ASUSTeK「W5Fe」

W5Fe

右側面。前方よりExpressCard(54/34)スロット、ボリュームつまみ、マイク入力、ヘッドホンおよびS/PDIF出力、USB2.0、D-Sub15ピン

左側面。前方よりDVDスーパーマルチドライブ、SD/MSスロット、USB2.0、IEEE1394、LAN(100BASE-TX)、モデム

前方にはインタフェース類は実装されていない

後方。左より電源コネクタ、S-Video出力、バッテリ、USB2.0、セキュリティロック

ヘアライン加工のパーツを使った高級感あるデザイン

ASUSTeKといえばマザーボードやビデオカードなどのパソコンパーツで有名なメーカーであるが、PC関連機器の総合メーカーとして、最近では日本国内へも自社ブランドのノートPC製品を投入している。とくに、この「W5Fe」は、Windows Vistaでサポートされる「SideShow」を世界で初めて搭載したPCとして話題に上っているものである。

本体の外観は、天板やタッチパネル部などヘアライン加工を施した金属パーツが使われているのが印象的。その周辺のブラックやガンメタリックを基調とした色合い、ブルーLEDの採用と相まって、絶妙の高級感を醸し出している。

本体サイズはA4用紙大、重量は1.7~1.9kgと、軽量モバイルとは呼びづらい製品であるが、そのデザインに加えて、全体に頑丈にできていることもあって、持ち運びが非現実的とはいえない製品である。そうした用途を見越してか、標準バッテリと大容量バッテリが両方付属するという点もユニークだ。

ただ、最近の製品としては、液晶周りの額縁がやや多め。Webカメラが内蔵されているなどの利用もあって仕方ない部分ではあるが、ほかの部分が洗練されたデザインとなっているだけに、無骨に感じるデザインが少しだけ残念である。

天板の製品ロゴやSideShowデバイスが埋め込まれる個所は、ヘアライン加工のパーツが使われる

キーボードなど。インジケータの多くに青色LEDが利用されており、黒を基調にしたデザインが良い

タッチパッドはディンプル加工されており肌ざわりのよい使い心地。左右ボタンの隙間から青色LEDがのぞく演出も悪くない

バッテリは標準と大容量の2本が付属する。ニーズに応じて標準、大容量、両方持ち運び、とスタイルを選べる

ディスプレイはグレアタイプで黒の締まりが良い印象。パネルの周辺のスペースが最近の製品としては多め

ディスプレイ上部には130万画素Webカメラを内蔵しており270度回転する。ディスプレイ脇にはシャッターボタンやマイクなども埋め込まれている

1GBのローカルフラッシュも内蔵するSideShow

さて、本製品の再注目ポイントは何と言ってもSideShowである。SideShowとは、Windows Vistaでサポートされたディスプレイ付きの外付けデバイスで、SideShowガジェットと呼ばれるガジェットを、PC内のリソースへアクセスしてメールを読んだり、メディアファイルを再生することなどができるものだ。W5Feでは、320×240ドットの2.8型液晶を利用したSideShowデバイスが天板部に内蔵されており、PCを閉じた状態で利用することができる。

さらに、1GBのフラッシュメモリを内蔵しているので、ミュージックプレイヤーやスライドショーなどの一部ガジェットは、フラッシュメモリ側にメディアファイルをコピーしておくことで、PCの電源がオフでもスタンドアロンで実行できる。このデータ転送は、SideShowデバイスから"同期"を選ぶことでWindows上でリムーバブルメディアとして認識し、Windows Media Playerなどから同期作業を行える。通常のメモリオーディオプレイヤーと大差ない操作なので違和感はないだろう。

また、SideShowデバイス自体のユーザーインタフェースも非常に分かりやすくできている。そもそも、デバイス自体に電源スイッチ、方向ボタン、Menu/Enter/Backの各ボタンしか用意されていないわけで、これらを方向キーでメニュー選択→Enterで決定、必要に応じてBackやMenuボタンなどで戻る、といった流れに統一されている。

ちなみに、SideShowガジェットはWindowsが提供しているSDKによって自由に作成でき、Microsoftのサイトにアップデートできる。現状では、ここにアップされているガジェットも少ないが、世界中のユーザーにSideShowが浸透すれば、思いもよらない使い方が生まれるかも知れない。生まれたばかりのデバイスということもあって、まだまだ用途が限られるが可能性は秘めているだろう。

天板部に埋め込まれたSideShowデバイス。1分ほど放置しておくと、このような時刻表示となる

コントロールパネルからSideShowの設定が可能。ここではWindows上アプリケーションと連携して動くものの設定が行えるようだ

SideShowデバイスのハードウェア的な設定もWindows上から行う

SideShowのメニューはMediaCenterのように上下左右と決定ボタンだけで利用できる簡単なユーザーインタフェースとなっている

Windowsを起動した状態でSideShowデバイスを利用すると、Windows Media PlayerやWindows Mailなどと連携して、音楽再生やメールを読むことなどが行える

