ確保しておくかどうかを思案中である。

この端末は2年前のハイエンドだ。プロセッサはクワッドコアのQualcomm Snapdragon 800 2.3GHz、メモリも3GBを積んでいる。現在のミッドレンジの端末と比べ、ハードウェアスペック的にはそれほど遜色がない。もちろんより高速なCA対応といったことは望めないが、実感としてはあと1年くらいは使ってみるのも悪くない。どこまでいけるか試してみようという決断をしたわけだ。

スマホに限らず、パソコンなどでもハイエンド製品を選ぶことは多い。もちろん最新の技術を体験したいというのもあるが、結果として長期にわたって実用的に使えるのでお得な面もあるのだ。もし、ミッドレンジの端末だったら、2年目の使用感は格段に落ちるにちがいない。

誰がどうトクをするか?

さて、この端末、2年前の購入以来、24カ月にわたってドコモの月々サポートとして1,780円/月が戻ってきていた。普通は、それが分割支払い金と相殺されるといったことで、端末の「実質料金」が決まるわけだ。ぼくの場合は、一括支払いで購入しているので、単純に月々サポート適用額は通信費からの減額となっていた。

この「実質料金」というシステムが、端末代とサービス代の区分けをややこしくして価格を不透明にしているといった論調もあるが、普通に利用内訳をチェックすれば、何にいくらかかっているのかは一目瞭然なので、そんなに大騒ぎするほどのことなのかとも思う。

どっちにしても、24カ月経過で、この月々サポート適用がなくなり、ぼくの場合は、しっかりと支払い額が増えてしまう。ドコモに貸していたカネが完済されたということなので当たり前のことなのだが、普通ならこれで機種変更のモチベーションが上がることになるのだろう。

ぼくもまた例外ではなく、従来はSIMフリーのものを買っていたiPhoneをドコモで機種変購入した。その結果、月々サポートは1,998円に増額されたが、ケータイ補償サービス料金が値上がりしたのでほぼ同額だ。もちろん、Note 3はそのまま使い続けている。おサイフケータイなしでの生活は考えられないので、こうするしかない。

来年は、総務省の意向もあり、携帯電話料金については、少し状況が変わることになるかもしれない。その一方で、結局何も変わらないのではないかという論調もある。個人的には、MNPで2年ごとにキャリアを往来するのがいちばんトクというのはどうにかならないものかなとは思う。もちろん、そのことで競争が激化し、サービス向上につながるのは確かなのだが、20年以上同じキャリアに留まっている身としては複雑な気分ではある。そういう意味では、キャリアが端末を売る時代というのは、そろそろ終わってもいいのかもしれない。

(山田祥平 http://twitter.com/syohei/ @syohei)

