カレーの国と言えばインドをイメージするかもしれないが、インドの大陸の南東に浮かぶ島国・スリランカもまた、カレーを愛してやまない国である。もちろん、朝食に登場するのもカレーだ。

米に2~3種類のカレー、「サンボル」(和え物)などが朝食に並ぶ

カレーはもちろん、ライスもいろいろ

一般的な家庭の朝食では、エビやジャガイモ、豆など、具材ごとに作られたカレーが2~3種類用意される。自然豊かなスリランカの大地で育てられたスパイスは、香りや力強さ、パンチの効いた辛さなどと複雑で多種多様なものがそろっており、そうしたスパイスを生かしたカレーは味わいも豊か。家庭で愛されているカレーは日本人からすると激辛な部類に入るが、ホテルなどで提供されるカレーはマイルドなものも用意されているのでご安心を。

カレーは具材別に作る

味付けはスパイシーなものが多い

米にも特徴がある。「レッドライス」と呼ばれる赤色の米は小粒タイプと長粒タイプがあり、日本の「古代米」と同様、野生種のように自生力が強く、稲作に厳しい土壌でも育つそう。ちなみに、レッドライスの赤色はポリフェノール成分で、野生種には同成分が多く残っており、赤や紫・黒などもあるそうだ。

「香りの女王」というヒンディー語に由来する「バスマティ」も定番だ。スリランカをはじめ、インドやパキンスタン等で生産されており、米が持つ独特の香りとカレーは相性も抜群! なお、スリランカで主に食べられているのは「インディカ」で、細長くて炊き上がりがパラパラしているのが特徴。中には日本米の様に丸くて小粒の物もある。スリランカではご飯を手で食べる習慣があるので、粘りのあるベタベタした米よりも適していると言える。

極端な味が好き!? 激甘紅茶は一日中

米以外の食べ方としては「インディー・アッパ」も、朝食によく見かける"顔"だ。「インディー・アッパ」は米粉の蒸し麺で「ストリングホッパー」とも呼ばれている。カレーのほか、「サンボル」(和え物)などの味の濃いものと一緒に食べることが多い。油で焼いたパン「ロティ」よりもさっぱりしているため、食欲のない朝にもぴったりだとか。

いろいろなものを混ぜて手で食べる。主食は米のほか、蒸し麺「インディー・アッパ」などもある

また、スリランカの食文化を語る上で紅茶は外せない。一日の初めにまず一杯、午後の一服タイムにも一杯、食後や来客時にも温かい紅茶を飲む。そして基本的に砂糖はたっぷり。スリランカのカレーが激辛で有名ならば、スリランカ紅茶もまた、激甘で有名なのである。