【コラム】

地方の生活コストは本当に安いのか? - FPが地方に移り住んで感じたこと

2 ガス・電気・水道料金の違い

高鷲佐織
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「東京は物価が高いので、生活費が高い」または、「地方は物価が安いので、生活費が東京に比べてあまりかからない」と世間でよく言われていることは、本当なのでしょうか。

連載コラム「地方の生活コストは本当に安いのか?」では、ファイナンシャル・プランナーの高鷲佐織が、実際に東京から地方へ移り住んで感じたことを交えながらお伝えいたします。

光熱費は、全国一律料金ではない

現在、自分が支払っている光熱費について、他の地域と料金の差があることを意識することは少ないでしょう。複数の地域に住んだ経験のある方は、光熱費が以前暮らしていた地域に比べて料金が高い、もしくは安いと感じたことがあるかもしれません。

光熱費の差は地域だけではなく、取り扱う事業者によって違いが生まれるものもあります。今回は、ガス、電気、水道の料金はどのように違いがあるのかを見ていきましょう。

ガス料金:都市ガスとLPガス

一般家庭へのガス供給には、主に「都市ガス」と「LPガス(プロパンガスとも言います)」の2つがあります。

都市ガスとLPガスの違い
(出典:日本ガス協会「都市ガスとLPガスの違い」を元に作成)

都市ガスとLPガス(プロパンガス)は家庭への供給方法に違いがあり、LPガス(プロパンガス)の場合は、人が直接各家庭にボンベを運び、交換や点検を行うため、人件費が高くなりやすいと言われています。

都市ガスとLPガスの価格差
(出典:経済産業省資源エネルギー庁「ガス料金等の現状について平成25年7月12日」(p.14 一般ガスとLPガスの価格差)を元に作成)
※料金は、平成23年度末時点の数値(基本料金を含む)を基に41.8605MJあたりの価格(加重平均)を算出。
※都市ガス料金は、原料費調整制度の適用による調整額を含む。LPガス料金は、都市ガス料金には含まれていない設備代金等が含まれていることがある

都市ガスとLPガスの価格を比較した場合、全国ベースで1.86倍の差が生じています。数値で見ても、LPガスの料金は、都市ガスの料金に比べて比較的高いようです。

料金は、都市ガスが優位ですが、LPガスは、都市ガスの約2倍の火力があるので、お風呂が早く沸きますし、火力が重要な飲食店などではLPガスの方が優れていると言えます。

2017年4月1日より都市ガスの小売全面自由化がスタートし、すべての消費者がガス会社や料金メニューを選択できるようになりました。しかし、LPガスから都市ガスへの切り替えには、ガス管の敷設等が必要になる場合があります。また、賃貸住宅の場合、ガス会社の選択は、家主や管理会社が行います。賃貸物件の契約を締結する前に、都市ガスなのか、LPガスなのか、または賃借人がガス会社の選択をすることは可能なのかといったことを確認した方がよいでしょう。

電気料金:電力の小売全面自由化

家庭への電気は、これまで各地域の電力会社(北海道電力・東北電力・東京電力・北陸電力・中部電力・関西電力・四国電力・中国電力・九州電力・沖縄電力)だけが販売を行っていて、消費者がどの電力会社から電気を買うか選ぶことはできませんでした。

しかし、2016年4月1日以降、電気の小売業への参入が全面自由化されて、電力会社や料金メニューを選択できるようになりました。賃貸住宅に住んでいる方でも、電力会社の切り替えは可能です。ただし、マンションに住んでいる方は、マンションの規約などで制限されている場合があるので、管理会社等に確認が必要です。

水道料金:各自治体によって違う料金設定

水道料金は、各地方自治体によって異なります。理由としては、水源の水量や水質などに恵まれていれば、浄化処理設備やダムといった施設の建設費や維持費を抑えられるからでしょう。しかし、その逆であれば、多額の費用が必要になるため、水道代として住民に負担してもらうということになるわけです。また、その地域の人口数が少なければそれだけ1人当たりの設備投資や水道管の維持費用にかかるコストが高くなります。

水道料金には、水漏れ(漏水)に伴う水道料金の減額制度を設けている地方自治体が多くあります。これは水漏れの際に、自動で水道料金が減額されるものではなく、自ら水道局などに連絡をしなければなりません。

私自身、水漏れによる水道料金の減額をしてもらったことがあります。少量でしたがトイレの水が途切れることなく流れ続けているように感じ、水道局に連絡しました。その後水道局の指定工事会社が我が家に訪問し、調査をするとトイレの水漏れが確認され、過去に支払った水道料金の一部が実際に減額されました。使用量が増えていないにも関わらず通常より水道料金が高めだと感じた場合は、すぐに水道局に連絡をして状況を伝えた方がよいでしょう。

終わりに

今回は、光熱費の違いとしてガス、電気、水道の料金を取り上げました。光熱費に関しては、家賃のように東京を含む首都圏が一番高いということではなく、供給方法や事業者、または自治体によって料金設定方法が違います。都市ガスや電力の小売全面自由化は既に始まっていますので、改めて自分のライフスタイルにあったガス会社、電力会社、料金メニューを検討してみてはいかがでしょうか。

執筆者プロフィール : 高鷲佐織(たかわしさおり)

ファイナンシャル・プランナー(CFP 認定者)/1級ファイナンシャル・プランニング技能士/DCプランナー1級。

資格の学校TACにて、FP講師として、教材の作成・校閲、講義に従事している。過去問分析を通じて学習者が苦手とする分野での、理解しやすい教材作りを心がけて、FP技能検定3級から1級までの教材などの作成・校閲を行っている。また、並行して資産形成や年金などの個人のお金に関する相談を行っている。
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連載目次
第2回 ガス・電気・水道料金の違い
第1回 東京と地方の住宅に係るコスト
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