スライドショーやソリティアなどの一部ガジェットはPCがオフの状態でもスタンドアロンで実行可能

ミュージックプレイヤーもスタンドアロンで利用可能で、"メディア同期に切り替え"を行うとWindows上でリムーバブルメディアとして認識する

本製品のSideShowデバイスには1GBのNANDフラッシュメモリを内蔵している

Windows Media Playerから同期作業を行うことで、フラッシュメモリへの転送が可能。PCの電源がオフでもミュージックプレイヤーやスライドショーでファイルを再生できる

海外製品では珍しい独自の省電力ツール

スペック面では、Napa世代のCentrino Duo準拠製品である。CPUは発表当初はCore Duoが採用されたが、国内発表直後にCore 2 Duo T5500への変更を表明。今回のテスト機もCore 2 Duo T5500をベースに下記のとおりの構成であった。

CPU Core 2 Duo T5500
チップセット Intel 945GM
メモリ DDR2-667 512MB×2(512MBはオンボード)
HDD FUJITSU MHV2080BH(80GB)
OS Windows Vista Home Premium

この環境におけるベンチマークは標準的なスコアで、極端に特異な結果となっている個所はない。一方、動画再生をループさせたときのバッテリ駆動時間は標準と大容量バッテリ合計で3時間を超える。液晶ディスプレイの輝度を最大に設定してのテストであるため、うまく使えば、もう少し伸びる可能性のある結果である。

本体サイズがそれほど小さいわけではないので、いつでもどこでも利用するタイプの製品ではなく、持ち運んでカフェや出先でちょっと利用するといったスタイルならば十分すぎる駆動時間だろう。バッテリが2本付属するというのは、こういうところで心強いように思う。

ちなみに、本製品は海外メーカーの製品ながら、独自の省電力設定ツールが付属している。4種類のプロファイルが用意されており、液晶輝度やパフォーマンス制限などを調整できる。このほか、液晶ディスプレイの表示を補正するアプリケーションなどもプリインストールされている。

このあたり、PCとしての基本的な利用シーンで実用的な機能を提供するという本来あるべき部分もしっかりできており、SideShowなどの独自性がプラスアルファの存在して用意されている印象を受ける。SideShowの将来性という部分を抜きにしても、こうしたA4クラスのノートPCを検討している人ならば選択肢に入れたい製品だ。

本体背面の主なパネルを外したところ。保証云々を無視すれば、HDDやメモリだけでなくCPUの交換もかなり容易で、このあたりはASUSTeK製品らしいところともいえなくもない

ASUS独自の省電力ツール「Power4Gear eXTreme」では、4種類のプロファイルに分けて省電力設定を行える

同社の液晶表示補正技術であるSplendid Video Enhanced Technologyにも対応。その設定ツールでは、各種プリセットから液晶の表示品質を選択できる

ベンチマーク結果

PCMark05 PCMark 3014
CPU 4171
Memory 3415
Graphics 988
HDD 3160
3DMark06 Build 1.1.0 CPU Score 1319
3DMark06 Build 1.1.0
800×600ドット
3DMark 260
SM2.0 119
HDR/SM3.0 N/A
3DMark06 Build 1.1.0
1024×768ドット
3DMark 232
SM2.0 106
HDR/SM3.0 N/A
3DMark06 Build 1.1.0
1280×800ドット(DbD)
3DMark 212
SM2.0 97
HDR/SM3.0 N/A
バッテリ駆動時間 標準バッテリ 1時間06分07秒
大容量バッテリ 2時間16分43秒

スペック表

CPU Intel Core 2 Duo T5500
チップセット Intel 945GM+ICH7-M
メモリ DDR2-667 512MB×2(オンボード512MB+増設メモリ512MB、最大1.5GB)
グラフィックスチップ Intel 945GM内蔵(最大224MB、メインメモリと共有)
ディスプレイ 12.1型ワイドTFTカラー液晶(1280×800ドット)
HDD 80GB(シリアルATA、5400rpm)
光学ドライブ DVDスーパーマルチドライブ
オーディオ HD Audio
有線LAN 内蔵(10BASE-T/100BASE-TX)
無線LAN 内蔵(IEEE802.11a/b/g)
Bluetooth 内蔵
モデム 内蔵
Webカメラ 内蔵(130万画素)
メディアカードスロット 内蔵(SD/MS対応)
拡張カードスロット ExpressCard54/34スロット
インタフェース 外部ディスプレイ(D-Sub15ピン)、Sビデオ出力、USB2.0×3、マイク入力、ヘッドホン(S/PDIF兼用)出力、IEEE1394
本体サイズ 305(W)×220(D)×26.8~37.5(H)mm
本体重量 約1.7kg(標準バッテリ装着時)
約1.9kg(大容量バッテリ装着時)
バッテリ駆動時間(公称) 1.37時間(標準バッテリ使用時)
2.65時間(大容量バッテリ使用時)
OS Windows Vista Home Premium
Office なし
その他の主なソフトウェア ASUS Life Frame 2、ASUS Live Update、ASUS Net4 Switch、ASUS Power4 Gear xEtreme、Nero Express 7など