【コラム】

PCコレクション

7 グラフィックを強化した15.4型ワイド液晶ノート「dynabook Satellite TXW/69CW」

 
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東芝「dynabook Satellite TXW/69CW」

東芝「dynabook Satellite TXW/69CW」

右側面。前方からUSB2.0×4、DVDスーパーマルチドライブ、電源コネクタ、セキュリティロック

左側面。前方からExpressCard/54/34スロット、IEEE1394(4ピン)、USB2.0×2、LAN、Sビデオ、D-Sub15ピン

前方。左から無線LANスイッチ、SD/MS/xDカードリーダー、マイク入力、ヘッドホン出力、ボリュームダイヤル

背面にはインタフェースをなにも備えない

スタンダードに近いグラフィック強化ノート

東芝の「dynabook Satellite TXW/69CW」は、同社の15.4型ワイド液晶搭載ノートであるSatellite TXWのグラフィック強化モデルに当たり、7月5日に受注が開始された。グラフィックを強化してゲーム用途を意識しているという点では、前回紹介した「dynabook Satellite WXW」(以下Satellite WXW)に近い印象もあり、今回はこの比較を中心に本製品を見ていくことにしたい。

ただ、Satellite WXWに近い印象はあるものの、本製品はそれほど究極を目指した作りにはなっていない。違いも非常に多く、主な点だけを挙げてみても、

  • 液晶サイズと解像度
  • キーボードのテンキー省略
  • 天板カラーの変更
  • スピーカーが2ch
  • インタフェースの一部省略
  • Webカメラなし
  • モデムなし
  • 指紋認証機能なし

などがある。

そもそも液晶サイズが17.1型と15.4型という違いがあるので、本体サイズがより小さい。そのため、キーボードのテンキーの省略やインタフェースの一部省略にも結びついているのである。本体サイズはこのクラスの製品としては標準的で、ややスリムな印象を受けるデザインになっており好感が持てる。

また、天板の色が大きく異なっており、Satellite WXWでは赤を基調とした派手なものであったが、こちらは黒をベースとしたシンプルなものになっている。しかも、単なる黒ではなく青いラメがまぶしてあり、光の当たり具合によっては青味がかってみえるようになっている。

ちなみに液晶パネルは、1280×800ドットの解像度を持つSuper Clear View液晶を採用。発色は非常はよく、光沢液晶ながら映り込みも妥協できるレベルに落ち着いている。輝度は8段階で切り替えられるが最大輝度の状態でも極端に明るくないはならない。もう少し高い輝度の設定があっても良かったかも知れないが、屋内利用が中心となる本製品では、この点は好みの問題といえるだろう。

スピーカーは2chながら、herman/kardonブランドのもの。中高音域を中心にはっきりした音を出すのが印象的なスピーカーで、とくにAV用途などを売りにしていない製品が搭載するスピーカーとしては十分すぎる音を出してくれている。

インタフェースに関して注意したいのは、LANが100BASE-TXまでの対応になる点ぐらいだろう。Satellite WXWと比較してしまうと省略されているインタフェースも多いが、例えば、HDMI端子は明らかにハイエンドユースのものだし、指紋認証は屋内利用が中心となるであろう本製品には絶対に必要なものともいえない。唯一、Webカメラは搭載しているとコンシューマユースでは喜ばれたようにも思うのだが、スタンダードな位置付けに置かれる本製品の性格を考慮すれば、とくに不足のない妥当なインタフェースを装備しているように感じられる。

キーボードはテンキーレスの87キー。Satellite WXWに比べてキーボード自体の作りはしっかりしており打ち心地は非常によい

やや見づらいものの、黒に青いラメがまぶしてある天板のデザインを採用している

スペックの違いはグラフィック機能にあり

さて、続いては本製品のスペックであるが、システムの根幹をなすスペックは、Satellite WXWに非常に近いものとなっている。CPUはインテルのCore 2 Duo T7300、メモリはDDR2-667を1GB(PATW69CLN10W)または2GB(PATW69CLN30W)、120GB HDD、DVDスーパーマルチドライブといったパーツは共通しているのである。

大きな違いはGPUである。Satellite WXWはNVIDIAのGeForce 8700M GTを搭載していたが、本製品はAMDが5月に発表した「ATI Mobility Radeon HD 2600」が搭載されている。ATI Mobility Radeon HD 2600の上に同XTがラインナップされており、NVIDIAにおけるモバイル向けGPUの最上位となるGeForce 8700M GTに対して、セグメントとしては一つ下に位置付けられるGPUということになる。

Windows Vistaのエクスペリエンスインデックスを見ても、全項目で4点台後半となっており、目立ったウィークポイントのないバランスの良さは魅力的だ。ただし、Satellite WXWに比べて劣る部分は多い。

まず根本的なところで、グラフィック性能は、GeForce 8700M GTに対して若干劣っていることは間違いないようだ。SM3.0/HDRテストこそスコアの落ち込みは小さいが、SM2.0テストではSatellite WXWの半分程度のスコアとなっている、これはコンサバティブなアプリケーション/ゲームほどパフォーマンスの差が大きい可能性があり、最新ゲームを楽しむ用途とはちょっと違う本製品の性格を考えると、やや致命的な差という印象も受ける。

また、PCMark05の結果ではメモリとHDDにウィークポイントになり得るスコアを見ることができる。メモリ性能が悪い点については、CPU、チップセット、メモリモジュールは両製品で共通なので、おそらくGPUの違いによってメインメモリの利用の仕方が異なるのではないかと思われる。

