【コラム】

仕事力アップ! ビジネスメールのいろは

3 失敗を防いで効果的にメールを使おう

日本ビジネスメール協会
 

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メールを使うことが増えれば、それだけ増えるのが失敗。ケアレスミスとして許されるものもあれば、誤送信など重大なお詫びに発展するものもあります。

仕事でのメールは会社の看板を背負って使うもの。使い方によっては個人の責任にとどまらず、会社の信用問題に発展することもあります。送信ボタン1つで送れるメールは便利で重宝されます。しかし、リスクを理解して責任感を持って使わなければ足をすくわれます。

ビジネスシーンではどのようなメールの失敗が起きているのかを知り、自らのメールを振り返り、失敗を防ぐように意識を向けることがメールを使う条件ともいえます。

メールの失敗、自覚していますか?

送信者の立場として、ここ1年間で、「メールで失敗をしたことがありますか」と聞くと「あります」と即答される人がいます。聞くと、添付ファイルを付け忘れて上司に指摘されたそうです。「文章が分かりにくい」といわれた、「返信を忘れてしまった」といった失敗も出てきます。

「失敗は特にありません」という人もいます。「覚えていないので、多分ないと思います」と、意識していないのでいきなり聞かれても出てこないという人もいます。

日本ビジネスメール協会が発表した「ビジネスメール実態調査2017」によると、過去1年間に仕事でメールの失敗をしたことがある人は38.49%で、4割近い人が何かしらの失敗をしていることが分かりました。

過去1年間に仕事でメールの失敗をしたこと(n=2,395)

どんな失敗をしているの?

送信者として自覚している失敗の第1位は「添付ファイルの付け忘れ」(43.82%)。第2位は「誤字や脱字」(36.98%)、第3位は「宛先(メールドレス)の間違い」(28.74%)と続きます。

自分がした失敗の内容(複数回答可/上位10項目)
<過去1年間に仕事でメールの失敗をしたことが「よくある」「たまにある」と答えた方>(n=922)

添付ファイルの付け忘れと誤字や脱字は、失敗の代表例ともいえるくらい高い頻度で起きており、多くの人が経験しています。

宛先間違いの誤送信に注意

「宛先(メールドレス)の間違い」は情報漏えいにもつながります。内容によっては謝罪をする重大な問題に発展することがあります。

BCCに入れるべきところを、CCに入れてしまったという誤送信はあとを絶ちません。宛先を指定するときは、TO、CC、BCCの欄を間違えることがないように、しっかり確認をすることです。

メールソフトによっては初期設定でBCC欄が非表示になっていることがあります。表示されているCCをBCCと勘違いしてしまうのです。このような思い込みがないように気を付けましょう。

A社の山田さんに送るべきところをB社の山田さんに送ってしまったという宛先の間違いも起こっています。メールアドレスを手入力する際に打ち間違えたり、アドレス帳から選択するときに選び間違えたりというものです。

メールアドレスの候補で

yamada@example.co.jp
yamada@example.com

と並んだとき、yamadaの部分に注目してドメインを見間違えてしまうことがあります。アドレス帳から選ぶと、選び間違えが起きる可能性があります。

一度でもメールを受け取っている場合は、新規作成でメールアドレスをアドレス帳から選択するのではなく、過去に受け取ったメールに返信する形で件名と本文を書きなおして新規のようにメールを作成すると、そうした間違いは防げます。

その失敗、周りは気付いているかも

今度は、受信者の立場として、メールを受け取って失敗を見付けたことがあるかを聞くと、「添付ファイルが付いていないメールを何度も受け取りました」「私の名前の漢字が間違っていたことがあります」「様が付いていないメールを受け取ったことがあります」「先日、書きかけのメールを受け取りました」など、様々な体験談が出てきます。

調査でも、過去1年間に仕事でメールを受け取り、失敗を見付けたことがある人は63.75%で、6割を超える人が受け取ったメールの失敗に気付いています。

過去1年間に仕事でメールを受け取り、失敗を見付けたこと(n=2,395)

