【コラム】

仕事力アップ! ビジネスメールのいろは

2 ビジネスメールの件名、どこまで具体的に書くべき?

日本ビジネスメール協会
 

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ビジネスメールとは名前のとおり、仕事で使うメールのことです。同じメールでもプライベートと仕事では違いますが、学生時代から使っているし、スマートフォンや携帯電話も使い慣れているから仕事でも使えて当然。そう思う人は少なくないようです。

ビジネスメールを学んでいますか?

仕事で毎日のように使うメールは、研修といった形で学ぶことなく使っている人が実は大多数。日本ビジネスメール協会が行った「ビジネスメール実態調査2017」によると会社で研修を行っているのは1割で、9割の人が学ぶ機会なくメールを使っていることが分かりました。

会社でビジネスメールの社員研修(n=2,395)

研修がなくても先輩や上司が現場で指導している。仕事をしながら自然と使えるようになるもの。そんな声も聞こえます。何となく使えるようになった。使えているから問題はない。そう考える人もいるでしょう。

不安に思うことはありますか?

とはいえ自分のメールは「これでいいのか」と不安を抱くことがある人は71.40%(よくある13.53%、たまにある57.87%の合計)と、7割を超える人が自分のメールに対して何らかの不安を抱いています。

自分のメールに不安を抱くこと(n=2,395)

学んだことがないから不安。部下を指導する立場にあるけれど自分のメールが正しいのか自信がない。そのような人もいるでしょう。知らなければできないし、学ばなければ間違っているのも当然。逆をいえば、学べばできるようになり、学ぶのに早すぎることはありません。

件名を書かなくてもいい!?

プライベートでスマートフォンからメールを送るとき、件名を書いていますか? 件名を意識したことがないという人は多いでしょう。件名を書かず、宛名や挨拶、名乗りもなし。本文は短文で用件のみ。それがプライベートでの一般的な使い方ではないでしょうか。

件名は書いても書かなくてもどちらでもいい。用件のみでも問題なく伝わる。それは、関係の構築できている間柄でのやりとりなので、誰から誰に宛てたメールかも明白だからです。

しかし、仕事ではそうはいきません。仕事のメールで件名が書いていないと「何だろう?」「迷惑メール?」って思われます。差出人に見覚えがあっても「開くのが怖いな」と思われたらアウト。迷惑メールや開かなくてもいいメールと判断されて開封されず、最悪の場合は削除されます。

メールを開封してもらうために

メールは伝えるために送るもの。開いてもらえなければ始まりません。正しい日本語や美しい敬語、印象のよい表現と、文章ばかりにこだわるのではなく、その前に工夫しなければならないのが件名です。開いてもらえるような件名を付ける。開封というメールの関所を突破することがスタートラインです。

では、開いてもらえる件名とはどのようなものでしょう? それは、メールを送る目的やメールを読んだ相手に求める行動が書いてある件名であること。メールボックスに届いたメールを見て、開く必要があると思ってもらえるような件名です。

「開く必要がある」と思うのは、受信者が自分事にとらえることができたからです。「自分には関係がない」と思われたら開かれません。営業メールやメルマガのような、大勢に送っているような件名では自分事には思えません。

件名の付け方のコツ

関係があると思ってもらうためには具体的に伝えることがポイントです。受信者の疑問に答えるように情報を足して具体的にしていきます。

件名に「例の件」と書いてあったら何のことか分かりません。「例の件って何のこと?」となりますよね。ですから、「何のこと」に関する情報を書く。「見積書のこと」なら「見積書の件」とします。

見積書といってもいろいろあるので「何の見積書のこと?」と質問がきそうです。「研修見積書の件」としても「何の研修?」と質問が続くので答えていくと「ビジネスメール研修見積書の件」となります。

最初の「例の件」に比べて具体的ですが、最後に「~の件」を変えます。「見積書をどうしているの?」「どうして欲しいの?」メールに添付しているなら「ビジネスメール研修見積書ご送付」とすれば「このメールでビジネスメール研修の見積書を送ります」という主旨が伝わります。

まずはこれから

件名は相手に正しく伝わるように付けるもの。正しく伝わることが相手の行動を促し、返信につながります。書かなければ伝わらないのがメールです。仕事の場合は「書かなくても分かるだろう」と相手に委ねたり、思い込みで進めたりするのはトラブルのもとになります。まずは件名をきちんと付けることから始めてみませんか。

執筆者プロフィール : 平野友朗(ひらのともあき)
一般社団法人日本ビジネスメール協会代表理事、アイ・コミュニケーション代表取締役。1974年生まれ。筑波大学人間学類(認知心理学)卒業。広告代理店勤務を経て2003年に日本で唯一のメルマガコンサルタントとして独立。2004年、アイ・コミュニケーション設立。2013年、一般社団法人日本ビジネスメール協会設立。ビジネスメール教育の第一人者として知られ、メールマナーに関するメディア掲載1,000回以上、著書25冊。メールを活用した営業手法には定評があり、メールとウェブマーケティングを駆使して5,000社の顧客を開拓。メールスキル向上指導、組織のメールに関するルール策定、メールの効率化による業務改善や生産性向上などを手がける。官公庁や企業などへのコンサルティングや講演、研修回数は年間100回を超える。
著書や監修本には『仕事が速い人はどんなメールを書いているのか』(文響社)、『カリスマ講師に学ぶ! 実践ビジネスメール教室』(日経BP社)、『誰も教えてくれなかった ビジネスメールの書き方・送り方』(あさ出版)、『イラッとされないビジネスメール 正解 不正解』(サンクチュアリ出版)、『短いフレーズで気持ちが伝わる モノの書き方サクッとノート』(永岡書店)などがある。
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日本ビジネスメール協会

日本で唯一のビジネスメール教育専門の団体。ビジネスメールに特化した講演・研修などの事業を10年以上前から行っており、これまでにメールに関する書籍を26冊出版(内2冊は翻訳され台湾で出版)。メディアには1,000回以上登場し、ビジネスメールについて情報発信してきた。仕事におけるメールの利用状況と実態を調査した「ビジネスメール実態調査」を2007年から毎年行っており、本調査は、日本で唯一のビジネスメールに関する継続した調査として各メディアで紹介されている。
ビジネスメールに関する研修(講師派遣)や講演(公開講座)を実施。2時間でビジネスメールを学ぶ、「ビジネスメールコミュニケーション講座(ベーシック編)」は東京を中心に毎月開催。研修の問い合わせも受け付け中。

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インデックス

連載目次
第3回 失敗を防いで効果的にメールを使おう
第2回 ビジネスメールの件名、どこまで具体的に書くべき?
第1回 ビジネスメールを学ぶメリット
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