Satellite WXWのGeForce 8700M GT、本製品のMobility Radeon HD 2600ともに、独立した256MBのビデオメモリを持っており、これとメインメモリを合わせて利用する格好になる。ただし、Mobility Radeon HD 2600では、この独立ビデオメモリで事足りる場合でもメインメモリへのアクセスが発生してしまうのだろう。そのため、メインメモリの帯域幅の一部を常にGPUが使ってしまうことでパフォーマンスが落ち込んでいると想像される。

一方のHDDについてだが、これもメインメモリのパフォーマンスが影響していると思われる。HDD自体も前回のSatellite WXWが富士通製HDD、今回の本製品は東芝製HDDを利用していたが、この両者はスペック面で大きな違いはないようだし、Windows Vistaのエクスペリエンスインデックスでは、むしろ本製品のほうがスコアが高いほどだ。よって、メインメモリ上のキャッシュが原因と見ているのだが、これは実践的な使い方では体感の差として出てくる可能性が非常に高い。

このように、Satellite WXWと共通したスペックは多いが、パフォーマンスでは本製品のビハインドが大きい印象を受ける。とはいえ、ノートPCとしてはかなり高いレベルでの話であるうえ、Satellite WXWよりも安価に提供される製品である面を考えれば納得できる。

また、Satellite WXWはゲームユースを意識して究極を目指している性格が強く、良くも悪くも尖った製品だ。それに比べてベーシックな作りになっている本製品は、ホームユースにも向いた製品といえるだろう。ゲーム用途もある程度耐え得るスタンダードノートという見方をすれば、スペックも性能も贅沢なニーズを満たせるレベルにあり、高い満足度を得られそうな製品だ。

バッテリは10.8V/4000mAH。Satellite WXWに比べてバッテリ容量が少ないため、駆動時間も短くなっている

背面の主なパネルを開けたところ。メインメモリは2枚のSO-DIMMを装着可能で、試用機では1GB×2枚の構成。最大では2GBモジュール×2枚を装着できる

Windows Vistaのエクスペリエンスインデックス。全項目が4点台後半で、ノートPCとしては非常に優秀なスコアである

Mobility Radeon HD 2600を採用しているのが本製品の大きな特徴。PowerPlay 7.0と呼ばれる省電力機能を備えている

ベンチマーク結果

PCMark05 PCMark 4983
CPU 5095
Memory 3141
Graphics 4972
HDD 3384
3DMark06 Build 1.1.0 CPU Score 1759
3DMark06 Build 1.1.0
800×600ドット
3DMark 4031
SM2.0 1218
HDR/SM3.0 1965
3DMark06 Build 1.1.0
1024×768ドット
3DMark 3410
SM2.0 1066
HDR/SM3.0 1559
3DMark06 Build 1.1.0
1280×800ドット(DbD)
3DMark 3096
SM2.0 994
HDR/SM3.0 1360
バッテリ駆動時間 1時間21分30秒

スペック表

CPU Intel Core 2 Duo T7300
チップセット Intel PM965+ICM8-M
メモリ DDR2-667 1GB/2GB(最大4GB)
グラフィックスチップ ATI Mobility Radeon HD 2600(メインメモリと共有)
ディスプレイ 15.4型ワイドWXGA TFTカラー Clear Super View液晶(1280×800ドット)
HDD 120GB(シリアルATA 5400rpm)
光学ドライブ DVDスーパーマルチドライブ
オーディオ HD Audio
有線LAN 内蔵(10BASE-T/100BASE-TX)
無線LAN 内蔵(IEEE802.11a/b/g)
Bluetooth なし
モデム なし
Webカメラ なし
メディアカードスロット 内蔵(SD/MS/xD対応)
拡張カードスロット ExpressCard 54/34スロット
インタフェース 外部ディスプレイ(D-Sub15ピン)、Sビデオ出力、USB2.0×4、ヘッドホン出力、マイク入力、IEEE1394(4ピン)
本体サイズ 362(W)×267.8(D)×33.5~39.3(H)mm
本体重量 約2.9kg(標準バッテリパック装着時)
バッテリ駆動時間(公称) 約1.6時間
OS Windows Vista Home Premium
Office なし
その他の主なソフトウェア タイトーメモリーズ、Flip Viewer、Corel Snapfire Plus SE、Corel Paint Shop Pro Photo XI(体験版)、TOSHIBA DVD Player、TOSHIBA Disc Creator、TOSHIBA Recovery Disc Creator、ナップスターアプリ、McAfree Internet Security Suite Basic Edition 2007、PC引越ナビ など
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インデックス

連載目次
第7回 グラフィックを強化した15.4型ワイド液晶ノート「dynabook Satellite TXW/69CW」
第6回 DX10対応GPU搭載のゲームユース対応ノート「dynabook Satellite WXW」
第5回 タッチパネル&100GB HDDの7型モバイル「SA1F00V」
第4回 高級感とSideShowで差を付ける個性派ノート「W5Fe」
第3回 米系製品と日本製品がスマートに融合したデスクトップ「Pavilion s3040jp/CT」
第2回 メンテナンスを繰り返して長く使いたい本格タワー「Endeavor Pro4000」
第1回 買い得感のあるコンパーチブル型タブレットPC「Pavilion tx1000/CT」

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