【コラム】

ラジオのはなし~ストリーミング時代のBCL

11 海外でも気ままなBCLライフ--ラジオと旅する(後編)

    上杉さくら  [2008/12/11]

    前回、「海外旅行にもラジオを持参」をテーマにお話しました。今回はその後編。海外でBCLを楽しむための準備などについてご紹介します。

    駅の待合室で流れるラジオを聴いて楽しむのもおすすめ。ポーランドからチェコへ行くとき、列車が遅れて、乗り継ぎがうまくいかなかったが、オストラバという駅の待合室で、ラジオをぼーと聞いていたら、「ヤングマン」の音楽が流れて、元気になった。もちろん、西条秀樹の歌ではなかったけどね。図は、そこで聞いたラジオ・チャスという局に受信報告書を送ったところ、同封されていたCD。こんなことも楽しみのひとつ

    出発の前に用意するもの

    まず、ラジオと、替えの電池、そして録音機器は必須です。また、ラジオと録音機器を接続する録音用ケーブルと、イヤフォンも必要になります。録音機器は外部メモリが使えるICレコーダがおすすめです。保存形式はMP3のものが、パソコンに取り込むのを考えると便利です。MP3ファイルの場合、あまり圧縮すると、あとで聞き取りをする際に聞きにくいですので、ファイルの圧縮サイズはなるべく低くしておきましょう。

    旅先のラジオ局の街頭広告を見るのも楽しい。写真はチェコのプラハにて

    また、録音を始めるときに、「周波数」「日付」「時間(現地時間なのか、日本時間なのかも)」「録音場所」も吹き込んでおくと、後々便利です。たとえば、「666キロヘルツ、1月1日、プラハ時間15時、ホテルプラハにて」などと録音しておけば、あとで整理するときに、わかりやすいです。なお、コンピュータに取り込んだあと、なにかの拍子で、プロパティがおかしくなってしまう場合があります。特に、ファイル作成日時はおかしくなる危険性があります。

    アンテナは、特別なものはむずかしいので、ラジオについているものや、AN-LP1のように折りたためるものを持っていくのがおすすめです。また、税関で荷物をあけられた際に、説明できるようにしておくことも大切です。

    そのほか、電源アダプタを使う場合は、変圧器や、変換プラグを持っていきましょう。

    旅立つ前に情報を集めておきましょう

    旅立つ前はなにかと忙しいですよね。でも、ここでなるべく事前情報を集めておくと、旅先でラジオを楽しめるようになります。必要なのは、どの地域で、なんの放送局が、どこに向けて、どの周波数で、何時から何時まで、何語で放送を行っているのか。ということですね。

    短波の場合、『Passport to World Band Radio』は必須です。とくに巻末のタイムスケジュール表は、周波数別に、放送局、中継局、放送時間、言語が掲載されているので役に立ちます。このタイムスケジュールは、秋・冬の周波数が記載されていますので、これ以外のシーズンの場合は、自分で調べていかなければなりません。

    また、国別に、長波、中波、FMの局別周波数を調べたい場合は、『WRTH--World Radio TV Handbook』がいいでしょう。またローカルの放送局の住所が載っているのも重宝します。ただし、情報が古いのもありますので、聞きたい局は、掲載されているサイトを見て、確認しておきましょう。

    それから、ヨーロッパやアフリカの中波局を聞く場合、「Euro-African Medium Wave Guide」をぜひチェックしておきましょう。中波局は、自国の国際放送や、他局の放送を中継する場合があり、それについても書かれています。「Euro-African Medium Wave Guide」のPDFファイル(有料 : 5ユーロ)は、以下のサイトから購入することが可能です。

    サイト情報

    ■Euro-African Medium Wave Guide
    http://www.emwg.info/

    旅から帰っても楽しみはつづく

    せっかく旅先でラジオ番組を聞いたならば、その局に受信報告書を出してみるのは、いかがでしょうか。その国で使われている言語で受信報告書を書くのがベストですが、EU諸国ならば、英語でも返信が来ることが多いです。QSLカードを持っている局は少ないですが、PFC(自分でここに証明してくださいと作成したQSLカード)を同封すれば、確認してくれる放送局も多いです。もちろん、返信がない局もありますが、中には、ステッカーやカレンダーも送ってくれる放送局もありますので、楽しみが増えることでしょう。また、放送局の局員も、遠い異国の日本から来た人がわざわざ自分の番組を聴いてくれた、と感激する場合もありますし、日本に対していいイメージを持ってくれる場合も多いので、ぜひ受信報告書を出してみましょう。

    放送局からは、QSLカードだけではなく、たとえば、ステッカーやポケットカレンダーが送られてくることも。図は、RTL(ルクセンブルグ)、ラジオ・チャス(チェコ)のステッカーと、Magyar Katolikus Radio(ハンガリー)の、ポケットカレンダー。他にも、局名入りのボールペンやちょっとしたキーホルダーなども送られてくることもある。Magyar Katolikus Radioのサイトはこちら

    最後に、年をとると若いときと違って無理がききません。まずは安全と健康に気をつけてラジオを旅先で聴きましょうね。

    国内放送局の場合、国際放送やその枠を買い取った番組を流すことがよくある。たとえば、オーストリアのORF Radioでは、Radio Afrika Internationalという番組を放送している。図はそのQSLカードであるが、チェコのプラハで聴いたものの、LOCATIONが日本となっている。ところで秋冬の深夜、日本からでもORF Radioは聞こえるそうだ

    ヨーロッパだけではなく、米国に旅行するときもぜひラジオを。サンディエゴのスペイン語局(XEAS、Radio Unica)を米国の砂漠で受信。報告書を送ったら、クリスマスカードが来た

    おわりに

    最後に、Euro-African Medium Wave GuideのHermanさんから日本のリスナー宛てにメッセージをいただきました。ご紹介しましょう。

    「インターネットにつなげば、たちまち世界中のラジオを聴くことができる昨今ですが、それでも、大気中を伝わる電波を通じて、生放送を直接聞くあのワクワク感は、何事にも代えられません。そうです、中波を聞きましょうよ!」

    2008年の連載はこれで終了です。また会う日まで、さようなら!

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