皆様こんにちは! マネックス証券マーケット・アナリスト兼インベストメント・アドバイザーの益嶋(ますしま)と申します。この度コラムを連載させていただくことになりました。お読みいただいた方の投資力の向上にお役に立つべく、投資の上達方法についてわかりやすくお伝えしてまいります。どうぞよろしくお願い致します。

今回は連載初回ということで簡単に自己紹介から始めさせていただきます。私は2008年の4月にマネックス証券に新卒社員として入社しました。2008年といえば何が起こった年かご存じでしょうか? そうです、100年に1度と言われた金融危機のきっかけとなった「リーマン・ショック」が起きた年です。当たり前のように日経平均が1日に800円とか1,000円下落するのを見て、何が起こっているんだろう…… と呆然としたのを覚えています。そんな激動の新入社員時代を過ごした後マーケティングやコールセンターの業務を担当、2013年からアナリスト業務に携わるようになりました。毎日の市況解説や米国経済の分析、日本株セミナーの講師などを務めています。

一にも二にも押さえてほしい投資の基本

ではいよいよ「これから投資デビューしたい」「投資を始めてみたけどいまいちうまくいかない」という方のために、投資家としてレベルアップするための知識をお伝えしていきます。

まず押さえていただきたい株式投資の一番の基本は、「何の知識もなく投資するということは、ライオンの群れに無防備に飛び込むようなものである」ということです。いきなり怖いことを言ってしまいましたが引かないでください……。どういうことか説明していきますね。

皆さんが投資をするということは、マーケットの参加者の一人になるということです。マーケット=市場(しじょう)には多くの参加者がいます。大きくはアマチュアである個人投資家とプロである機関投資家に分けられますが、個人投資家の中にも投資を始めたばかりで右も左も分からないという方から、株取引で生活しているデイトレーダーのように多くの参加者が混在しています。機関投資家にも投資信託の運用を行うファンドマネージャーという人もいれば、海外から日本株に投資している外国人投資家もいます。このようにマーケットには様々な参加者がいて、それぞれ考えていることも様々です。

それらのマーケット参加者に共通していることは「1円でも多く儲けたい!! 」と思っている人ばかりだということです。中には「利益を出さないと会社をクビになる……」という人もいるでしょう。そういう人たちは、1円でも多く儲けるために必死です。どうやったら儲けられるか朝から晩までがむしゃらに考えています。マーケットに参加するということは、そういう人たちと同じ土俵で勝負する、ということなのです。

自分は平均的な成績でいいよ、ということであれば日経平均やTOPIX、米国のニューヨークダウ平均のような市場の平均となる株価指標に連動する投資信託を購入すれば苦もなく平均的な成績をあげることができます。ただ、もし皆さんが個別の銘柄に投資するつもりであればそれは市場の平均に勝ちにいくということを意味します。最初から平均以下の成績でいいよ、なんて人はいませんからね。

少し大げさにマーケットに勝つことの難しさをお伝えしましたが、いずれにせよ個別株の投資をするからにはしっかりと勉強していただきたいなと思います。あまり知識がないから個別株投資は怖いな、と思う方はまずは先ほどご紹介した市場の平均である株価指数に連動する投資信託を購入するのが良いでしょう。そして少しずつ勉強して、徐々に個別株投資に移っていくのが良いかもしれません。

次回からは、個別株に投資する場合の具体的なステップに加えて、市況の解説などもさせていただきたいなと思っています。最後までお読みいただきありがとうございました。ではまた次回!

執筆者プロフィール : 益嶋 裕

マネックス証券 マーケット・アナリスト兼インベストメント・アドバイザー

早稲田大学政治経済学部政治学科卒。2008年4月にマネックス証券に入社。2013年からアナリスト業務に従事。2017年8月より現職。現在は「日本株銘柄フォーカス」レポートや日々の国内市況の執筆、各種ウェブコンテンツの作成に携わりながら、オンラインセミナーにも出演中。日本証券アナリスト協会検定会員。
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