送信者の立場で失敗を自覚している人よりも、他人の失敗に気付いている人の方が多い。自分のメールよりも、他人のメールの方が間違いに気付きやすいのでしょう。どうしても、自分には甘くなりがちです。メールの失敗というと、新人や不慣れなときに起こりがちと思いきや、そんなことは全くありません。

ビジネスメール実態調査2017の有効回答数は、2,395人。10代から70代以上まで、一般職から経営者・役員クラスまで、仕事でメールを使っている人が回答しています。社会人歴の長い人、メールの利用歴が長い人の、実に4割近い人が失敗をしています。

見付けたメールの失敗

自分では失敗していないと思っていても、もしかしたら、相手から見たら失敗のあるメールになっているかもしれません。

見付けた失敗の内容(複数回答可)
<過去1年間に仕事でメールを受け取り、失敗を見付けたことが「よくある」「たまにある」と答えた方>(n=1,527)

見付けた失敗の内容は、第1位は「誤字や脱字」(50.95%)、第2位は「添付ファイルの付け忘れ」(41.58%)と続きます。

結果を見ると、自覚している失敗と、見付けた失敗はほとんど同じです。自分でしている失敗は相手もしている。逆に、周囲がしている失敗は、自分もしている可能性があるということです。

自分は大丈夫と過信しない

自分は大丈夫と過信せずに、気付いていないだけで失敗をしているかもしれない、相手に失敗と認識されているかもしれないと自分のメールを振り返ることができなければ、失敗はなくなりません。

1通のメールの失敗が、評価を下げ、信用を失うことがあります。その反面、1通のメールが評価を上げ、信頼につながることも事実です。

メールをどう使うかは自分次第。失敗を防ぐのも自分、効果を出すのも自分です。

執筆者プロフィール : 平野友朗(ひらのともあき)
一般社団法人日本ビジネスメール協会代表理事、アイ・コミュニケーション代表取締役。1974年生まれ。筑波大学人間学類(認知心理学)卒業。広告代理店勤務を経て2003年に日本で唯一のメルマガコンサルタントとして独立。2004年、アイ・コミュニケーション設立。2013年、一般社団法人日本ビジネスメール協会設立。ビジネスメール教育の第一人者として知られ、メールマナーに関するメディア掲載1,000回以上、著書25冊。メールを活用した営業手法には定評があり、メールとウェブマーケティングを駆使して5,000社の顧客を開拓。メールスキル向上指導、組織のメールに関するルール策定、メールの効率化による業務改善や生産性向上などを手がける。官公庁や企業などへのコンサルティングや講演、研修回数は年間100回を超える。
著書や監修本には『仕事が速い人はどんなメールを書いているのか』(文響社)、『カリスマ講師に学ぶ! 実践ビジネスメール教室』(日経BP社)、『誰も教えてくれなかった ビジネスメールの書き方・送り方』(あさ出版)、『イラッとされないビジネスメール 正解 不正解』(サンクチュアリ出版)、『短いフレーズで気持ちが伝わる モノの書き方サクッとノート』(永岡書店)などがある。
セミナー情報「ビジネスメールの教科書」、メールマガジン「平野友朗の思考・実践メルマガ【毎日0.1%の成長】」
日本ビジネスメール協会

日本で唯一のビジネスメール教育専門の団体。ビジネスメールに特化した講演・研修などの事業を10年以上前から行っており、これまでにメールに関する書籍を26冊出版(内2冊は翻訳され台湾で出版)。メディアには1,000回以上登場し、ビジネスメールについて情報発信してきた。仕事におけるメールの利用状況と実態を調査した「ビジネスメール実態調査」を2007年から毎年行っており、本調査は、日本で唯一のビジネスメールに関する継続した調査として各メディアで紹介されている。
ビジネスメールに関する研修(講師派遣)や講演(公開講座)を実施。2時間でビジネスメールを学ぶ、「ビジネスメールコミュニケーション講座(ベーシック編)」は東京を中心に毎月開催。研修の問い合わせも受け付け中。

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インデックス

連載目次
第4回 イラっとされるメールとは? - 10の特徴
第3回 失敗を防いで効果的にメールを使おう
第2回 ビジネスメールの件名、どこまで具体的に書くべき?
第1回 ビジネスメールを学ぶメリット
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