アビシニアンの子猫

左からレッド、フォーン、ブルーという毛色

アビシニアンの歴史

アビシニアンはもっとも古い猫種のひとつで、「古代エジプトの壁画に登場する猫はアビシニアンがモデル」といった神話めいた挿話も含め、そのルーツについては諸説あります。原産国はエジプト説が有力ですが、アフリカのエチオピアを起源とする説もあり、“アビシニアン”の名も、エチオピアの古い名称であるアビシニアが語源となっています。

1868年のイギリス・アビシニア戦争後、イギリス兵がエジプトのアレクサンドリアの港にいたメス猫をイギリスに持ち帰りました。アビシニアンは、そのメス猫が起源とされています。その後、イギリスでブリティッシュ・ショートヘアなどとの、さまざまな交配により、外見や色などに改良が加えられ、ヨーロッパに広まったと見られます。

1871年にイギリスで行われたキャットショーに初めて登場し、正式に公認されたのが1882年。1900年頃、イギリスからアメリカに渡り、アメリカのキャットショーでは1938年に初登録されました。日本では、1964年に最初のアビシニアンが登録されています。

アビシニアンの特徴と性格

「ティッキング」と呼ばれる、被毛の混じり毛が大きな特徴となっています。1本1本の毛が3~4色の色帯に分かれ、光の加減や身体の動きにつれて微妙に表情を変えます。カラーはラディ、レッド、ブルー、フォーンが基本。やや細身の体形に、筋肉質なボディー。引き締まった細い足を持ち、優雅な身のこなしも魅力です。

おとなしく、人間に対してとても友好的な性格の持ち主です。鈴を転がすようなきれいな声を持ち、甘え上手。運動能力も高く、活発で遊び好き。非常に賢く、猫の中でも、もっとも人間に忠実な猫種といえるでしょう。

寸評

アビシニアンは現在、日本では短毛種の中でトップクラスの人気を誇ります。容姿は気品にあふれ、思わず見とれてしまうほど美しい猫ですが、外見からは想像もできないほどフレンドリーで甘えん坊。もっとも飼いやすい猫のひとつです。

画像提供元

ペットショップ「COO&RIKU」