体重や体脂肪率は毎日測定することで、「いつの間に?」を逃さないようにする

タニタ開発部開発企画課の西澤です。ダイエットと聞くと、体重を減らすことに重点を置く方も多いのではないでしょうか。もちろん、ウエートコントロールも重要なことですが、健康的にムラなくシェイプアップするには、体脂肪率や筋肉量にも注目していただきたいところです。今回は、体重以外にも、内臓脂肪や基礎代謝なども計測できる体組成計についてお話したいと思います。

トップアスリートは肥満!?

体組成計とは、一台で体重、脂肪や筋肉量、骨などの体組成から基礎代謝量や内臓脂肪レベルなどの健康指標まで、細かく計測できる機器のことです。体重と体の電気抵抗をはかることで、様々な体組成を推定しています。

なぜ体重以外の数値も計測する必要があるのかというと、体重が重い=肥満というわけではないからです。肥満度を表す体格指数であるBMIは、身長からみた体重の割合を示すものであり、脂肪も筋肉も同じ体重としてカウントします。ですが、筋肉は脂肪よりも比重が重いので、筋肉質の方は見た目よりも体重が重くなるのです。

例えば、オリンピックでも活躍している体操選手などは、体脂肪率が1桁という人も少なくありません。しかし、脂肪よりも比重が重い筋肉によって体重が重くなり、結果、BMIでは肥満に分類されてしまうのです。

逆に体重が軽くても、体脂肪率の高い「隠れ肥満」の人もいます。比重の重い筋肉が少なく比重の軽い脂肪が多いので、体重は重くないのですが、「体脂肪の割合(=体脂肪率)」が高い状態なのです。また、体重は減ってきたのにぽっこりお腹が解消されない人は、水分など脂肪以外の成分が一時的に減っただけという可能性があります。

つまり、体重だけでは判断できない変化を確認するためにも、体組成計を活用して体脂肪率や内臓脂肪レベルをチェックすることをオススメします。この数値を毎日確認すれば、減らしたいもの(脂肪)と維持したいもの(筋肉、骨など)の数値が明確になります。

ダイエット中の健康状態を知るには、水分変化もポイント

体組成計で正しく計測するためには、以下の点を意識しましょう。

・できるだけ毎日計測する
・できるだけ計測する時間、タイミングを合わせる
・食事前の空腹時に、できるだけ薄着になって計測する
・計測前にはトイレへ行く

健康維持のために大事なことは、できるだけ毎日継続して計測することです。ダイエットの進捗具合を把握するのみならず、体の変化に気付くことができます。例えば、体水分率が急激にダウンしている時には、無理なダイエットをしていないか、激しい運動で脱水気味になっていないか振り返ってみましょう。反対に、アップした時には塩分を摂り過ぎているかもしれません。

また、体の変化を正確にとらえるために、計測するタイミングをなるべく合わせることも大事です。体の中は常に変化しています。特に体水分の変化は大きく、普通の体格の人でも水分だけで2kg以上もの変化があると言われています。帰宅時間がバラバラだったり、夕食を外で済ませることが多かったりする方は朝に、定時で仕事が終わる方は帰宅後、空腹のまま着替える時に計測するといいでしょう。

計測前に衣服を脱いでトイレに行くというのは、できるだけ正確な数値をはかるためです。体組成計は体へ微弱な電流を流し、その抵抗値を計測して体脂肪率や筋肉量などの体組成を推定しています。そのため、電流を通さない洋服や電気抵抗を変化させない胃腸の中身の重さは脂肪として認識します。

意識してこまめに体組成の計測を続けていくと、体重以外の数値も変化していきます。これをチェックすることで、食生活や運動量を効率よくコントロールできますよ。

「活動量計」を使って“見える化”することでモチベーションアップ!

無理なく簡単にカロリーコントロールを行う際には、家で使用する「体組成計」と、胸元に着けて使用する「活動量計」を併用することをオススメします。

例えばタニタでは、スマートフォンで簡単に健康管理ができる体組成計インナースキャン「BC-505」(オープン価格)を販売しています。Bluetooth通信機能を搭載しているので、リビングで計測して寝室に置いてあるスマートフォンでデータをチェックすることも可能です。

計測できる項目は体重、体脂肪率、筋肉量、推定骨量、内臓脂肪レベル、基礎代謝量、体内年齢、体水分率、BMIの9項目。これらのデータをスマートフォンに送信し、専用の無料アプリケーション(a-Tanita)に取り込めば、時系列でグラフ表示して管理することができます。

スマートフォンで健康管理ができる「BC-505」

日々の消費カロリーを計測できる活動量計では、行動分析機能を備えた「カロリズムエキスパート(AM-140)」(オープン価格)を販売しています。6秒ごとに安静、生活、歩行、走行といった4つの行動判別を行い、それらを分析してグラフを表示します。さらに、行動別の消費エネルギーと総消費エネルギーに占める割合、脂肪燃焼量などを認識できるので、より詳細なカロリーコントロールが可能です。

人間の体は日々変化します。無理なく健康的にカロリーコントロールをするためには、自分の変化を認識して「楽しむ」意識や「続ける」意欲を持つことが大切です。体組成計や活動量計を活用してデータを記録すれば、傾向が分かることはもちろん、変化を“見える化”できるので、モチベーションアップにもつながります。

消費エネルギーなど詳細なカロリーコントロールを可能にする「AM-140」

自宅では体組成計で体の変化をチェックし、活動量計で消費カロリーをチェックする。あまり難しく考え過ぎず、その変化を「楽しむ」。これが効率的にカロリーコントロールをするためのポイントです。次回は仕事や日常生活、スポーツなどで、実際にどれほどカロリーを消費することができるのか、また、より効率的なカロリー消費のポイントをアドバイスします。

監修者プロフィール : 西澤 美幸(にしざわ みゆき)

タニタ開発部開発企画課課長。栄養士。グラフや演算式を作ることが大好きという数式オタク的な気質を生かし、体脂肪計・体組成計や活動量計など様々な商品の中身となる多数の演算式を開発。また、『続・体脂肪計タニタの社員食堂』(大和書房)の監修を担当。

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