iPhoneが登場して10年たちました。その間にiOSのバージョンは10になり、本体も「iPhone 7」まで発売され、間もなく「iPhone 8」の登場が噂されています。Bluetoothに対応し、Siriが使えるようになり、各種周辺ツールが登場し、iOS対応アプリが無数に登場しています。

さてでは、そのiPhone、本当に使いこなせていますか?

iPhoneが登場してから早10年!

iPhone、使いこなしてますか?

一時期の大手キャリアによる販売戦略のおかげもあり、一説には日本のスマートフォンの半分以上がiPhoneだと言われています。これは、通勤電車の中で数えてみても実感できるでしょう。またメールや各種アプリを使い、カメラ機能でビジネス用のメモを撮影するのはさほど意識せずにやっていると思います。

ですが、意外と皆さん使いこなしていないらしい。

これは当然と言えば当然です。iPhoneは「進化した携帯電話=スマートフォン」として売られています。そして買う人の全員がデジタルガジェットに詳しかったりするわけではないのは、携帯電話がもはやコモディティ(日用品)と化した現在では当たり前のことです。

ですが、ほんのちょっとしたことを知るだけで、iPhoneはビジネスをサポートする強力なツールになります。

今回から始まる「iPhone再入門」では、その基本機能を見直すことで、iPhoneをビジネスに活用するための方法を解説します。特に私の近刊『iPhone手帳術』(エイ出版社)を書いて以来、いろいろなiPhoneユーザーに試して、驚いてもらった技を少しずつ紹介していきます。

技と言っても、特別なツールやレアなアプリを使うモノばかりではありません。標準の機能でまだまだ知られていない、あるいは忘れられたモノにフォーカスを当てて紹介していきます。

画像やメモが簡単に送れるAirDrop

まずはこの技。写真やファイルの共有は、最近ではSNSベースが普通になった感じがあります。グループを作ってそこに写真をアップする。すると複数のメンバー全員がその写真を見ることができる。あとから参加した人でもちゃんと確認できる。

それでもいいのですが、例えば特定の人に目の前で写真を渡す方が早いですよね。iPhone同士ですばやくかつ簡単にできるのが、AirDrop機能を使ったこの技です。AirDropはiPhone標準のBluetoothとWi-Fiを利用したファイルのやりとりの機能です。画像やURL、メモなどが簡単に送れます。早速やってみましょう。

1.画面に送信したいものを表示する

画像ならばカメラロールを開きます。文字のメモならそれが含まれているアプリ(標準のメモやEvernoteなど)で送信したいものを表示させます。

送信したいものを表示。今回はこのお酒の写真を送信します

2.iPhone同士で相互にAirDropを有効にする

画面を下からスワイプ(指で上になで上げるような操作です)。表示された一連のボタンからAirDropをタップします。

下からスワイプでAirDrpoをタップ

3.送受信相手の設定をする

送受信する相手の選択画面。「全員」をタップします。

送信相手を設定。送る相手が連絡先にいない場合は「全員」を選択

4.送信先を選ぶ

送信先の各種アプリアイコンの一番上に、AirDropで送信できるiPhoneが表示されているのでタップします。

送信先のiPhoneを選びます

5.相手に受け入れてもらう

すると相手のiPhoneの画面に共有の確認メッセージが表示されます。「受け入れる」を選択してもらうと、相手のiPhoneのカメラロールに画像が保存されるはずです。

相手のiPhoneの画面。「受け入れる」を選んでもらえば相手のiPhoneに画像が届きます

ビジネスパートナーとの親近感形成に

前述したように、写真はネット上でシェアが当たり前の時代ですが、不特定多数が見られる場所にアップするのではなく、ものを手渡しするのに近い感じで、画像などの情報を渡せます。さらに、iPhoneにはこんな機能があるという驚きも提供できます。

画像なりメモなりURLなり、もし手渡ししたいような関係の人がいたらAirDropを使ってみましょう。そのことで、相手との距離は近くなるはずです。ビジネスでやりとりをする相手にこの技をやってみせるだけで、驚きを伴った親近感を演出することができるのです。また、「ビジネスでのつきあいはあっても、SNSでつながるにはちょっと……」という場合にもこの方法は便利に使えます。

AirDropはiOS7以降のiPhoneで利用できます。恐らくiPhone 5以降ならばきっとできるはず。筆者のiPhone 6と担当編集者のiPhone 5の間では無事にやりとりができました。

というわけで、ビジネスに有効な情報や写真がiPhone内にあったら、是非AirDropでビジネスパートナーや上司や部下のiPhoneに送ってみましょう。是非。

執筆者プロフィール : 舘神龍彦

手帳評論家、ふせん大王。最新刊は『iPhone手帳術』(エイ出版社)。主な著書に『ふせんの技100』(エイ出版社)『システム手帳新入門!』(岩波書店)『意外と誰も教えてくれなかった手帳の基本』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)『手帳カスタマイズ術』(ダイヤモンド社)など。また「マツコの知らない世界」(TBS)、「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)などテレビ出演多数。手帳の種類を問わずにユーザーが集まって活用方法をシェアするリアルイベント「手帳オフ」を2007年から開催するなど、トレンドセッターでもある。手帳活用の基本をまとめた歌「手帳音頭」を作詞作曲、YouTubeで発表するなど意外と幅広い活動をしている。

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