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インデックス

連載目次
第80回 ハイレゾ楽曲の落とし穴
第79回 ようやく生まれたデジタル授業の可能性
第78回 MateBookが2017年に刷新、入力方式も新しくなる?
第77回 夢のような「大容量プラン」、キャリアの思惑を考える
第76回 2ファクタ認証は安全、だけど難解
第75回 IFAで感じたスマホの新フェイズ
第74回 BYODを安心して使える時代
第73回 ベンダが狙う「通話もできる小さなPC」
第72回 もういくつ寝るとWindows 10 Anniversary Update
第71回 教育IoT、その普及へのハードル
第70回 UQをめぐるややこしい回線
第69回 Androidはそろそろ共同戦線を張っていい
第68回 「名刺の時代」は当分続く
第67回 「紙の印刷」とITの未来
第66回 本当は合理的な「Windows 10 無償アップグレード」
第65回 3割が経験する割れスマホ問題、もっと真剣に考えてもいい
第64回 実質0円の本当の問題は「わかりにくさ」
第63回 LINEのニュースとコミュニケーション
第62回 通信に大切なのは速さだけじゃない
第61回 進撃するもうひとつのレノボ
第60回 VAIO Phone Bizをめぐる「付加価値」
第59回 岐路に立つMVNOビジネス
第58回 8型では小さすぎる、13型では大きすぎる
第57回 【番外編】今年買わなかったもの
第56回 仕事と感情、「りんな」のAIの見せどころ
第55回 だからみんな一太郎を忘れない
第54回 コンピュータをもういちど「みんなのもの」にしてみよう
第53回 紙のインターネット始動 ~ ScanSnap Cloud誕生
第52回 会話で蓄積されたビッグデータが女子高生「りんな」を大人にする
第51回 モノを売る前に、知識を売る - ヤマダ電機新店舗「Concept LABI TOKYO」の戦略
第50回 携帯料金値下げ指示の懸念、安いのにも高いのにもそれなりの理由がある
第49回 パナソニックの電子マネー端末が100万台、市場倍増を見据え何が起こる?
第48回 Imagine Cup日本予選、栄誉を勝ち取ったのは…
第47回 YouTube Space、東映太秦と組んで何をねらう?
第46回 Googleがインターネットの正義の味方大募集中
第45回 ノートPCから映像出力端子が消える?
第44回 学校・地元・家族自慢、小学生がパワポでプレゼン
第43回 変わることを目指す日本HP、最重視するのは「モビリティ」
第42回 何年も本当に代わり映えしなかったパソコン、いま再び変化の芽生え
第41回 「Yahoo!検索大賞2014」発表、「急上昇」を初選出
第40回 「デバイスを守る」から、「ユーザーを守る」へ
第39回 感動する心を持ち、感動した理由を考え抜く - Googleのデザインコンテスト
第38回 いつでもどこでも誰でもOffice
第37回 日本マイクロソフトが"新しい働き方"に挑戦する意味
第36回 「WiMAX 2+」がキャリアアグリゲーション対応に、移行のメリット
第35回 新「YOGA」に見る、パソコンの存在感を取り戻そうとするレノボ
第34回 KDDIの異色のスタートアップ支援、参加チームが決定
第33回 増えすぎたWi-Fiデバイス、これからも"つながる"ために
第32回 Xperiaが目指すSony Now
第31回 Googleで渋谷の街を丸ごとサーチ
第30回 脱ガラパゴスで世界に挑戦する「AQUOS CRYSTAL」
第29回 そうだったのか総務省、彼らが仕事を急ぐ理由 ~ IIJmio meeting #4より
第28回 UQの新しいWiMAX2+モバイルルータ「HWD15」が発売に、WiMAX2+の向かう先
第27回 事業部直営のリアル店舗でサービスを模索するLet's note ステーション
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第25回 マイクロソフトが支援するモノ空間サービス
第24回 デコして満足、男子より花
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第22回 「リアサカLIVE」でサッカーW杯を楽しんでみる
第21回 Microsoftの「IoYT」、小さなものから大きなものまで身近なものからつないでいこう
第20回 COMPUTEX TAIPEI 2014会場で見つけた2つのビックリ
第19回 Centrino リターンズ - Core MとXMM-7260に感じる11年前のデジャブ
第18回 Intel " M" リターンズ - Core MはPentium M以来の革命を起こせるか
第17回 auとUQがもくろむもうひとつの"キャリア"アグリゲーション
第16回 ドコモのVoLTE、音はいいけどただの内線?
第15回 刷りホーダイ & 刷りあえるスマートチャージ
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第13回 Windows Phoneは、第三のモバイルOSになれるのか
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第10回 Office for iPadが担うMicrosoftのデバイス&サービスカンパニー戦略
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第8回 親のスマホを子どもが独占、本当にそれでいいの?
第7回 プラチナバンドの時代は遠く
第6回 スマホとプリンタに婚活を促す出会い系アライアンス
第5回 プロが土足で踏み込むアマチュアの聖域
第4回 定番の呪縛をサムスンはどうUnpackするのか
第3回 VAIOを捨てたソニーの覚悟
第2回 Windowsのために一歩進んで二歩戻るMicrosoft
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